著者:筒井 淳也[つつい・じゅんや] (1970-) 計量社会学、家族社会学。
件名:ワークライフバランス
NDC:366.021
NDC:366.7 労働経済.労働問題 >> 労働者生活・教育.技能者養成
【目次】
まえがき [i-v]
目次 [vi-x]
第1章 日本は今どこにいるか 001
1 工業化と「国のかたち」 001
変わらない特徴と変わる特徴
工業化と経済格差
工場やオフィスで働く
家族生活の変化
2 各国の多様性 009
女性の労働力参加率の差
就労の中身
アメリカとスウェーデンの比較
出生率の違い
結婚の減少と同棲の増加
3 現在の仕事と家族を見る視点 021
一九七〇年代、道は分かれた
欧米三ヶ国の選択
日本が経験した変化
第2章 なぜ出生率は低下したのか? 031
1 少子化・未婚化の要因を探る 031
共通了解があるところ
日本における少子化と未婚化
価値観か、経済要因か
既存の枠組みの限界
未婚化要因な整理する
2 日本で未婚化が進んだのはなぜか 045
男女別の未婚化動向
「両立困難・機会費用」説は考えにくい
女性の高学歴化の影響 低成長の影響
一九九五年の「転換」
3 女性労働力参加率と出生率の関係 057
マイナス効果の強い国、弱い国
スウェーデンの「転換」
家族支援と両立支援の影響
チャンスを逃した日本
有効な少子化対策とは
日本で同棲を保護しても効果が薄い理由
第3章 女性の社会進出と「日本的な働き方」 077
1 なぜ女性の労働力参加は進んだか 077
二〇世紀後半の最も革命的な変化
U字型仮説
人口変動の影響
社会構造と社会制度
産業構造の影響
2 日本の女性労働の変化 088
増えたのはパート、アルバイト
環境ではなく構造
女性の就労を抑制する制度
壁をなくすメリットと限界
3 「日本的な働き方」と均等法 098
欧米を特徴づける職務給制度
日本独自の職能資格制度
正社員の働き方の「無限定性」
職能資格制度と女性排除
総合職、一般職における間接差別
均等法のパラドックス
EU、アメリカと日本の違い
長所と短所を理解すること
残された課題
第4章 お手本になる国はあるのか? 121
1 自由主義、社会民主主義、保守主義 121
クォーター制
北欧を悩ませる「性別職域分離」
「大きな政府vs. 小さな政府」を超えて
一九七〇年代という分岐点
アメリカの自由主義路線
北欧の社会民主主義路線
ドイツの保守主義路線
日本はどの路線なのか
日本型福祉社会
非正規雇用の拡大という帰結
日本が目指すべき路線とは
2 サービス職の特徴とグローバル化 146
モノとサービスの違い
ケアサービスの効率化はなぜ難しいのか
同時性と同場所性が要求される仕事
移民と日本的働き方
これからの合意形成に向けて
第5章 家族と格差のやっかいな関係 161
1 家族にどこまで負担を負わせるか 161
家族に残る二つの機能
外部化の限界
ケアワークをいかに分担するか
「家族主義」が家族をつぶす
2 家事負担の平等化はなぜ進まないか 171
家事分担の理論と現状
なぜ「家事は妻がやるもの」となるか
女性的家事と男性的家事
男女のスキル格差
希望水準の不一致
公平な分担のために
3 家族と格差のこれから 186
子どもに引き継がれる格差
結婚が広げる格差
パワフル・カップルを生むもの
同類婚が衰えない理由
終章 社会的分断を超えて 197
本書の分析
「働くこと」を基軸に
お金を稼ぐことは利他的である
参考文献 [209-207]