著者:内井 惣七[うつい・そうしち] (1943-) 科学哲学、科学史。
シリーズ:世界思想ゼミナール
NDC:401 科学理論.科学哲学
【目次】
まえがき(1995年2月 内井惣七) [i-ii]
目次 [iii-vi]
第1章 科学と哲学 003
1.1 「科学哲学」の二つの意味 003
1.2 科学哲学の基本的な問い 004
1.3 変化していく物理学 004
1.4 科学の別の見方 005
1.5 科学的思考と哲学的思考 007
1.6 デカルトの方法 008
1.7 歴史的に変化する科学に即して 010
1.8 科学哲学の区分と主要問題 013
第2章 自然科学の方法 016
2.1 導入 016
2.2 ベーコンの帰納,ニュートンの規則 017
2.3 帰納と仮説 018
2.4 発見の文脈と正当化の文脈 020
2.5 ハーシェルの仮説演繹法 023
2.6 ミルにおける帰納と仮説 027
2.7 ヒューウェルの帰納論 032
2.8 概念の解明 034
2.9 概念による事実の統括 034
2.10 検証と「帰納の統合」 036
2.11 形式的法則と物理的法則 038
2.12 確率論と帰納法 040
2.13 確率論と統計的方法の展開――ラプラスまで 041
2.14 ラプラスの古典的確率論 044
2.15 古典的帰納法と確率論的帰納法 048
2.16 科学的方法に関する見方の変化 050
2.17 マクスウェルと統計的方法 054
2.18 帰納と仮説に関するまとめ 055
第3章 反証主義 057
3.1 導入 057
3.2 帰納法は正当化できるか 057
3.3 確率論的帰納法と枚挙による帰納 061
3.4 ライヘンバッハの「帰納の擁護」 062
3.5 反証可能性,演繹主義,科学の境界設定 064
3.6 仮説選択の基準 067
3.7 帰納と「テストによる裏づけ」との違い 070
3.8 確率・統計的仮説の「反証」 072
3.9 補助仮説の問題 075
3.10 理論の反証か補助仮説の反証か 079
3.11 反証主義の難点 080
3.12 反証主義と「研究プログラム」の方法 082
第4章 科学的説明 085
4.1 導入と展望 085
4.2 因果的説明 087
4.3 規則性のもとへの包摂による説明 091
4.4 統合による説明 093
4.5 説明の三つのタイプ――ミルの分類 096
4.6 ヘンペルの説明分類 102
4.7 メンデル遣伝学における統計的説明 105
4.8 ヘンペルの説明理論に対する反例 107
4.9 統計的説明の問題点 110
4.10 「説明」の歴史的変化 112
4.11 目的論的説明 117
4.12 まとめ――科学的説明の何が問題か 120
第5章 理論、観察、測定 123
5.1 導入 123
5.2 古代の天文学における観察 126
5.3 定量的観測データの互換性 127
5.4 現象 127
5.5 現象の規則性 129
5.6 不規則性の取り扱いと理論の展開 130
5.7 コペルニクス天文学――現象を救う工夫か,世界の記述か 133
5.8 道具主義的解釈は不当か 139
5.9 「均衡」や「調和」の評価は趣味の問題か 141
5.10 有望な理論か確立された理論か 143
5.11 本論復帰――観測は理論に依存するか 146
5.12 気体分子運動論 148
5.13 測定結果と理論的概念 151
5.14 暫憲的結論 153
第6章 仮説の形成と確証 155
6.1 導入 155
6.2 数学における「発見の論理」 156
6.3 類あるいはパターンの発見 159
6.4 実験科学における発見と帰納 160
6.5 帰納的な飛躍 164
6.6 確証の論理と「カラスのパラドックス」 167
6.7 確率の公理といくつかの定理 170
6.8 ベイズの定理 173
6.9 統計的仮説の確証 177
6.10 経験的確率と帰納的確率 180
6.11 帰納における主観的要素 183
6.12 事前確率と類の推定 184
6.13 統計的でない仮説の確証への拡張 187
6.14 確率の解釈――確率の二つの側面 190
6.15 古典的解釈 192
6.16 確率の頻度説 195
6.17 傾向性解釈 200
6.18 主観説 204
6.19 論理的解釈 209
6.20 確率の解釈――まとめ 211
6.21 帰納法の仮説的性格 214
第7章 科学理論の変遷 218
7.1 導入――連続性と断絶 218
7.2 パラダイム概念の多義性 220
7.3 クーンの急進的主張 223
7.4 クーン説の一般的難点 228
7.5 クーンの理論評価の基準 233
7.6 理論評価における主観性の諸相 235
7.7 ベイズ主義から見たパラダイム論 241
7.8 ベイズ主義はクーンから何を学べるか 243
第8章 科学の目的 246
8.1 科学を特徴づけるものは何か 246
8.2 科学の「実態」 250
8.3 科学理論の目的 252
8.4 科学の成功を説明する? 256
8.5 ファン・フラッセンの構成的経験論 258
8.6 観察可能性と科学の目的 262
8.7 理論受容の認識的側面と実用的側面 264
8.8 むすび 265
文献表 [267-274]
索引 [275-278]