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『重力とは何か』(大栗博司 幻冬舎新書 2012)

著者:大栗 博司[おおぐり・ひろし] (1962-) 物理学。素粒子論。
  → 大栗博司のブログ 


重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る | 株式会社 幻冬舎


幻冬舎サイト内に特設ページも。
重力とは何か|大栗博司 - 幻冬舎plus


【目次】
はじめに [003-014]
  「知りたい気持ち」は止められない
  重力研究がなければGPSも生まれなかった
  重力研究は宇宙の理解につながっている
目次 [015-021]


第一章 重力の七不思議 023
  重力は「力」である=第一の不思議
  重力は「弱い」=第二の不思議
  重力は離れていても働く=第三の不思議
  重力はすべてのものに等しく働く=第四の不思議
  重力は幻想である=第五の不思議
  重力は「ちょうどいい」=第六の不思議
  重力の理論は完成していない=第七の不思議


第二章 伸び縮みする時間と空間――特殊相対論の世界 045
  物理学者は急進的な保守主義
  物理学の理論は「一〇億」のステップで広がってきた
  ナノレベルの世界のナノテクノロジ−
  電波も光も放射線も、みな電磁波の一種
  どんなに足し算しても光の速さは変わらない
  光速の不変性を実証した「マイケルソン=モーリーの実験」
  同時に出したのになぜ後出しジャンケンになるのか
  列車の中の一秒と外の一秒の長さが違う!
  時間だけでなく距離も伸び縮みする!
  「E=mc^2」とは固定相場の為替レート
  なぜエネルギーを質量に変換できるのか
  もし光より速い粒子があったらどうなるか


第三章 重力はなぜ生じるのか―― 一般相対論の世界 085
  まずは「次元の低い」話をしよう
  二次元空間に「球」が現れたらどう見えるか
  円の中心にものを置いたら中心角が三六〇度より減った!?
  重力の正体は時間や空間の歪みだった
  アインシュタインの人生最高のひらめきとは?
  消せる重力、消せない重力
  回転する宇宙ステーションの中では何が起きるか
  円周率=三・一四……が成り立たない世界
  数学者ヒルベルトアインシュタインのデッドヒート
  水星の軌道を説明できた――アインシュタイン理論のテストその一
  重力レンズ効果が観測できた――アインシュタイン理論のテストその二
  重力波をキャッチせよ――アインシュタイン理論のテストその三
  あてになるカーナビ ――アインシュタイン理論のテストその四


第四章 ブラックホールと宇宙の始まり――アインシュタイン理論の限界 127
  地球も半径九ミリまで圧縮すればブラックホール
  越えたら二度と戻ってこられない「事象の地平線」
  超巨大ブラックホールクエーサー
  アインシュタイン理論が破綻する「特異点
  宇宙の膨張を明らかにしたハッブルの発見
  宇宙の膨張を加速させる「暗黒エネルギー」とは?
  宇宙が火の玉だった一三七億年前の「残り火」
  ビッグバン理論に強く抵抗した科学者たち
  アインシュタイン理論の破綻を証明し、ホーキングがデビュー


第五章 猫は生きているのか死んでいるのか――量子力学の世界 157
  「光の正体は波」で決着したはずが……
  「光は波」では説明できない光電効果という現象
  「光は粒」と考えた、アインシュタインの「光量子仮説」
  放射線障害のメカニズムも「光は粒」で説明できる
  すべての粒子は「粒」であり「波」でもある
  常識ではとても受け入れがたい量子力学の世界
  「あったかもしれないことは、全部あった」と考える!?
  「生きた猫」と「死んだ猫」が一対一で重なり合う!?
  位置を決めると速度が測れない!?――不確定性原理
  量子力学と特殊相対論が融合して「反粒子」を予言
  なぜ未来から過去に戻る粒子がなければならないのか
  粒子と反粒子対消滅と対生成をくり返す
  真空から粒子が無限に生まれてしまう「場の量子論


第六章 宇宙玉ねぎの芯に迫る――超弦理論の登場 195
  「宇宙という玉ねぎ」はどこまで皮がむけるか
  加速器を巨大にすれば無限に小さなものが見えるのか
  宇宙という玉ねぎの「芯」は「プランクの長さ」
  宇宙の根源を説明する、究極の統一理論とは?
  朝永=ファインマン=シュウィンガーの「くりこみ理論」
  素粒子とはバイオリンの「弦」のようなもの!?
  弦理論から素粒子全体を扱える超弦理論
  立ちはだかる六つの余計な次元と謎の粒子
  シュワルツ、苦節一〇年の末の革命的な発見
  小さな空間に六つの余剰次元が丸め込まれている!?
  標準模型の説明に必要な道具立てがすべて揃った
  六次元空間の計算に使える「トポロジカルな弦理論」


第七章 ブラックホールに投げ込まれた本の運命――重力のホログラフィー原理 231
  粒子のエネルギーが「負」になると何が困るのか
  ブラックホールの中ではエネルギーが「負」になってしまう
  ブラックホールが蒸発する「ホーキング放射」とは?
  ホーキング理論を襄づける宇宙背景放射の「ゆらぎ」
  ブラックホールに投げ込んだ本の中身は再現できるのか
  一〇の「一〇の七八乗」乗もの状態は果たして可能か
  「二次元の膜」「三次元の立体」を想定して突破口を開く
  ブラックホールの表面に張りつく「開いた弦」
  大きなブラックホールは通常の物理法則で計算できた
  小さなブラックホールの計算は「トポロジカルな弦理論」で!
  エントロピーが体積でなく表面積に比例する奇妙な現象
  すべての現象が二次元のスクリーンに映し出されている
  量子力学だけの問題に翻訳されたブラックホールの情報問題
  そしてホーキングは勝者に百科事典を贈った


第八章 この世界の最も奥深い真実――超弦理論の可能性 269
  ホログラフィー原理の思いがけない応用
  宇宙は一つだけでなく無数にある?
  この宇宙はたまたま人間に都合よくできている?
  相対論と量子力学を融合する唯一の候補


あとがき(二〇一二年四月 大栗博司) [286-289]