原題:The Science of Conjecture: Evidence and Probability before Pascal (Johns Hopkins University Press)
著者:James Franklin(1952-) 数学の哲学、形式科学、確率の概念史。
訳者:南條 郁子[なんじょう・いくこ] 日英翻訳。
装丁:永松 大剛[ながまつ・だいごう](1971-)
件名:確率論--歴史
NDLC:MA211 科学技術 >> 数学 >> 確率論、数理統計学
NDC:417.1 数学 >> 確率論、数理統計学 >> 確率論:マルコフ過程
「蓋然性」の探求【新装版】 | 古代の推論術から確率論の誕生まで | みすず書房
【目次】
目次 [i-v]
凡例 [vi-vii]
序 001
第1章 古代の証明法 009
エジプトとメソポタミア/タルムード/ローマ法――証明と推定/インドの法
第2章 中世の証拠法――嫌疑、半証拠、審問 026
暗黒時代の神判/グレゴリウス改革/註釈学派の発明――半証拠/カノン法における推定/証拠の等級と拷問/後期註釈学派 バルトルスとバルドゥス――理論の完成/異端審問/東方の法
第3章 ルネサンスの法 069
ヘンリー8世の結婚無効化問題/テューダー朝の反逆罪裁判/大陸法――推定のあつかい/魔女審問/イングランドの法理論と理性的人間(リーズナブル・マン)
第4章 疑う良心・道徳的確実性 106
悔悛と疑い/蓋然主義の教義/スアレス ――陰性の疑いと陽性の疑い/グロティウス、シロン、国家の道徳性/ホッブズと攻撃のリスク/恥知らずな弛緩主義/イングランドの良心例学は中道を行く/フアン・カラムエル ――弛緩主義のプリンス/パスカルの『田舎の友への手紙』
第5章 弁論術、論理学、理論 166
古代ギリシアの蓋然性の語彙/説得術を売るソフィストたち/アリストテレスの『弁論術』と論理学/『アレクサンドロスに贈る弁論術』/古代ローマの弁論術――キケロとクィンティリアヌス/イスラムの論理学/スコラ学の弁証的三段論法/日常言語のなかの蓋然性/人文主義者の弁論術/後期スコラ学の論理学
第6章 ハードサイエンス 214
観測と理論/アリストテレスの偶然排除論法/観測結果を平均した古代ギリシアの天文学/理論の単純さ/ニコル・オレームと相対頻度/コペルニクス/ケプラー ――観測結果の調和/ガリレオ――コペルニクス仮説の蓋然性について
第7章 ソフトサイエンスと歴史学 260
『人相学』/占いと占星術/医学の経験学派と薬効試験/タルムードとマイモニデス ――多数派原理/土着の平均法と品質管理/生物学の実験/歴史書の権威/文書の真贋/ヴァッラと「コンスタンティヌスの寄進状」/カノと真の歴史のしるし
第8章 哲学――行為と帰納 312
カルネアデスの緩和懐疑主義/エピクロス派――しるしに基づく推理/帰納懐疑論とアヴィケンナの回答/トマス・アクィナスの傾向性理論/スコトゥスとオッカム ――帰納について/オートレクールのニコラ/西洋の衰退/ベーコンとデカルト――確実性か? 道徳的確実性か?/イエズス会とホッブズ――帰納について/パスカルの演繹主義的な科学哲学
第9章 宗教――神の法、自然の法 365
デザイン論証/教父たち/啓示による帰納懐疑論/ソールズベリのジョン/マイモニデスの創世観/自然法則は必然か?/キリスト教の適理性/パスカルの賭け
第10章 射倖契約──保険、年金、賭博 411
危険の値段/疑有要求――ユダヤ法/オリヴィ――徴利と将来の利得/終身年金に値段をつける/公債への投機/保険料率/ルネサンスの賭博と投機/くじ引きと富くじ/商業と良心例学者
第11章 サイコロ
古代の偶然ゲーム/中世の写本――中断されたゲームについて/カルダーノ/賭博師・良心例学者/ガリレオの小論文/ド・メレとロベルヴァル/フェルマーとパスカルの往復書簡/ホイヘンスの『偶然ゲームにおける計算』/カラムエル
第12章 結論 460
記号未満の蓋然性、記号への移行/蓋然性の種類とそれらの発見段階/確率論はなぜもっと早く現れなかったのか/2つのパラレル・ヒストリー/アリストテレスの影響とスコラ学者たちの貢献/思想史における法の位置/結論と教訓
エピローグ 非定量的蓋然性のサバイバル 510
ポール・ロワイヤル論理学/ライプニッツの蓋然性の論理学/現在まで
2015年版への後記 591
アップデート
訳者あとがき(2018年早春 南條郁子) [599-609]
原註 [35-88]
訳註 [26-34]
文献案内―― 1660年以前の確率について [13-25]
索引 [1-12]