著者:家坂 清子[いえさか・きよこ] 医師(産婦人科)。
編集協力:高崎 真規子[たかさき・まきこ](1959-) ノンフィクション・ライター。
DTP:岸本 剛
校正:音原 样子
NDC:367.9 性問題.性教育
【目次】
まえがき [003-006]
目次 [007-008]
第1部 思春期外来から
1 思春期外来を訪れる女の子たちは 010
思春期外来とは
ティーンエイジャーの受診動機
待合室の女の子たち
何も知らない大人たち
特別な子だけが受診するという勘違い
中学生も増えつつある
「産婦人科って、行きにくい」
2 親たちが知らない子どもたちの性行動 022
思春期と性行動
キスから性交への一歩
高まる中・高生のキス経験率
「中学生のキス」は許容範囲か?
性交経験率の推移
危険域に達している中学生女子
地方には「他に楽しみがない」
性交経験は一五、六歳から!
子どもたちの見解
少女達の性行動の変化と社会的背景
時代は動いたのです
3 見えてきた性感染症の実態 043
一〇代の女の子が性感染症の主役
セックスのあるところ、どこにでも、誰にでも
4 《となりのお友だち像》――あなたの街のあなたの仲間たちは 049
仲間からのメッセージ
①クラミジア感染は、とくに一〇代に多い
②コンドームはかなり有効である
③一〇代は「必ずコンドームを使う」ことができない
④性交相手の人数が多いほど感染率は上がる
⑤一〇代は性交人数が多い
⑥安全な人はより安全に、リスキーな人はよりリスキーに
⑦性交開始年齢が低いほど感染率が高い
⑧中絶する子は遊んでいる?
⑨どんな症状に気をつければいいのか
第2部 性と教育
1 性教育――大人はどう向き合っているか 072
幸運な出合い
性教育とは
変化の予兆
大人は「性」にどう向き合っているか
2 子どもたちに「性」をどう伝えるか 087
思春期の定義
身体的変化と成熟「精通と初経」
性自認
好奇心と性的欲求
快楽性と性的欲求、男女の違い
落ちこぼされやすい男の子
大人の男性を手配したい
ポルノと向き合う
ポルノ情報をどう捉えるか/メディアリテラシー
ポルノを見つけたとき
基礎的で不可欠な情報が届けられていない
3 医療と学校教育を結ぶ 107
認知された身近なデータの重要性
さらに行政との提携
性教育は体力・気力の勝負
伝わりにくい危機感
《となりのお友だち像》
「第二回群馬県における高校生の性意識・性行動調査」
①性意識
②キス経験率の変化
③性交経験率の変化
④初回性交時の避妊実行率の特徴
⑤性情報源
性感染症罹患者数に現れた変化
4 性教育実践の中で触れた子どもたち 125
「ウリ」の値段
エンコー(援助交際)はどうしていけないの?
「先生〜! クラミジアは口でもうつりますか〜〜?」
“連帯性”を伝える
第3部 思春期の子をもつ親たちへ
1 思春期外来の子どもたちに学ぶ 136
母から娘に伝えたいこと
思いがけない状態で妊娠する
家族による性被害
「生理が半年くらい来ないんです、いつものことですけど」
娘の危機に直面した母親は
学校と出産
妊娠検査
2 思春期と妊娠 149
妊娠と結婚
妊娠の行方
出産の結末
中絶するには遅すぎた中学生
日本の状況
一五歳未満の妊娠、出産の深刻さ
「産みたい」という言葉に込められた思い
「育てたい」と言えるか
3 思春期と避妊 164
将来を見据えて
思春期の避妊
「しているつもり」の避妊
コンドームは敗れる
コンドームは外れる
破れた! 外れた! そのときは
望まない妊娠
緊急避妊法を知っていますか?
4 過酷な環境に生きる女の子たち 180
逃避のためのセックス
プチ家出と家庭内性暴力
なぜ「脳内出血」が?
男たちの暴力
5 家庭と性行動 189
子どもたちの家庭への眼差し
家庭へのイメージと性行動
家庭の“楽しさ”と性意識・行動
「家庭が楽しい」とは
求められているのは物質的豊かさではなさそう
楽しい家庭で育つ自尊感情
「性に関わる意識調査」から
性感染症と家庭環境
すべての子どもたちが望むこと
あとがき(二〇〇七年七月 家坂清子) [209-211]
参考文献 [212]
図版出典一覧 [212-214]
【図版出典一覧】
図1-1 いえさか産婦人科医院調べ、二〇〇〇年、二〇〇三年
図1-2 『児童・生徒の性』二〇〇五年版、東京都幼稚園・小・中・高・心障性教育研究会編、学校図書
図1-3 『児童・生徒の性』一九九六、一九九九、二〇〇二年版より改編、東京都幼稚園・小・中・高・心障性教育研究会編、学校図書
図1-4、1-5 「第二回群馬県における高校生の性意識・性行動調査、二〇〇四年」
図1-6、1-7 『児童・生徒の性』一九八四~二〇〇五年版より改編、東京都幼稚園・小・中・高・心障性教育研究会編、学校図書
図1-8 『児童・生徒の性』二〇〇二年版、東京都幼稚園・小・中・高・心障性教育研究会編、学校図書
図1-9 『児童・生徒の性』二〇〇五年版より改編、東京都幼稚園・小・中・高・心障性教育研究会編、学校図書
図1-10 金沢大学医学部・井上正樹教授提供/『警察白書』(二〇〇一年)、『通信白書』(二〇〇〇年)、『児童・生徒の性』(東京都)一九八四〜二〇〇五年版より
図1-11 『青少年の性行動』財団法人日本性教育協会編/発行
図1-12 「第一回群馬県における高校生の性意識・性行動調査、二〇〇〇年」
図1-3 いえさか産婦人科医院「若年女性のクラミジア感染と性行動」、一九九八〜二〇〇〇年
図2-1、2-2 『10代の性行動と日本社会――そしてWYSH教育の視点』木原雅子著、ミネルヴァ書房、二〇〇六年より改編
図2-3 「HIV感染症の動向と予防モデルの開発・普及に関する社会疫学的研究」木原正博、平成7年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業
図2-4〜2-14 「第二回群馬県における高校生の性意識・性行動調査、二〇〇四年」
図2-5 群馬県衛生研究所提供のデータより
図3-1 『母子保健の主なる統計』財団法人母子衛生研究会編、母子保健事業団
図3-2〜3-8 「第二回群馬県における高校生の性意識・性行動調査、二〇〇四年」
図3-9〜3-12 「性に関わる意識調査」二〇〇五年、群馬県教育委員会
図3-13〜3-16 いえさか産婦人科医院「性感染症と家庭環境調査」二〇〇六年
表1-2、3 いえさか産婦人科医院「若年女性のクラミジア感染と性行動」一九九八〜二〇〇〇年、二〇〇〇〜二〇〇一年調査より
【メモランダム】
・本書(2007年刊行)の編集に携わった高崎真規子による、同レーベルの著作もある。ただしデータが感想付きで羅列されたレポートという感じなので、本っぽくはない。
『少女たちの性はなぜ空虚になったか』(高崎真規子 生活人新書 2008)