編者:白波瀬 佐和子[しらはせ・さわこ] (1958-) 社会階層論、人口社会学、家族と社会制度の変化。
著者:鬼頭 宏(1947-)
著者:佐藤 泰裕(1973-)
著者:増田 寛也(1951-)
著者:玄田 有史(1964-)
著者:大沢 真知子(1952-)
著者:工藤 啓(1977-)
著者:上林 千恵子(1949-)
著者:吉川 洋(1951-)
著者:武藤 真裕(1971-) 医師(循環器専門医)、経営コンサルタント。
NDC:334.31 人口問題、人口政策
【目次】
まえがき [i-iii]
目次 [v-ix]
第1講 歴史と人口――歴史人口学からみる人口減少社会(鬼頭 宏) 003
はじめに 004
1 最新の人口推計が示す日本の未来 004
2 年齢構造の変化――生産年齢人口の減少と高齢者の増加 005
3 少子化の必然性 007
4 「静止人口」は国家目標だった 011
5 家族制度――超低出生率国には共通の特徴がある 012
6 人口波動――人口は増減を繰り返しつつ増加してきた 016
7 静止人口の先にあるもの――目指すべきは文明のパラダイムシフト 019
Q&A 講義後の質疑応答 021
I 人口と地域
第2講 人口移動――都市と地域の人口問題(佐藤泰裕) 029
はじめに 030
1 日本の都市・地域 031
1-1 人口の地域的偏り1
1-2 人口の地域的偏り2
1-3 人口の地域的偏り3
2 社会増減――人口移動による変化とその要因 034
2-1 三大都市圏の人口流出入
2-2 地域間人口移動
2-3 広域地域内の移動
3 順位――規則の法億と人口集中のメカニズム 037
3-1 集積の経済と不経済
4 大都市形成のメカニズム 039
4-1 集積の経済
4-2 人口集中の影響
5 都市規模の効率性 043
5-1 ヘンリー・ジョージ定理と最適都市規模
6 過剰都市化と政策の役割 047
6-1 地方創生
7 自然増減と都市規模 049
7-1 出生率と都市規模
7-2 都市規模と出生率を結ぶメカニズム
7-3 地域経済政策と少子化
8 若者の移動 054
8-1 事例
Q&A 講義後の質疑応答 059
第3講 地方創生――人口減少社会と地方創生(増田寛也)
はじめに 064
1 地方創生の課題 066
1-1 地域での優先課題
1-2 働き方改革
1-3 結婚・出産・子育て支援
1-4 まちづくり
1-5 移民,事実婚
1-6 東京一極集中の是正
1-7 イノベーション
2 若年人材の都市部への流出とUターンの可能性 070
3 AI(人工知能),ロボットの可能性 075
4 シェアリングエコノミーの拡大 078
5 地域力向上について 082
Q&A 講義後の質疑応答 083
第4講 希望――人口減少と労働問題(玄田有史)
1 地域と希望 090
(1) 希望学という取り組み
(2) 幸福と希望
(3) 2つの絆
(4) 日頃からの「信頼」づくり
2 地域と移動 096
(1) 地方から都会へ
(2) 高学歴・大企業神話
(3) 希望を失う若者たち
(4) 地方にこそチャンス
(5) 地方には仕事がない?
