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『政治の理論』(稲葉振一郎 中央公論新社 2017)

著者:稲葉 振一郎[いなば・しんいちろう] (1963-) 
装幀:細野 綾子[ほその・あやこ]
NDC:313.7 民主制:共和制,議会政治


※何故か中央公論新社サイトで検索してもこの本のページが見当たらない。
 https://www.chuko.co.jp/zenshu/2017/01/004935.html


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【目次】
はじめに 003
  政治・政策・行政 004
  現代の政治理論における中心問題 006
目次 [008-009]


第一章 政治権力はどのように経験されるか 013
  「権力を振るう側」と「権力を振るわれる側」 013
  政治権力は「みんなのもの」 017
  「自然状態」という理論装置 019
  政治の主体と目標 023
  自由主義と民主主義は切り離し可能? 026
  立憲的国家論と市民社会論 029
  自由な市場経済を軸とした良循環 032
  独自の利害や理念で行動する「集団」 034
  圧力団体 036
  多元主義的政治理論 037
  独占と独裁――経済学とのアナロジー 039
  功利主義とカント主義 043
  人間の平等 046


第二章 アレントの両義性 049
  「思想の冷戦体制」 049
  異様な政治思想 051
  西洋古典古代と政治思想の正統 053
  自由主義への懐疑――マルクス主義 056
  全体主義は西洋政治思想の帰結 059
  公的領域と私的領域 061
  アレントにとっての「社会」 062
  アレントの政治思想に意味はあるのか 064


第三章 フーコーにとっての政治・権力・統治 068
  遍在する権力の発見 068
  フーコーが発掘した野蛮な言説 071
  〈統治〉という概念の系譜 074
  一八世紀末に起こった転換 076
  ロックの「統治」とフーコーの〈統治〉 078
  「政治」=「統治」/〈統治〉=「行政」 082
  フーコーリベラリズム 085
  リベラルな統治の対象――「市民社会」 087
  アレントの「社会」とフーコーの「市民社会」 089
  「権力」の配置 091
  古典的な意味での「政治」の不在 094
  法的権力の特徴 096
  法的権力と統治理性 099


第四章 自由とは何を意味するのか 102
  「他者を自由な存在として扱うとはどのようなことか?」 102
  積極的自由と消極的自由 105
  決定論的世界における自由意志 108
  言葉の典型的な用いられ方 110
  「自由な選択」とは 112
  自由とリベラリズム 114


第五章 市場と参加者のアイデンティティ 117
  「政治」の内実 117
  経済活動を含む「政治」イメージの創出 119
  古典古代人のビジネス 121
  刑事訴訟と民事訴訟 123
  公共性――公私の区別を前提とした特殊な共同性 125
  四つの象限 128
  「政治」=「統治」の忘却 131
  ハーバーマス理論の限界 132
  小文字の「政治」の捉え方 134
  ハーバーマスの「市民的公共性」の意義 136
  リベラルな社会ヴィジョンの陳腐化 140
  閉じられた家政と完全競争経済   143
  市民的公共性と古典的公共性との対比 145
  市場における公共性の弱体化 147


第六章 信用取引に潜在する破壊性 149
  債権債務関係 149
  債務者への権力行使 151
  格差、不平等の先行 153
  担保制度という抜け道 154
  倒産処理 156
  無産者への与信 157


第七章 「市民」の普遍化 160
7.1 「リベラル」な「共和主義」
  フローとストック 160
  「市場の失敗」再考 163
  万民の中産階級=市民化 165
  「政治」理解の組み替え 168
  社会主義の解体 171
  雇主と雇人との関係 174
7.2 「市民」の拡張――概念と実態
  身分関係 178
  賤民とは 181
  複層構造の社会 184
  身分を割り当てる最後の力 186
  近代国家 188
  無産者の公共性理解 190
  「持たざる市民」 193
  近代的労働者階級 195
7.3 有産者と無産者
  有産者と無産者の非対称性 197
  家的・身分的権威の論理 201
  商品ではない労働 203
  「人的資本」概念 205
  雇用における不定型な領域 207
  効率賃金仮説 209
  すべての市民を「政治」的な主体に 211
  産業民主主義の必要性と労働組合 212
  リベラルな共和主義の要求 214
  「社会問題」は「政治」の領分ではない? 217
  水平的再分配 218
  「政治」の「始まり」 221


第八章 リベラルな共和主義と宗教 224
  共和主義の困難 224
  スミスの重商主義批判と、「市民社会」、「組合」、「国家」 227
  教育という介入 229
  公教育 231
  宗教の問題 233
  公共性の担い手としての宗教と、その問題性 235
  「政教分離」、「信教の自由」の本義 237
  世俗宗教としての政治イデオロギー 240


第九章 リベラルな共和主義の可能性 242
9.1 万人に機会が開かれた自己選抜
  リベラリズムが克服すべきもの 242
  リベラリズム、共和主義、デモクラシーの関係 244
  リベラル・デモクラシーの二つのタイプ 247
  実現可能性、持続可能性 250
9.2 経済学的観点から 
  実証的政治理論としての政治経済学 243
  リベラル・デモクラシーの正当化論 257
  「制度と成長の政治経済学」 258
  民主政と統制経済の組み合わせは持続可能か? 261
  民主化の必要条件 264
  経済発展の最重要ファクターはガバナンス 266
9.3 リベラルな共和主義は可能か 
  国家の枠組みを前提とした思考 269
  ナショナリズムが果たした役割 272
  公共財の「最適規模」 273
  雑多で多元的な世界像 276
  歴史的に例外的な現象 279
  政治についての自由な議論という歴史的奇跡 281


第十章 政治の場 284
  共和主義の大前提 284
  「公的」、「私的」の指標 286
  至るところに 289


あとがき(二〇一六年一〇月 稲葉振一郎) [291-299]
詳細目次 [300-303]
参考文献 [304-309]
索引 [310-318]