contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『嗤う日本の「ナショナリズム」』(北田暁大 NHKブックス 2005)

著者:北田 暁大[きただ・あきひろ] (1971-) 理論社会学、メディア史。
件名:日本--文化
件名:ナショナリズム--日本
NDC:311.3 政治学.政治思想 >> 国粋主義ナショナリズム民族主義
NDC:361.5 社会学 >> 文化


NHKブックス No.1024 嗤う日本の「ナショナリズム」 | NHK出版


【目次】
目次 [003-006]


序章 『電車男』と憂国の徒――「2ちゃんねる化する社会」「クボヅカ化する日常」 009
  アイロニーのコミュニケーション空間 
  感動と皮肉の共同体 
  『GO』から『凶気の桜』へ 
  二つのアンチノミー 
  本書の課題 


第一章 ゾンビたちの連合赤軍――総括と「六〇年代的なるもの」 027
1.1 「総括」とは何だったのか 027
  集団リンチと敗北死
  暴走する反省システム
1.2 方法としての反省 035
  反省と近代
  自己否定の論理
  立ち位置をめぐる左翼のジレンマ
  高橋和巳の自己否定論
1.3 反省の極限へ――ゾンビとしての兵士たち 046
  「自己批判」と「総括」のあいだ
  自己否定の極限にゾンビが生まれる
  共産主義化とは何か?――「自己否定」の思想化
  人は形式主義に従属する
  共産主義化とは何か?――死とゾンビ的身体
1.4 「六〇年代的なるもの」の終焉 060
  自己否定の「脱構築」としてのウーマン・リブ
  女性解放運動の二つの道


第二章 コピーライターの思想とメタ広告――消費社会的アイロニズム 065
2.1 抵抗としての無反省――糸井重里の立ち位置 065
  「総括」のあとに
  糸井重里の屈曲
  「ウンドー力」と「コピーライター」のあいだで
  「言葉の自律性」と「パロディ」
2.2 「メディア論」の萌芽――伝達様式への拘泥 079
  赤軍と『あしたのジョー
  マンガ論争と「左翼」的感性
  メディア論とマス・コミュニケーション論の代理戦争
  ピンク・レディーをめぐって
  記号論的感性――津村と糸井の共通認識
2.3 消費社会的アイロニズムの展開――メタ広告の隆盛 097
  「ヘンタイよいこ新聞」の言語空間
  アイロニカルな共同体の誕生
  西武‐PARCOの戦略
  メタ広告の背景
  アイロニーの倫理と資本主義の精神
  多元主義の左翼的肯定――アイロニズムの定義
2.4 新人類化とオタク化――消費社会的アイロニズムの転態 116
  パロディとしての類型化
  さらなる共同体主義


第三章 パロディの終焉と純粋テレビ――消費社会的シニシズム 123
3.1 抵抗としての無反省――田中康夫のパフォーマンス 123
  糸井重里田中康夫の差
  津村喬の『なんクリ』評価
  NOTESはどのように捉えられたか
  NOTESの戦略
  抵抗の対象そのものをやりすごす
  『なんクリ』のポジション
3.2 無反省という反省――川崎徹と八〇年代 143
  アイロニズムからシニシズム
  ユーモアから(ア)イロニーへ
  『ビックリハウス』終焉の意味
  『元気が出るテレビ』のメディア史的意義
  純粋テレビに外部は存在しない
  つねにアイロニカルであれ!
3.3 消費社会のゾンビたち――「抵抗としての無反省」からの離床 163
  ベタの回帰としての『サラダ記念日』
  アメリカ的「動物」と日本的「スノップ」
  二種類のゾンビの違い
  島田晴彦の逡巡


第四章 ポスト八〇年代のゾンビたち――ロマン主義シニシズム 173
4.1 シニシズムの変容とナンシー関 173
  ナンシーのためらい
  純粋テレビの弛緩
  感動の全体主義
  受け手=視聴者共同体への批判
  純粋テレビ批判という困難に挑む
  八〇年代とポスト八〇年代のあいだで
  反時代的思想家としてのナンシー
4.2 繋がりの社会性―― 2ちゃんねるにみるシニシズムロマン主義 192
  ギョーカイ批判と戦後民主主義批判が結びつく
  純粋テレビと2ちゃんねるの共通性
  「巨大な内輪空間」の誕生
  テレビと馴れ合いつつ、テレビを嗤う感性
  内輪指向とアイロニズムの幸福な結婚
  コミュニケーションの構造変容
  アイロニズムの極北でロマン主義が登場する
  小林よしのりの軌跡――市民主義批判
  形式主義者たちのロマン主義
4.3 シニシストの実存主義 216
  「思想なき思想」の再現前
  レフェリーなきアイロニー・ゲーム
  世界の中心で「自分萌え」を叫ぶ
  人間になりたいゾンビたち
  ナンシーのアンビバレッジ


終章 スノッブの帝国――総括と補遺  192
  議論の「総括」 
  スノップの帝国・日本? 
  純化するスノビズム 
  「あえて」の倫理 
  ローティ的アイロニズムの背景にあるもの 
  共同幻想への信頼を調達せよ 


注釈 [251-264]
あとがき(二〇〇四年 一二月二八日 三三歳の誕生日に 北田暁大) [265-269]