原題:Can the Subaltern Speak? , Cary Nelson and Lawrence Grossberg eds., MARXISM AND THE INTERPRETATION OF CULTURE (University of Illinois Press. pp. 271-313.)
著者:গায়ত্রী চক্রবর্তী স্পিভাক[Gayatri Chakravorty Spivak] (1942-)
訳者:上村 忠男[うえむら・ただお] (1941-) イタリア思想史。翻訳。
NDC:104 哲学 >> 論文集.評論集.講演集
NDC:304 社会科学 >> 論文集.評論集.講演集
NDC:367.2 女性史・事情
【目次】
サバルタンは語ることができるか 001
1 003
2 030
3 062
4 072
原注 [117-132]
訳者あとがき(一九九八年一一月 上村忠男) [133-145]
第1版第2刷への訳者後記(一九九九年六月一七日 上村忠男) [146-147]
【抜き書き】
□p.72
サバルタンは語ることができるのか。サバルタンの連続的な構築がおこなわれることにたいして警戒を怠らないためにエリートはなにをしなければならないのか。このコンテクストにおける問題点がもっともよくあらわれているのは「女性」についての問いではないかとおもわれる。いかにも、もしあなたが貧乏人で、黒人で、そして女性であれば、あなたはサバルタンであるとの規定を三様のしかたで手に入れることになる。しかしながら、この定式が第一世界のコンテクストからポストコロニアルのコンテクスト(これは第三世界のコンテクストとは同一ではない)に移されたならば、 その途端に「黒人」または「有色」という要素は説得力を失ってしまう。資本主義的帝国主義の第一段階において横民地的主体構成がなされたとき、そこでは必然的に階層化もまた同時に起きていたのであって、「有色」という要素はすでにその段階で解放のためのシニフィアンとしては役にたたないものになってしまっていたのである。
□p. 116
サバルタンは語ることができない。グローバル・ランドリー・リスト〔世界各地の国際空港のホテルなどに置いてある洗濯可能品目を長々と列記した表〕に恭しく「女性」という項目を記載したところで、こんなものにはなんの値打ちもない。表象 =代表(representation) の作用はいまだ衰えてはいない。女性知識人には知識人としてひとつの限定された任務が課せられているのであって、それを彼女は自分のものではないと麗々しく言い募って否認するようなことはすべきではないのである。