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『欲ばり過ぎるニッポンの教育』(苅谷剛彦,増田ユリヤ 講談社現代新書 2006)

著者:苅谷 剛彦[かりや・たけひこ](1955-) 教育社会学、比較社会学
著者:増田 ユリヤ[ますだ・ゆりや](1964-) ジャーナリスト。
NDC:372.107 教育史・事情


『欲ばり過ぎるニッポンの教育』(苅谷 剛彦,増田 ユリヤ):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部


【目次】
目次 [003-007]
まえがき(二〇〇六年十月 増田ユリヤ) [008-012]


  第一部 東京で教育の問題点を探る 013


第一章 親の不安はどこから来るのか 014
  母親たちの英語熱
  プリスクールでバイリンガル教育
  次は「中国語」でトライリンガル
  お受験か、インターナショナルスクールか
  公立校は本当にダメなのか
  教育プログラムはお料理のレシピ


不安と教育の格差[苅谷剛彦] 034
  希望の裏返しとしての不安
  見極めの難しさ
  選択と格差


第二章 完璧な子育てはない 044
  ポジティブリストとネガティブリスト
  英語を教えられる教員を確保できるのか
  NHKの語学番組とどこが違うのか
  最低限の安心が欲しい
  安心のプログラムを買うと不安が高まる
  人間も教育も計算どおりやろうとして、悪くする
  マクドナルドのシェフの悲鳴
  地域の実情に合わせて始めればよかった
  不確定要素の大きい公立校、一定の安心が買える私立校
  世の中全体でプログラム化が進む


教育改革を語る前に[苅谷剛彦] 079
  魔法の杖
  魔法のランプ
  魔法の呪文


第三章 日本は学校に依存することで近代社会をつくってきた 092
  二足のわらじを履くフィンランドのプロ教師
  その道のプロが教壇に立つ
  学校が進路の責任をもたない
  進学率六〇%のままだったとしたら……
  教育問題の犠牲の上に大学に行ける社会に


学校間格差がほとんどないフィンランドの公教育[増田ユリヤ] 117
  PISA調査で学力世界一
  教育の自由化と制度の充実
  特別なことは何もしていない
  問題を未然に防ぐ姿勢


  第二部 オックスフォードで分かり合えたこと 131


第四章 フィンランド型の教育を日本で実践できるか 132
  ヨーロッパの国々が教育にもつ自信
  リスニング試験、日本人はおかしな国民!?
  「僕も二十代まで英語が話せなかった」
  学歴主義と日本人的教育観


第五章 なぜ日本人は右往左往するのか 152
  フィンランド型の教育は必要なのか
  間違ってはいけないこともある
  将来に対する不確実性への不安
  歴史に裏打ちされた自信
  義務教育と高校の間にある区切り
  日本は選抜ではなく、選択を重視
  学び取る力には個人差がある


フィンランドの学校の主な体系 176
イギリスの学校の主な体系 177


第六章 絶対評価相対評価 178
  「フィンランドより日本の教育システムの方がいい」
  日本の教育制度は絶対評価の厳しさを無視している
  絶対的な基準で変わる「自分らしさ」
  親はテストの点数ではかる評価を選ぶ
  国際的な評価は絶対評価
  二十一世紀型社会ではさ迷う若者が増える
  日本的な生きやすさを生み出してきた制度
  子どもを導く力量が総合学習には必要だった
  教育改革は修得主義を目指したものではなかったのか


徹底した修得主義を貫くフィンランド増田ユリヤ] 217
  教員養成の現場を訪ねる
  すべての場面で修得主義を貫く
  難易度の高い大学入試
  教師になっても続く研修
  人気が高い校長研修プログラム
  他業種から歓迎される教育学部出身者
  制度がうまく活用されないこともある


欲ばり過ぎがもたらす教育格差――学ぶカが「資本」となる社会[苅谷剛彦] 233
  学習資本主義社会の出現
  現実とのギャップ
  格差というしわ寄せと近未来の改革路線


あとがき(二〇〇六年十月 苅谷剛彦) [250-254]