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『骨が語る日本人の歴史』(片山一道 ちくま新書 2015)

著者:片山 一道[かたやま・かずみち] (1945-) 考古学、先史人類学、骨考古学。
NDC 469.91 人類学(日本人)


筑摩書房 骨が語る日本人の歴史 / 片山 一道 著


【目次】
目次 [003-008]


はじめに 009
  古人骨研究と人類学
  「日本人」とはなにか


  I 日本人の実像を探る 

第1章 旧石器時代人 015
1 最古の日本人 015
  日本人の登場
  最古の日本人はいつやって来たのか
  どこから来たのか
  どんな人々だったのか
  よみがえる「港川人」
  日本列島の旧石器時代の人物像
2 日本史の教科書から消えた「原人」たち 031
  おかしな「原人史観」
  消えた「明石原人」「高森原人」
  日本の旧石器時代人に関する真実 

コラム1 骨考古学でなにがわかるか 038


第2章 縄文人 041
1 縄文人のルーツ 041
  縄文人の物語
  縄文列島の景観
  慎ましき「なんでも屋
  土器の発明
  縄文人はどこから来たのか
2 古人骨から復原する縄文人 051
  ありがたき哉、貝塚遺跡
  よみがえる縄文人たち
  縄文人の骨相・人相を探る
  縄文人の身体――顔型と体形
  縄文人のユニークな特徴
  縄文人の歯
  奇妙な風習――抜歯と研歯
  研歯の特別な役割
  縄文人の食べ物
  縄文人は日本人の基層をなす

コラム2 人骨の仕組みと法則性 076


第3章 「弥生人」 079
1 縄文人から「弥生人」へ 079
  弥生時代のイメージ――その移りゆきと潮目の変化
  弥生時代の幕開け
  「渡来した弥生人縄文人に置きかわった」は本当か?
  「渡来系か縄文系か」という二分論の限界
  「弥生人」さまざま
2 「弥生人顔」神話 090
  「弥生人」の地域性
  北部九州地方と西部中国地方の弥生時代人骨
  弥生時代の海峡地帯――対馬海峡朝鮮海峡
  どれほどの渡来人が来たのか
  弥生時代人骨の出土地偏在性
  渡来系「弥生人」の身体特徴
  縄文人もどきの「弥生人」――もうひとつの作業仮説
  「縄文人顔か弥生人顔か」は粗雑な二分論
  殺傷痕に見る戦乱の時代――倭国の大乱
  戦乱の時代背景

コラム3 弥生時代には大型船があった 115


第4章 古墳時代人 117
1 階層分化による身体変化 117
  古墳時代――日本人の成立前夜
  古墳時代の墓地と被葬者たち
  大型古墳の被葬者たち――高身長の特権階級
2 渡来人の影響 122
  顔立ちの変化は混血よりも社会構造の変化によるもの
  常民の骨格と顔立ち
  倭人の時代――のちの日本人に向けての身体変化の画期
  古墳時代の渡来人の数 

コラム4 藤ノ木古墳の人骨は誰か 131


第5章 「中世人」・近世人・近現代人 135
1 「中世人」 135
  本家本元の「日本人」
  奈良・平安時代は冬の時代
  奈良・平安時代人の身体特徴
  鎌倉時代から戦国時代にかけての身体特徴
2 近世人 144
  江戸時代の身体特徴
  江戸時代人の食物事情と生活環境
  江戸時代人の健康白書
  梅毒の蔓延
  江戸時代人の一生
3 近現代人 156
  近世人から近代日本人へ――通婚圏の拡大
  ガリヴァーのような現代日本
  短絡的な日本人観を越えて 

コラム5 横穴墓の興味深い埋葬法 161


  II 「身体史観」の挑戦

第6章 旧来の日本人論の誤りをただす 167
1 身体史を俯瞰する 167
  「身体史」とはなにか
  「吹きだまり」の旧石器人、独特な縄文人
  なにもかもが様変わり――「弥生人
  「日本人顔」の登場――古墳時代人と奈良時代
  階層性が顕著に――鎌倉時代から戦国時代、さらには江戸時代へ
2 旧来の説を検証する 178
  日本人の始まり
  縄文人をめぐるさまざまな説
  縄文人は日本列島で誕生し、日本列島で育まれた
  弥生時代の開国日本列島
  海峡地帯を渡る――船と人々と風
  日本人起源論と日本文化起源論は表裏にあらず
  日本人はみな混血なのか――「混血」概念をただす
3 身体の時代変化 193
  日本人の身体特徴の時代変化
  身長の変化
  顔立ちの変化
4 アイヌ琉球の人々 200
  アイヌの人々
  琉球諸島の人々 

コラム6 神戸の新方人骨でわかる弥生時代の真実 204


第7章 旧来の歴史観はどこが誤っているのか 207
1 歴史教育の欠陥 207
  歴史教育の理念
  先史時代にも歴史はあった
  広義の歴史学
  ボーダーレス化した現代社会に必要な世界史教育
  失われた歴史の全体性
  日本人のアイデンティティを育む日本史教育を
2 間違いだらけの歴史教科書 222
  とんでもない顔立ちの肖像画――織田信長聖徳太子
  リアルな人物像をうとむ歴史教科書類
  それぞれの時代を表現する人物像の描き方
3 旧来の歴史学の時代区分のおかしさ 229
  中等教育でこぼれる縄文時代弥生時代
  日本語の「古代」の摩訶不思議
  日本史における「古代」という時代
  中世の兆しと古墳時代
4 「司馬史観」に物申す――日本人は一筋縄では規定できない 238
  日本人とは「司馬史観が好きな人たち」?
  卑下と自尊の間
  司馬史観に見る「民族」の濫用、「人権」の誤用
  武家史観・関東史観
  歴史人物像にはリアリズムが不可欠

コラム7 伏見人骨が明らかにする江戸時代の庶民像 246


おわりに(二〇一五年二月一二日 鈍孤庵にて 片山一道) [249-251]
参考文献 [252-254]