原題:Global inequality: A New Approach for the Age of Globalization
著者:Branko Milanović (1953ー) 所得分布、不平等の計測
訳者:立木 勝[たちき・まさる] 元・教員、翻訳家。
【目次】
目次 [i-v]
謝辞 [vii-ix]
はじめに 001
1 グローバル中間層の台頭とグローバル超富裕層 011
グローバリゼーションで誰が得をしたのか
グローバルな所得分布に沿って見た所得の絶対増加
金融危機の影響
世界の上位1パーセント層
真のグローバル超富裕層――億万長者たち
2 各国内の不平等――クズネッツ波形を導入して不平等の長期的な流れを説明する 049
クズネッツ仮説への不満の原点
クズネッツ波形――定義
平均所得が停滞している社会の不平等
前工業化社会で不平等を縮小するものは何か
前工業化社会で不平等を拡大するものは何か
平均所得が安定して増加する社会の不平等
クズネッツ波形(合衆国とイギリス、スペインとイタリア、ドイツとオランダ、ブラジルとチリ、日本)
クズネッツ波形の論理
クズネッツ波形の第一の波を下降させたものは何だったのか
各国内の不平等と第一次世界大戦
大平準化時代の悪性の力と良性の力
クズネッツ波形の第二の波を上昇させているものは何か。この波が下降するとすれば、それは何によるのか
上昇部分をどう説明するか
不平等の拡大を相殺する力
3 各国間の不平等――カール・マルクスからフランツ・ファノン、そして再びマルクスへ? 119
グローバルな不平等の水準と構成の変化
1820年から2011年までのグローバルな不平等
グローバルな不平等における「場所」vs.「階級」
市民権プレミアム
市民権プレミアムと移民
コースの定理とグローバリゼーション時代の法の支配
グローバルな機会の不平等
移民と壁
移民と国境開放への抵抗感をどう調整するか
4 今世紀および来世紀のグローバルな不平等 157
この章を読むに当たっての注意
主要な力の概説――経済の収束とクズネッツ波形
所得の収束――貧しい国々は豊かな国々より速く成長していくのか
収束はアジアの現象なのか
方程式のもう一辺――中国と合衆国の不平等
クズネッツ氏、北京へ行く?
合衆国――不平等の「パーフェクト・ストーム」
不平等という禍――金権政治とポピュリズム
中間層の没落
金権政治
ポピュリズムと移民排斥主義
5 次はどうなるのか――将来の所得不平等とグローバリゼーションについての10の短い考察 215
今世紀のグローバルな不平等を形成するのはどのような力か
豊かな国々の中間層はどうなるか
どうすれば豊かな福祉国家の不平等は縮小するのか
これからも勝者総取りがルールなのか
水平的不平等だけに焦点を当てるのはなぜ間違いなのか
労働はこれからもほかとは違う生産要素であり続けるのか
それでも経済成長は大切か
不平等への関心は経済学から消え去るのか
なぜ方法論的ナショナリズムは意味を失いつつあるのか
グローバリゼーションが続くことで不平等は消滅するか
参考文献 [28-41]
原注 [7-27]
索引 [1-6]
コラム 1-1 グローバルな所得分布のデータはどこから得るのか 020
コラム 1-2 所得の不平等の絶対尺度と相対尺度 030
コラム 1-3 10億の大きさを実感するには 048
コラム 2-1 所得と不平等の水準が同時に低下――崩壊期のローマ帝国 068
コラム 2-2 もうひとつの大平準化――社会主義での不平等 102
コラム 3-1 グローバルな不平等を「場所」と「階級」に分解する 132
コラム 4-1 グローバルな不平等の予想 177