編者:間場 寿一[あいば・じゅいち] (1933-) 社会学。
装丁:井上 二三夫[いのうえ・ふみお] ブックデザイナー。
NDC:361.4 社会心理学。
【目次】
はしがき [i-iv]
目次 [v-xiii]
I 社会心理学の理論と課題
第1章 社会心理学とは何か[間場寿一] 002
1 境界科学としての社会心理学 002
社会心理学のイメージ
心理学・社会学・社会心理学
社会心理学の多義性
2 社会心理学の二つのアプローチ 012
心理学的アプローチ
社会学的アプローチ
二つのアプローチの収斂
3 社会心理学の課題 017
社会的相互作用と社会過程
人間存在の社会心理学
II 人間性とその形成過程
第2章 自我と社会[越井郁朗] 024
1 自我の特徴 024
自我の意味
自我の自覚
イド・自我・超自我
2 社会的自我の形成 029
他者の役割取得と言葉
鏡映的自我
自我の社会的発達
自我同一性(アイデンティティ)
3 社会的自我の機能 038
I と meの内的対話
自我像――変容と持続
制度的自我と衝動的自我
役割取得と自我の能動的活動
第3章 社会的性格とパーソナリティ[丸木恵祐] 045
1 パーソナリティの構造 045
パーソナリティの概念
パーソナリティの二面性
役割とパーソナリティ
2 社会的性格の形成 052
社会的性格の概念
社会的性格論の動向
フロムの性格類型論
3 精神の健康と社会変革 059
疎外と大衆
正気への道
辺境革命
第4章 社会化[三沢謙一] 065
1 社会化研究の動向 065
二つの社会化研究
役割交涉の視点
生涯社会化の視点
2 社会化とライフステージ 071
三つのアプローチ
フロイト、ユングの発達理論
エリクソンの発達理論
3 社会化とライフコース 076
ライフステージ・アプローチの展開
ライフスパン・アプローチの展開
ライフコース・アプローチの展開
III 社会的相互作用の諸問題
第5章 コミュニケーションと社会的相互作用[小川全夫] 086
1 日常生活のなかのコミュニケーション 086
挨拶と制服
嘘と誤解
規則創設と解釈過程
2 コミュニケーションのなかの社会行動 093
弁証と瞑想と模擬操作
言葉の贈与と交換
囚人のディレンマと二重束縛
3 変動のなかのコミュニケーション 101
スティグマと道化
公共性の転換と会話の復権
第6章 集合行動の社会心理[水野博介] 105
1 群衆心理学の理論――ル・ボンの思想を中心に 105
ル・ボンの『群衆心理』
群衆の心理
2 集合行動の諸理論――アメリカ社会学での展開 109
集合行動論の系譜
集合行動の「感染説」
集合行動の「創発規範説」
3 集合行動の諸相――スメルサーの理論と日本の歴史的事象への適用 114
スメルサーの演繹的な理論
パニックとその事例
クレーズとその事例
敵意噴出行動とその事例
規範志向運動と価値志向運動
スメルサーの理論の評価
第7章 社会移動と社会心理[中道 實] 124
1 社会移動への社会心理学的接近 124
移動研究の課題
ウィスコンシン・モデルの登場
社会心理学的モデルの限界
2 社会化モデルと配分モデル 133
達成過程のメカニズム
両モデルの統合へ向けて
3 中流意識と社会移動 139
学歴社会の移動過程
中流意識の汎化
中流意識の「構造的効果」
IV 現代日本の社会心理
第8章 世代の社会心理[井上忠司] 148
1 世代論へのアプローチ 148
世代の断層
世代とは何か
戦後の世代論
2 大衆化と世代感覚 153
世代感覚の規準
文化の平準化現象
現代家庭と世代
3 情報化と世代操作 158
演出される世代
世代操作の逆説
世代論の可能性
第9章 教育危機の社会心理
1 「危機」の意味
危機の本質
危機の社会心理
2 学校教育の変動
学校教育の量的拡大と質的変化
学校の機能障害
3 学校教育の危機意識
学歴価値の動揺
学校観の動揺
第10章 現代宗教の社会心理[飯田剛史] 182
1 現代人の宗教意識 183
宗教意識と宗教行動
意識分析と構造分析
宗教回帰
2 日本宗教の構造 189
民俗宗教・成立宗教・政治宗教
基層宗教・外来宗教
日本宗教の構造
3 日本宗教の諸形態 194
4 現代の宗教状況 200
私化・市場化の進展
新新宗教
宗教と政治
第11章 労働の社会心理[西山美瑳子] 204
はじめに――情報化社会、高齢化社会の到来で職場や職業生涯はどう変わっていくか? 204
1 職業選択、職業生涯の現状と問題点 205
職業選択、就業の機会、職業の多様性
中高年者に仕事適応者が多いのはなぜか?
柔軟な職業生涯を送るための社会的条件
2 労働観と日本人の勤労意識 213
労働観のさよざま
日本人の勤労意識
3 日本的組織風土の構成要因とその内部変容 220
日本的職場集団の特質は今後も続くか
情報化社会の進展と雇用問題
第12章 社会病理と社会心理――現代日本のモラル・パニック[村上直之] 224
1 なぜ、非行問題が深刻化しているか 224
少年非行の「第三の波」
マス・メディアと認知的不協和
2 低成長時代の社会不安 228
非行とその象徴的意味作用
低成長時代の社会不安
3 少年非行とモラル・パニック 232
非行の三つの特徴
軽微な罪種の取締り強化
「第三のピーク」の予言
少年非行とモラル・パニック
参考文献 [243-255]
人名索引 [10-13]
事項索引 [1-9]