contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『日本の貧困研究』(橘木俊詔, 浦川邦夫 東京大学出版会 2006)

著者:橘木 俊詔[たちばなき・としあき] (1943-)
著者:浦川 邦夫[うらかわ・くにお](1977-) 応用経済学、福祉政策。
illustration:高野 謙二
cover design:加藤 光太郎
NDC:368.2 社会病理(貧困、スラム、どや街、浮浪者、ホームレス)


日本の貧困研究 - 東京大学出版会


【目次】
はしがき(橘木俊詔浦川邦夫) [i-ii]
目次 [iii-viii]
図表一覧 [ix-xiii]


第1章 日本の貧困の歴史
1. 人類有史以来の現象 001
2. 農業中心社会の貧困――古代・中世・近世 003
3. 階級社会の登場と貧困――明治から終戦まで 005
4. 豊かさの中の貧困――戦後 012
  4.1 戦争による極貧状態 012
  4.2 絶対的貧困か,相対的貧困か 015
  4.3 貧困研究の蓄積 017


第2章 先進国の貧困
1. 先進国における現状 021
2. アメリカの貧困――自立重視・低福祉 027
3. イギリスの貧困新自由主義的傾向の登場 036
  3.1 先進的な貧困研究 036
  3.2 現代の課題――女性・人種差別・高齢化 045
4. 北欧諸国の低貧困率福祉国家の帰結 049
  4.1 スウェーデンデンマークの実状 050
  4.2 北欧でなぜ貧困率が少ないか――民主主義と平等感 052


第3章 日本の貧困―― 1990年代以降の変化
1. はじめに 059
2. 分析の枠組み 062
    使用するデータ
    所得の定義
    等価所得について
    データクリーニング
    分析に用いる貧困指標
3. 上昇する相対的貧困率 「働き盛り世代」に広がる貧困 075
  3.1 貧困レベルの年次推移 075
  3.2 TIP曲線による検証 077
  3.3 世帯類型別に見た貧困指標の推移 080
    母子世帯と高齢者世帯
    単身世帯
    若年世帯
    核家族世帯と三世代同居世帯
    世帯類型別に見た貧困の推移のまとめ
4. 推定結果の信頼性 095
  4.1 等価尺度の変化による頑健性の検証 095
  4.2 貧困ラインの変化による頑健性の検証 097
5. 分配感応的な貧困指標と貧困順序の頑健性 099
  5.1 分配感応度の指標 099
  5.2 所得分布関数の形状と頑健性 101
  5.3 TIP曲線による頑健性の確認 102
  5.4 TIP曲線を用いた検証 103
6. 貧困の原因は何か――所得類型別分析 105
  6.1 当初所得 105
  6.2 修正当初所得 107
  6.3 税・社会保険料控除前所得 108
  6.4 可処分所得 108
  6.5 再分配所得 109
7. おわりに 109


第4章 生活保護制度の貧困削減効果――公的年金制度との比較 111
1. はじめに 111
2. 生活保護基準で見た場合の貧困率 117
  2.1 生活保護基準の設定 117
  2.2 拡大傾向にある生活保護基準未満世帯 122
  2.3 捕捉率が低い理由 124
3. 貧困世帯の特徴——世帯類型・年齢階層・世帯業種・地域 127
  3.1 生活保護基準未満世帯の特徴 129
  3.2 生活保護受給世帯の特徴 132
4. 社会保障制度の効果 135
  4.1生活保護制度――弱い貧困転落防止効果 136
  4.2 公的年金制度――貧困防止効果は大 140
  4.3 若年層・壮年層への低い効果――諸外国との比較 143
  4.4 生活保護制度改革の展望 146
5. おわりに 147


第5章 “貧困との戦い”における最低賃金の役割
1. はじめに 151
2. 最低賃金制度の現状――生活保護基準を下回るケースの存在 153
3. 誰が最低賃金付近で生活しているのか 159
  3.1 使用するデータ 159
  3.2 計量モデル 160
  3.3 推定結果 163
  3.4 低賃金労働者と貧困との関係 167
4.最低賃金の上昇は雇用量を減らすのか 170
  4.1 欧米の実証研究 171
  4.2 使用するデータ 172
  4.3 計量モデル 173
  4.4 推定結果 174
5. 最低賃金が賃金分布に与える影響 176
  5.1 最低賃金の上昇でどれだけの貧困世帯が救われるか 176
  5.2 賃金分布の平等化への貢献 177
    計量モデル
    推定結果
6. おわりに 180


