著者:小林 雅一[こばやし・まさかず] 著述家、技術ジャーナリスト、シンクタンク勤務。
『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』(小林 雅一):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部
(本書は載っていないが)次のリストは、コンピュータ将棋の世間への受容のされ方についても分量を割いているので、興味ある方は参照されたし。
「コンピュータ将棋関係文献 : 単行本」コンピュータ将棋協会
【目次】
はじめに(2015年3月 小林雅一) [003-008]
目次 [009-012]
第1章 最新AIの驚異的実力と人類滅亡の危惧――機械学習の光と陰 013
機械学習とは何か/グーグルvs.フェイスブックvs.百度/背景にビッグデータとIoT/拡大する機械学習の用途/チキン・フィレの焼き具合にも/“ヘッジファンド兄弟”の明暗を分けたもの/ディープラーニングの衝撃/画像・音声認識の次は自然言語処理/ニューラルネットの不思議/加熱する人材獲得競争/人類を滅亡させる恐れ/AIの暴走とロボット兵器への懸念/AIに脅かされる職種/機械が自分で学ぶことの意味/①機械への権限移譲をどう行うか――自動運転者の可能性と危険性/極限状況での判断も必要/②ロボットの行動基準や倫理観をどう決めるか――ぶり返すフレーム問題/③利便性とプライバシーのバランス――医療分野への応用におけるリスク/④監視社会の到来にどう対処するか――従業員の仕事ぶりをチェックするツール
第2章 脳科学とコンピュータの融合から何が生まれるのか―― AIの技術と歴史 071
機械学習の基礎:線形・ロジスティック回帰分析/現代AIの正体/本当に「本物の知能」と「意識」を持てるのか/AI研究は脳の模倣から始まった/熱狂的なブームのあとで/脳の模倣から記号処理の時代へ/「万能の天才」も誤った/再び期待から幻滅へ/統計・確率的アプローチへの一大転換/自走運転車の基本原理/ニューラルネットの復活/ニューラルネットと機械学習の関係/AI研究が企業社会から見放された理由/驚くべき発見の数々/観衆を驚愕させた技術デモ/「強いAI」への期待が復活/「何かに気付く」ことでフレーム問題も復活?/脳科学とAI研究が相乗的に進化/欧米や日本で始まった巨大脳科学プロジェクト/パイプドリームとの批判も/人間の脳波までを再現/失敗を繰り返しながら自力で成長するロボットへ
第3章 日本の全産業がグーグルに支配される日―― 2045年「日本衰退」の危機 135
アシモフや手塚治虫が描いた次世代ロボットへ/なぜ今、「ロボット・ルネッサンス」なのか/ロボットに秘められた野望/グーグルが目指す「サービス・ロボット」とは/ロボットに求められる自律性/米国防総省が主導するロボット開発の「最高到達点」/知的ロボットは指数関数的に進化する/ドローンにつきまとう「問題」/次世代ロボット=次世代情報端末=「トロイの木馬」/「ペッパー」で家の中が「丸見え」?/危機感を募らせるロボット関係者/「ロボット大国」日本の現状/東京五輪をにらんだ動き/またも一時的ブームに終わる恐れは?/ヒューマノイドに注力し過ぎたツケ?/次世代ロボットに対する日米アプローチの違い/グーグルの全産業制服計画と日本衰退の危機/日本はどうすればいいのか
第4章 人間の存在価値が問われる時代――将棋電王戦と「インダストリー4・0」 185
将棋電王戦が示唆するもの/将棋ソフトの飛躍的進化を促した機械学習/機械学習がもたらした「コンピュータならではの新手」/ポンと突然棋力が上がる/プロ棋士による指し手の限界/人間から学ぶことを卒業した/人がコンピュータに抜かれると何が起きるのか/人間そのものの存在価値が問われる時代/AI普及を促すIT資本家層/「インダストリー4・0」と匠の技を継承するロボット/米国への対抗意識/第四次産業革命は雇用を奪うのか/「人と機械の新たな関係」を模索/人間の主観はコンピュータでも予測不能/コンピュータが作曲したオペラを地元紙が絶賛/魂はなくても素晴らしいオペラは作れる?/創造性とは何か/人間を超えるものは人間をあえて作るだろうか人間にとっての「最後の砦」
おわりに [244-247]