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『大不平等――エレファントカーブが予測する未来』(Branko Milanović[著] 立木勝[訳] みすず書房 2017//2016)

原題:Global inequality: A New Approach for the Age of Globalization
著者:Branko Milanović (1953ー) 所得分布、不平等の計測
訳者:立木 勝[たちき・まさる] 元・教員、翻訳家。


大不平等 | みすず書房


【目次】
目次 [i-v]
謝辞 [vii-ix]


はじめに 001


1 グローバル中間層の台頭とグローバル超富裕層 011
グローバリゼーションで誰が得をしたのか 
グローバルな所得分布に沿って見た所得の絶対増加 
金融危機の影響 
世界の上位1パーセント層
真のグローバル超富裕層――億万長者たち


2 各国内の不平等――クズネッツ波形を導入して不平等の長期的な流れを説明する 049
クズネッツ仮説への不満の原点 
クズネッツ波形――定義 
平均所得が停滞している社会の不平等 
  前工業化社会で不平等を縮小するものは何か
  前工業化社会で不平等を拡大するものは何か
平均所得が安定して増加する社会の不平等 
クズネッツ波形(合衆国とイギリス、スペインとイタリア、ドイツとオランダ、ブラジルとチリ、日本)
  クズネッツ波形の論理
クズネッツ波形の第一の波を下降させたものは何だったのか 
  各国内の不平等と第一次世界大戦
  大平準化時代の悪性の力と良性の力
クズネッツ波形の第二の波を上昇させているものは何か。この波が下降するとすれば、それは何によるのか 
  上昇部分をどう説明するか
  不平等の拡大を相殺する力


3 各国間の不平等――カール・マルクスからフランツ・ファノン、そして再びマルクスへ? 119
グローバルな不平等の水準と構成の変化 
  1820年から2011年までのグローバルな不平等
  グローバルな不平等における「場所」vs.「階級」
市民権プレミアム 
  市民権プレミアムと移民
  コースの定理とグローバリゼーション時代の法の支配
  グローバルな機会の不平等
移民と壁 
移民と国境開放への抵抗感をどう調整するか 


4 今世紀および来世紀のグローバルな不平等 157
この章を読むに当たっての注意  
主要な力の概説――経済の収束とクズネッツ波形 
所得の収束――貧しい国々は豊かな国々より速く成長していくのか 
収束はアジアの現象なのか 
方程式のもう一辺――中国と合衆国の不平等 
  クズネッツ氏、北京へ行く?
  合衆国――不平等の「パーフェクト・ストーム
不平等という禍――金権政治ポピュリズム 
  中間層の没落
  金権政治
  ポピュリズムと移民排斥主義


5 次はどうなるのか――将来の所得不平等とグローバリゼーションについての10の短い考察 215
今世紀のグローバルな不平等を形成するのはどのような力か 
豊かな国々の中間層はどうなるか
どうすれば豊かな福祉国家の不平等は縮小するのか 
これからも勝者総取りがルールなのか
水平的不平等だけに焦点を当てるのはなぜ間違いなのか 
労働はこれからもほかとは違う生産要素であり続けるのか
それでも経済成長は大切か
不平等への関心は経済学から消え去るのか
なぜ方法論的ナショナリズムは意味を失いつつあるのか
グローバリゼーションが続くことで不平等は消滅するか


参考文献 [28-41]
原注 [7-27]
索引 [1-6]


コラム 1-1 グローバルな所得分布のデータはどこから得るのか 020
コラム 1-2 所得の不平等の絶対尺度と相対尺度 030
コラム 1-3 10億の大きさを実感するには 048
コラム 2-1 所得と不平等の水準が同時に低下――崩壊期のローマ帝国 068
コラム 2-2 もうひとつの大平準化――社会主義での不平等 102
コラム 3-1 グローバルな不平等を「場所」と「階級」に分解する 132
コラム 4-1 グローバルな不平等の予想 177