著者:伊藤 元重[いとう・もとしげ](1951-) 国際経済学。
編集協力:三好 正人[みよし・まさと]
シリーズ:NHK出版新書;425
NDC:675.4 販売経路、商品流通機構、配給組織
NHK出版新書 425 流通大変動 現場から見えてくる日本経済 | NHK出版
【目次】
はじめに [003-006]
目次 [007-013]
第一章 流通から見えてくる日本経済 015
日本経済の動きは流通の現場に集約される
大型店の進出に対する抵抗
誰に向かって商売をするのか
大店法撤廃は街の姿を変えた
高度経済成長と日本版GMS
都市の変化と立地の変化
バブル崩壊とダイエー帝国の消滅
変身を続けるコンビニエンスストア
時代とともに進化する流通業
第二章 なぜセブン−イレブンはミールサービスを始めたのか 039
コンビニにとって「中食」は重要な商材
一人の子どもには三つのポケットがある
インターネットでの医薬品販売
変わるコンビニのビジネスモデル
狩猟型ビジネスと農耕型ビジネス
顧客のリピートを確保する
ネットスーパーの動き――時間の経済学
ヤマト運輸はデリバリー時代の寵児
成熟社会のビジネスモデル
第三章 アジアが日本の流通を変えた──ユニクロの成功の秘密を探る 063
ユニクロのビジネスモデルの本質
徹底した少品種多量で勝負する
アジアの生産現場で見たこと
背広の流通革命――百貨店と郊外店
なぜチャネルリーダーになることが大事なのか
アジアの生産能力を取り込む
小売業は工場を持たない製造業 国境を越える流通
第四章 そうは問屋が卸さない──いま中間流通に何が起きているのか 087
お酒のビジネスで考える問屋の影響力
ネットワークの結節点としての問屋
機能は変わらないが担い手は変わる
問屋の機能の喪失と再編
中間流通機能の組み替えが新たなビジネスを生む
流通の中間にある企業の難しさ
中国は逆スマイルカーブ
生き残りをかけた再編の動き
問屋の下流作戦――なぜカーディナルヘルスは成長を続けたのか
農業の六次産業化を流通から考える
経済を縦に見ることの重要性
第五章 情報通信技術で変わる日本の流通 119
「カテゴリーキラー」のキラーになるのは誰か
品揃えの幅広さと深み
インターネットを中心に流通業は進化する
流通業におけるイノベーターのディレンマ
ビッグデータをいかに活用するか
技術革新が変える市場構造
情報処理分野の技術革新のスピード感
スマートフォンで変わる消費者行動
『デジタルな経済』のその後
第六章 都市の変容とともに小売業も変わる 143
百貨店に未来はないのか
米国で起きた百貨店の買収と統合
日本の百貨店は生き残れるか
百貨店は部門ごとの大型店の集合体
業態間競争にさらされる百貨店
百貨店が都市の商業集積の核になる
快進撃を続ける小売業JR
都市の集積の重要性が増してきた
コンパクトシティーと商業活動
都市と流通業の経済学
第七章 チャネルリーダーの地位を確保せよ 169
なぜアップルはあんなに儲かったのか
メーカーがチャネルリーダーだった時代
小説『価格破壊』で描かれた攻防戦
なぜメーカーは流通チャネルの構築にこだわるのか
小売店の高マージンは安売り店の格好の標的
メーカーからのリベートという慣行
ブランド革新と販売チャネルの確執――資生堂のケース
自動販売機というチャネル
なぜメーカーは健康食品を直販にするのか
小売業の差別化、メーカーの差別化
プライベートブランドが成長する理由
消費者に価格引き上げを納得させるには
マスマーケティングの終焉?
第八章 アジアの需要を日本の内需に 205
二国間の貿易の「距離」と「引力」
アジアに目を向ける消費財メーカー
アジアの人が豊かになることの意味
アジア市場で成功するためには
グローバル化の下での差別化とは
ショーウインドウとしての銀座や新宿
観光客に日本ブランドを売り込む
アジアの人は東京や京都の魅力を知っている
アジアを内需に取り込め
結びにかえて――流通の現場は刺激に満ちている(二〇一三年一二月 伊藤元重) [227-247]
「産地」を通して日本の経済を見る
ファッションのトレンドと季節感
国内外の百貨店を見て回る
日米貿易摩擦のテーマになった流通
小売業が注目され始めた時代
流通の現場には経済の真理が隠されている