著者:瀬川 拓郎[せがわ・たくろう] (1958-) 考古学。アイヌ研究。
NDC:382.11 風俗史.民俗誌.民族誌(アイヌ)
件名:アイヌ
『アイヌ学入門』(瀬川 拓郎):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部
【目次】
目次
はじめに 007
グローバリズムでも民族主義でもなく
シンフォニア・タプカーラ
相乗の世界へ
鏡のなかの私たちとしてのアイヌ
序章 アイヌとはどのような人びとか 017
アイヌの人びととの出会い
アイヌの歴史を掘る
変わってきたアイヌ
乱獲されるシカ
共感の歴史へ
変わらなかったアイヌ
つながるアイヌ
影響しあう文化
アイヌと縄文人の関係
縄文人国家?
マイノリティとマジョリティ
アイヌは一三世紀に出現したか
南下するオホーツク人
本州からの移民
海の民の幻影
ヴァイキングとしてのアイヌ
封じこまれるアイヌ
崩壊する社会
第1章 縄文……一万年の伝統を継ぐ 067
孤立するアイヌ語
縄文語との関係
古代アイヌ語の変容
地名からみるアイヌ社会の成りたち
マタギ言葉のアイヌ語
サハリン方言は古語か
言語年代学からみたサハリン方言の成立
縄文伝統のクマ祭り
イノシシからクマへ
サハリンアイヌのミイラ習俗
ミイラの起源
/イレズミはいつから
縄文イデオロギーを継ぐ人びと
第2章 交易……沈黙交易とエスニシティ 103
武者姿のアイヌ
千島アイヌの奇妙な習俗
沈黙交易とは
病をおそれる人びと
商品交換へのプロテスト
「野人」との沈黙交易
オホーツク人との沈黙交易
北東アジア先住民の影
祖先でむすばれる社会
境界のクレオール
名づけと名のり
アイヌのエスニシティ
第3章 伝説……古代ローマからアイヌへ 135
子どもだましの作り話
古代ローマとアイヌ伝説
小人伝説を読む―― 一七〜一八世紀の史料
小人伝説を読む―― 一九世紀の史料
モデルは北千島アイヌ
小人伝説を知らない人びと
妖怪としての北千島アイヌ
成立の時期
ユーカラとの関係
日本の中世説話の影
小人島と女人島
グローバルな物語世界へ
伝説をめぐるサハリン先住民と日本
小人伝説のライフヒストリー
第4章 呪術……行進する人びとと陰陽道 167
アイヌの呪術と日本
ケガレと行進呪術
沈黙と非接触
ケガレをめぐる縄文人とアイヌ
胡沙とはなにか
陰陽道の行進呪術
共通する作法
行進呪術の成立
ウカルの起源
外来思想としてのケガレ
第5章 疫病……アイヌの疱瘡神と蘇民将来 193
アイヌ文化の陰影
アイヌの蘇民将来
海から来襲する神
疱瘡と呪術
日本の民間信仰との関係
疱瘡神伝説の諸相
伝説の成立はいつか
アイヌの草の輪くぐり
鉤の呪具
人形へのおそれ
第6章 祭祀……狩猟民と山の神の農耕儀礼 217
カムイと神
アイヌの祭祀と古代日本
東北北部からの移民
移民と祭祀
イナウ
イクパスイ
山の神信仰との関係
粥搔き棒と斎箸
アイヌの酒漉しイナウ
農耕儀礼の受容
重要な農業の神
神々の再編
サイモンとはなにか
第7章 黄金……アイヌは黄金の民だったか 249
黄金を知らない黄金島の人びと
渡海する和人の金掘りたち
至高の宝
それは金の精錬か
北海道は金銀島
決定的な史料
奥州藤原氏は北海道へやってきたか
渡海の目的
驚くべき指摘
砂金の発見
宝の銅鋺が意味するもの
北海道にやってきた修験者
アイヌの黄金郷
第8章 現代……アイヌとして生きる 279
Aさんへのインタビュー
アイヌの開拓団
入植地での暮らし
失われる文化
アイヌなのに
旧土人ってだれ?
おびえと学び
記憶する力
自分のなかの日本
アイヌとして生きる
おわりに [299-303]
引用文献 [304-311]