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『科学の社会史――ルネサンスから20世紀まで』(古川安 ちくま学芸文庫 2018//1989)

著者:古川 安[ふるかわ・やす](1948-) 科学史

科学の社会史 (ちくま学芸文庫)

科学の社会史 (ちくま学芸文庫)

【目次】
増訂版まえがき(二〇〇〇年三月 古川安) [003-004]
まえがき(一九八九年五月 古川安) [005-007]
目次 [008-011]


序章 社会における科学 015
  西洋文明の衝撃と日本
  科学の社会的次元――本書の視点


第1章 二つのルネサンスから近代科学へ 029
  科学革命とギリシア科学の遺産
  一二世紀ルネサンス
  イタリア・ルネサンス


第2章 キリスト教文化における近代科学 045
  ベイコンの科学観
  ピューリタン革命と近代科学
  科学の信仰的動機――自然探究者の弁
  機械製作者としての神


第3章 大学と学会 068
  科学革命と大学
  大学の起源と発展
  学会の興隆
  ロンドン王立協会
  王立科学アカデミー


第4章 自然探究と技術 090
  科学と技術の伝統
  科学のための技術
  技術のための科学


第5章 啓蒙主義と科学 106
  「光の世紀」と神なき科学
  進歩主義の興隆
  科学の大衆化
  メスメリズム運動


第6章 フランス革命と科学の制度化 129
  フランス革命と科学
  エコール・ポリテクニクの出現
  ナポレオンの改革
  ナポレオン帝政下のフランス科学の興亡


第7章 ドイツ科学の勃興とその制度的基盤 149
  フランス科学の「衰退」とドイツ科学の「興隆」
  研究型大学の登場
  ギーセン教育制度
  改革への道
  テーハーの台頭


第8章 科学の専門分化と職業化 172
  科学の専門分化
  科学の職業化とは何か
  技術者の世界の変化――工学者の誕生
  科学の職業化の過程


第9章 産業革命とイギリス科学 196
  イギリス産業革命における技術と科学
  化学工業にみる科学と技術の融合
  ヴィクトリア朝前期のイギリス科学

第10章 アメリカ産業社会における科学 212
  アメリカの大学と産業
  産業の科学化―― GEとデュポンの基礎研究
  科学の産業化


第11章 科学とナショナリズム 235
  科学における国家意識
  万国博覧会の波紋
  大学付属研究所の出現
  国家の「生存闘争」に向けて――国立試験研究機関PTRの登場
  カイザー・ヴィルヘルム協会の創設


第12章 戦争と科学 265
  軍事技術と科学
  第一次世界大戦と科学者共同体の再編
  化学戦の展開
  両大戦間期の科学者たち
  第二次世界大戦と原爆開発
  科学者の社会的責任と戦後世界


終章 科学・技術批判の時代 296
  環境・生命・エコロジー
  もう一つの科学・技術
  岐路に立つ科学技術文明


文庫版あとがき(二〇一八年夏 柿生にて 古川安) [314-317]
注 [18-66]
図版出典 [15-17]
人名索引 [6-14]
事項索引 [1-6]




【抜き書き】
・社会史についての説明を、「まえがき」(pp. 5-6)から抜き出した。

   まえがき

  本書は、ヨーロッパ科学の社会史を主題としたモノグラフです。国内・海外を問わず、これまでに刊行された科学史の概説書は多数にのぼりますが、そのほとんどが科学の理論や概念の歴史を主体とした通史といっても過 言ではありません。科学史を学ぶうえで、まずこうした科学の中身の歴史、すなわち「内的歴史」(internal history)を理解することが大切なことはいうまでもありません。しかし、科学の歴史は、単に概念や理論の歴史であるばかりでなく、科学というものを人間が実践してきた歴史でもあります。その営みには、さまざまな社会的要素が入り込んでいます。こうした科学と社会の相互作用、科学の社会的・文化的側面の歴史、すなわち「外的歴史」(external history)は、歴史における科学の生身の姿を知るうえでも、あるいは現代科学文明がもつ社会的基盤の歴史的成り立ちを理解するうえでも重要です。
  〔……〕
  ひとくちに科学の社会史といっても大変間口が広い領域ですが、本書が描くのは、主として人間の営みとしての科学がどのように社会とかかわり、それによって近代科学の目的や性格はどう変わり、今日あるような姿になったか、ということです。それに関連して制度史的な面の叙述にも多くを割くことになりました。