著者:宇野 重規[うの・しげき](1967-) 政治思想史、政治哲学。
NDC:311.7 政治学.政治思想 >> 民主主義
件名:民主主義
件名:個人主義
【目次】
はじめに [i-xii]
〈私〉らしさの氾濫
「折り返し点」を過ぎた近代
〈私〉から〈私たち〉へ
答えなき時代のデモクラシー
目次 [xiii-xv]
第一章 平等意識の変容 001
1 グローバルな平等化の波 002
グローバルな政治的覚醒
「その他すべての国の台頭」
トクヴィルの平等論
〈私〉の平等
2 可視化した不平等 016
現代日本における不平等意識の爆発
「閉じた共同体的空間」内部の差異
仕切られた生活保障
中間集団の動揺と〈私〉の平等
3 「いま・この瞬間」の平等 028
平等意識と時間感覚
戦後日本における家族と「不平等感の消失」
世代間対立の顕在化
〈私〉の平等意識の必然性
第二章 新しい個人主義 043
1 否定的な個人主義 044
現代的な「個人化」
秋葉原の通り魔事件
社会問題の心理化と個人化
社会的なものの個人化
福祉国家における個人の変容
個人に襲いかかるリスク
2 「自分自身である」権利 058
「ナンバーワン」より「オンリーワン」
一人ひとりの個人に固有なものの尊重
「自分自身に忠実であれ」という理想
「自分自身である」ための基準の不在
意味供給源の枯渇
3 自己コントロール社会の陥穽 072
現代の箴言
オーディット文化
セラピー文化
「ノー・ロングターム」
「待つことができない社会」
時間の「溜め」
第三章 浮遊する〈私〉と政治 087
1 不満の私事化 088
まとまらない不安
うつろいゆく民意
二〇〇七年の政治の混迷
二重の脈絡のなさ
政治は格差を語れるか
アゴラの機能不全
2 〈私〉のナショナリズム 102
安倍首相の「思い入れ」
年金問題における不満の噴出
二〇〇七年の混迷が意味したもの
〈私〉のナショナリズム
パラノイア・ナショナリズム
〈私〉のナショナリズムではなく、デモクラシーを
3 政治の時代の政治の貧困 117
政治における意味の回復
政治の時代の政治の貧困
社会保障問題に見られる日本政治の機能不全
政策対立軸の不在
政権交代へ
政治の矮小化を超えて
第四章 〈私〉時代のデモクラシー 133
1 社会的希望の回復 134
見えない社会
ピーター・ドラッカーの「社会」
「人生の意味を創出するメカニズム」としての社会
「希望の分配のメカニズム」としての社会
国家と社会
2 平等社会のモラル 150
自己犠牲と徳から自己利益へ
他者との比較、羨望
リスペクトの配分
名誉と尊厳
〈私〉の尊重とエゴイズム
共感
3 〈私〉からデモクラシーへ 167
五里霧中のデモクラシー
デモクラシーとは何か
納得のプロセスとしてのデモクラシー
〈私〉にとってのデモクラシー
むすび 181
本書の拠って立つ時代認識
〈私〉から社会へ
歴史の意味
〈私〉が可能にするデモクラシー
デモクラシーへの希望
参考文献 [195-198]
あとがき(二〇一〇年三月 宇野重規) [199-204]