著者:湯本 雅士[ゆもと・まさし](1937-) エコノミスト。日本銀行。
NDC:338.3 金融.銀行.信託
【目次】
はじめに [i-iii]
目次 [v-x]
第1章 金融政策を理解するために 001
1 金融政策 002
金融とは何か
通貨とは何か
中央銀行と銀行券
日本銀行券について
「信認」の重要性
現金通貨と預金通貨
資金決済のメカニズム
システミック・リスクへの対応
流動性とは何か
金融政策とは何か
2 金融政策が働く場 024
資金の流れと金融機関
金融商品と金融市場
金利とは
利回りとは
3 金融政策の決定と実行 038
誰が決定するか
どのように実行されるか
金融調節はどのように行われるか
4 金融政策の波及過程 048
ケインジアン・アプローチ(金利経由)
期待の役割
マネタリスト・アプローチ(通貨量経由)
金利との関係
コラム……フィリップス曲線 052
第2章 金融政策の軌跡 061
1 伝統的金融政策 062
インフレと国際収支の天井
護送船団方式
金利規制
日銀の政策
金融自由化の時代
コラム……プラザ合意とルーブル合意 071
2 金融危機と金融政策 073
平成バブル
ゼロ金利政策と量的緩和
3 デフレ対応策としての金融政策 076
「失われた」10年?
デフレとは何か
デフレの問題点
インフレの問題点
物価と価格
物価指数について
GDPデフレーターとは
コラム……GDPデフレーターと交易条件 088
4 非伝統的金融政策 089
伝統的金融政策と非伝統的金融政策
非伝統的金融政策
金融政策の透明性
期待への働きかけ
コミュニケーション戦略の問題点
コラム……複数均衡論 115
第3章 金融政策と財政・為替政策 117
1 財政政策との関わりあい 118
国債について
国債と日本銀行
国債の発行と基礎的収支
国債の負担について
財政節度維持の重要性
2 為替政策との関わりあい 130
為替相場について
購買力平価説とは
金利平価説とは
金融政策と為替相場との関係
デフレ対応の金融・為替政策
為替市場への介入
介入の不胎化について
円高は問題か
コラム……マンデル=フレミング・モデル 151
第4章 中央銀行が直面している諸問題 155
1 中央銀行の独立性 156
中央銀行の独立性とは何か
日銀の法的性格
政府と日銀の関係
2 インフレターゲット論 168
インフレターゲットとは何か
日銀とインフレターゲット
インフレターゲットのメリットとデメリット
ターゲットの設定主体
ターゲット実現過程での諸問題
名目GDPターゲットについて
3 国債増発下の金融政策 180
白川体制下の金融政策の特色
黒田体制下の量的・質的金融緩和政策
出口問題
準備への付利と準備率の活用
第5章 デフレに対する処方箋 199
1 デフレ下の金融政策をめぐる議論 200
翁=岩田論争と植田裁定
リフレ派と反対派の主張
非伝統的政策の効用と副作用
リフレ派・反対派の論争再論
2 金融政策の波及過程再考 213
マネタリスト・アプローチの問題点
準備預金に金利を付けることをめぐる議論
量的緩和と信用緩和
コラム……ワルラス法則 219
コラム……準備の性格 223
3 デフレの真因とそれへの処方箋 227
本当にデフレだったのか
処方箋を考える
三本目の矢の重要性
コラム……人口動態と経済成長 234
おわりに(二〇一三年九月 湯本雅士) [241-244]
主要参考文献 [245-248]
主要中央銀行の金融政策措置一覧 [7-9]
索引 [1-6]
【メモランダム】
・内容と書き方は、(岩波らしからぬほど)易しい入門書だが、中立ではない本。例えば、藻谷浩介『デフレの正体』(角川新書)を推している。
・続編が2023年07月に刊行。『新・金融政策入門』