原題:The Righteous Mind: Why Good People are Divided by Politics and Religion (Pantheon Books)
著者:Jonathan David Haidt(1963-) 社会心理学。
翻訳:高橋 洋[たかはし・ひろし](1960-) 日英翻訳。
索引編集協力:有限会社プロログ
装丁:中垣 信夫
装丁:中垣 呉 (中垣デザイン事務所)
件名:道徳
件名:心理学
NDLC:H51
NDC:150 倫理学.道徳 >> 理論.心理学体系[学派]
メモ:興味深いテーマだが、強引な理屈や偏見が気にかかる。
【目次】
献辞 [003]
題辞 [004]
目次 [005-011]
凡例 [011]
はじめに 012
〈正義心〉とは何か
本書の概要
第1部 まず直観、それから戦略的な思考――心は〈乗り手〉と〈象〉に分かれる。〈乗り手〉の仕事は〈象〉に仕えることだ
第01章 道徳の起源 024
道徳の起源
リベラルのコンセンサス
もっと簡単なテスト
非西欧社会では……
大きな議論
嫌悪と不敬
犠牲者をでっちあげる
まとめ
第02章 理性の尻尾を振る直観的な犬 061
ウィルソンの予言
情動の九〇年代
なぜ無神論者は自分の魂を売らないのか
「見ること」と「理由を考えること」
〈象〉と〈乗り手〉
議論に勝つ方法
まとめ
第03章 〈象〉の支配 099
脳はただちに、そして絶えず評価する
社会、政治的な判断はとりわけ直観的である
身体が判断を導く
サイコパスは理性的に思考するが感じない
乳児は感じるが思考しない
感情反応は脳のしかるべき場所でしかるべきときに起こる
〈象〉は理性に耳を貸す場合もある
まとめ
第04章 私に清き一票を 129
人は皆、直感的な政治家だ
私たちは投票に取りつかれている
専属の報道官がすべてを自動的に正当化してくれる
私たちはうまくうそをつき、正当化するので、自分が正直だと信じ込む
合理的な思考(とグーグル)は自分の行きたいところに連れて行ってくれる
私たちは自分のグループの支持するものならほとんど何でも信じる
合理主義者の妄想
まとめ
第2部 道徳は危害と公正だけではない――〈正義心〉は、六種類の味覚センサーをもつ舌だ
第05章 奇妙(WEIRD)な道徳を超えて 162
三つの倫理
私が多元論者になったわけ
マトリックスからの脱出
まとめ
第06章 〈正義心〉の味覚受容器 187
道徳科学の誕生
システム主義者の攻撃
ベンサムと功利主義者グリル
カントと義務論ディナー
元に戻る
味覚を拡張する
道徳基盤理論
まとめ
第07章 政治の道徳的基盤 210
先天性について
〈ケア/危害〉基盤
〈公正/欺瞞〉基盤
〈忠誠/背信〉基盤
〈権威/転覆〉基盤
〈神聖/堕落〉基盤
まとめ
第08章 保守主義者の優位 248
道徳を測定する
何が人を共和党に投票させるのか
私が見落としていたこと
〈自由/抑圧〉基盤
比例配分としての構成
三対六
まとめ
第3部 道徳は人々を結びつけると同時に盲目にする――私たちの90%はチンパンジーで、10%はミツバチだ
第09章 私たちはなぜ集団を志向するのか? 296
勝利者の種族?
足の速いシカの群れ?
証拠A――進化における「主要な移行」
証拠B――糸の共有
証拠C――遺伝子と文化の共進化
証拠D――迅速な進化
戦争がすべてではない
まとめ
第10章 ミツバチスイッチ 343
ミツバチ仮説
集合的な情動
スイッチを切り替える方法
自然に対する畏敬の念
デュルケーム剤
レイプ
ミツバチスイッチ
ミツバチスイッチの生物学
ミツバチスイッチの働き
ミツバチの政治
まとめ
第11章 宗教はチームスポーツだ 380
宗教的な信念
新無神論者のストーリー ――副産物、そして寄生虫
新無神論者より説得力のあるストーリー ――副産物、そして文化の集団選択
デュルケーム流のストーリー ――副産物、そしてメイポール
神は善の力か、それとも悪の力なのか?
チンパンジー、ミツバチ、神々
道徳の定義
まとめ
第12章 もっと建設的な議論ができないものか? 422
政治的多様性について
遺伝子から道徳マトリックスへ
ステップ1――遺伝子が脳を形作る
ステップ2――さまざまな特徴が子どもを異なる経路へと導く
ステップ3――人は自分の人生の物語をつむぎ出す
リベラリズムと保守主義の大きな物語
リベラルの盲点――道徳資本
一つの陰と二つの陽
陰――リベラルの知恵
ポイント1――政府は企業という超個体を抑制可能であり、、実際にそうすべきである
ポイント2――規制によって解決できる問題もある
陽1――リバタリアンの知恵
カウンターポイント1――市場は奇跡だ
陽2――社会保守主義の知恵
カウンターポイント2――コロニーの破壊ではミツバチを手助けできない
より良い政治のために
まとめ
結論 481
謝辞 [487-491]
訳者あとがき(二〇一四年一月 高橋洋) [492-497]
参考文献 [498-531]
原注 [532-597]
索引 [598-613]
【関連記事】
・本書(『社会はなぜ左と右にわかれるのか』)の過言な部分を指摘する本。
『モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ』(Joshua Greene[著] 竹田円[訳] 岩波書店 2015//2013)
『啓蒙思想2.0――政治・経済・生活を正気に戻すために』(Joseph Heath[著] 栗原百代[訳] NTT出版 2014//2014)