第6章 人々は貧困をどのように捉えているのか――所得分配の価値判断に関する実証分析 185
1. はじめに 185
2. 先行研究 186
  2.1 日本の先行研究 186
  2.2 欧米の先行研究 188
3. 所得分配と貧困に関する意識 191
  3.1 使用するデータ 191
  3.2 倫理基準の設定 197
    効率最優先型[EF]
    ギャンブラー型[GAM
    最上位選好順序型[LMAX]
    功利主義型[BT]
    ロールズ型[LMIN]
    修整ロールズ型[LMIN2]
    起業家1型[Ent_A]
    起業家2型[Ent_B]
    絶対的貧困回避型[POV_A]
    相対的貧困回避型[POV_R]
  3.3 調査結果貧困への問題意識 205
  3.4 「機会の平等」に対する認識と所得分配の選好 207
4. 他人との比較をどう捉えるか 209
  4.1 パレート原理の支持に対する考察 209
  4.2 自分自身の立場と分配の選択との関係 213
  4.3 計量モデル 215
  4.4 推定結果――嫉妬と利己心 217
5. おわりに 218
Appendix.1 221


第7章 所得格差の拡大と貧困
1. はじめに―― 1990年代以降の所得格差 223
2. 所得格差の推移 228
  2.1 所得分配の不平等度計測のための尺度 228
    i. 平均対数偏差(Mean log deviation)
    ii. 平方移動係数(Squared coefficient of variation)
    iii. 分位比率(Decile raito, Quartile raito)
    iv. アトキンソン係数(Atkinson Index)
  2.2 高まる不平等度 233
  2.3 税制・社会保障制度の格差是正効果 237
3. 世帯主の職業による影響 241
  3.1 平均対数偏差による要因分解 241
  3.2 世帯業態間に存在する所得格差 243
  3.3 業態間格差の拡大 247
  3.4 低い世帯業態間のモビリティ 251
4. 経済のマイナス成長の影響―― PG曲線,GI曲線による分析 255
  4.1 PG曲線,GI曲線の定義 255
  4.2 低所得層に大きい不況のダメージ 257
5. 「喪失感」を考慮した貧困指標 259
  5.1 焦点公理の限界 259
  5.2 オーバーラッピング指標による計測 262
    ジニ係数の要因分解
    オーバーラッピング指標の概要
  5.3 貧富の格差を考慮した貧困指標 267
  5.4 貧困層は非貧困層との比較でどう思うか 268
  5.5 推定結果——貧困層の喪失感・疎外感の高まり 269
6. 2002年以降の所得格差 274
7. おわりに 277


第8章 社会的排除ベーシック・インカム構想
1. 社会的排除の考え方 281
  1.1 政治的課題として登場 281
  1.2 社会的排除の特色 282
  1.3 ヨーロッパの計測例 284
  1.4 日本での剝奪と社会的排除 289
  1.5 社会的排除論の評価 295
2. ベーシック・インカム構想 299
  2.1 定義と主な議論 299
  2.2 導入への壁 302


第9章 生活の質と貧困――相対的剝奪が生活満足度に与える影響の実証分析
1. はじめに――「質的」な貧困考察の意義 307
2. 剥奪と生活満足度の関係 308
  2.1 先行研究 308
  2.2 使用するデータ 309
  2.3 使用する変数とモデル 309
3. 推定結果 313
  3.1 生活満足度と階層意識 313
  3.2 主観的貧困 318
4. 家族との交流と生活満足度 320
5. おわりに323


第10章 岐路に立つ日本社会――変容の中で貧困問題にどう取り組むか 327


あとがき(橘木俊詔浦川邦夫) [337-338]
参考文献 [339-353]
索引 [355-358]