(6) 一度は出てみる
(7) 「手応え」のストーリー
(8) 3つの「思い人」
(9) 大切なのは「準備」
3 地域と交流 111
(1) 地域の「オリジナル」
(2) 地域間での連携
(3) ひきこもりの町で
(4) 逆転の発想
4 希望活動人口へ 117
Q&A 講義後の質疑応答 119
II 労働
第5講 働き方――人口減少社会における働き方を考える(大沢真知子)
はじめに 124
1 人口減少社会の到来 125
1-1 欧米におけるワーク・ライフ・バランスの広がり
1-2 女性の活躍は進んでいるのか
2 女性労働政策の3つのステージ 129
3 日本的雇用慣行を支える条件の変化 131
3-1 男性稼ぎ主モデル
3-2 税・社会保障制度が女性の労働供給に与える影響
3-3 家族依存モデルと女性の貧困
3-4 正社員と非正社員の賃金格差
3-5 正社員と非正社員の違い
3-6 日本の雇用契約の特徴
4 非正社員の増加と社会システム 139
4-1 格差社会の形成
4-2 女性労働者への統計的差別
4-3 女性はなぜ仕事を辞めるのか
4-4 男女間賃金格差をもたらすくっつく床(sticky floor)とガラスの天井
5 長時間労働と女性の活躍 144
5-1 セカンドチャンスが少ない日本の社会
5-2 男性の所得も下がっている
Q&A 講義後の質疑応答 148
第6講 若者支援――人口減少社会における若者支援のあり方(工藤 啓)
はじめに 154
1 若者とは誰か 154
1-1 日本における若者の政策対象年齢
2 無業社会 156
2-1 若者無業者3類型
2-2 引きこもりについて
2-3 年齢階層別完全失業率の推移
2-4 学歴と年齢階層別完全失業率との関係
2-5 無業の若者と若年無業支援
3 企業と若者支援 164
3-1 若者支援
4 失業者の対策 167
4-1 若年無業者の半数は支援機関の利用に躊躇
5 就職支援ではみたせないニーズ 173
5-1 若者支援の課題① アウトリーチ
5-2 「リスクアプローチ」から「ポピュレーションアプローチ」――「対処型」に加えて「予防型」を
5-3 若者支援の課題② 「より強い“第二顧客”モデルへ」
おわりに 179
Q&A 講義後の質疑応答 182
第7講 移民政策――人口減少社会における移民政策と日本の将来(上林千恵子)
はじめに――人の移動と国民国家 186
1 移民政策と移民の定義 189
1-1 移民政策① 出入国管理
1-2 移民政策② 統合政策と在留管理政策
2 移民政策の隘路――欧米諸国の経験から 195
2-1 社会的統合政策の概念とその成立背景
2-2 アイデンティティ再構築の必要性
2-3 政治的・政策的課題の争点化
3 日本の外国人労働者受け入れ政策または移民政策 200
3-1 外国人労働者を必要とする諸国の共通点
3-2 日本の外国人労働者の就業実態
3-3 これまでの外国人労働者受け入れ政策
3-4 「骨太の方針2018」による新たな外国人の受け入れ
4 今後の展望 206
4-1 短期的課題
4-2 長期的課題
注 209
Q&A 講義後の質疑応答 210
III 社会保障と医療
第8講 社会保障――超高齢社会の社会保障制度(吉川 洋)
はじめに 218
1 人口減少/少子高齢化の下での経済成長 220
2 先進国の経済成長を生み出すのはイノベーション 224
3 経済社会の閉塞感 226
4 格差の「防波堤」としての社会保障 228
4-1 社会保障の歴史
4-2 日本社会保障制度
4-3 持続不能な財政赤字
5 日本の財政で伸びているのは社会保障関係費 233
6 医療 235
Q&A 講義後の質疑応答 238
第9講 医療――日本とシンガポールにおける在宅医療と遠隔医療の展開(武藤真祐)
はじめに 244
1 医療法人 鉄祐会の取り組み 244
1-1 ICTの活用
1-2 地域包括ケア
1-3 遠隔診療
2 日本の医療の問題再考 247
2-1 海外の医療
Q&A 講義後の質疑応答 251
第10講 人口と社会――持続可能な成長型超高齢社会をめざして(白波瀬佐和子)
はじめに 260
1 日本の将来推計人口 264
2 合計特殊出生率 264
3 日本の急速な人口高齢化の二つの側面 267
4 人口構造の変化と個人のライフコースの内容 268
5 高齢期の社会リスクとその対応――家族への役割期待とその限界 270
6 日本型福祉社会をめぐる二つの誤算 272
7 変わる高齢者像 276
8 人口構造の変化と個人のライフコースの変容 276
9 所得再分配効果は改善しているか? 278
10 社会保障は助け合いの制度 280
11 人口高齢化を格差の観点からみると 281
12 超高齢社会のお互いさまの新システム――助け合い/お互いさまの関係 282
Q&A 講義後の質疑応答 283
参考文献 287
あとがき [289-292]
編者紹介 [293]