著者:柴山 哲也[しばやま・てつや](1970-) 記者、ノンフィクション作家。ジャーナリズム論など。
NDC:002 知識.学問.学術
NDC:210.04 日本史
【目次】
目次 [003-006]
序章 「夢から出たマコト」――日文研創設をめぐって 007
「日本とは何か」を多面的に発信/京都を世界文化交流の中心に/中曽根首相との懇談会/文部省の屋根裏部屋からのスタート/日文研をとりまく内外の批判/朝日新聞での紙面討論/「羅漢の集い」であれ
第一章 新京都学派を担った知の巨人――桑原武夫と京大人文研 034
党派性を超えた京大人文研/青春時代に体験した「戦争」と格闘/学際的共同研究の元祖/アクチュアルな問題意識/近代を把握するためのルソー研究/西欧、中国、日本を結ぶ三角形/桑原の米国体験/「面白くなければ共同研究は続かない」/消去法という視点/内藤湖南は「豆腐のニガリ」/人生にとって文学はなぜ必要か/「第二芸術」の衝撃/高橋和巳の死
第二章 民衆の中に入っていく姿勢――鶴見俊輔、梅棹忠夫、司馬遼太郎 085
「文学の要件」とは何か/農村における美人の研究/現代風俗研究会/鶴見俊輔の桑原論/大阪万博と民博設立をリードした梅棹忠夫/『文明の生態史観』/記者クラブで桑原に出会った司馬遼太郎/司馬のノモンハン事件への関心/明治維新は革命か復古か
第三章 特攻から生還した哲学者・上山春平の戦後 123
上山の戦争体験/研究の方向を決定づけた「新憲法私案」/日本人の「さもしい気持ち」/九条の存続を支持/大嘗祭と天皇制/日本は凹型文明の地/梅原猛と立ち上げた「日本学」/天皇制の起源を求める旅/「日本の非革命」思想
第四章 記紀神話を脱構築した梅原日本学と“怨霊史観” 161
聖徳太子をめぐる謎/記紀神話のイデオロギーに対する疑念/哲学者としての洞察/歴史の闇に埋もれていた不比等の正体/出雲神話の研究/柿本人麻呂の終焉の地をめぐって
第五章 ダーウィンに挑戦した文化人類学者・今西錦司 189
「パイオニアであり、放浪者」/京大学士山岳会/桑原との友情/「棲み分け理論」はいかに生まれたか/「人はあるとき突然、一斉に立ち上がった」/“覆面の哲学者”/西北研究所での体験/悲痛な決意/今西の感じた不安
おわりに――「文明災」と「幸福に生きる権利」(二〇一三年秋 柴山哲也) 219
引き起こされた「文明災」/桑原武夫の憲法観
主要人名索引 [236-238]