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『英語コンプレックスの正体』(中島義道 講談社+α文庫 2016//2004)

著者:中島 義道[なかじま・よしみち](1946-) ドイツ哲学。随筆。
底本:『英語コンプレックス脱出』
NDC:830.4 英語 >> 評論集
件名:英語
件名:日本人


『英語コンプレックスの正体』(中島 義道):講談社+α文庫|講談社BOOK倶楽部



【目次】
まえがき(二〇一六年六月一九日 梅雨の晴れ間のまぶしい光を浴びながら) [003-008]
目次 [009-014]


第一章 英語コンプレックスとは何か 015
1 その症状 016
  「私が英語を話して、みんな感謝しているかと思っていたのに」
  日本人が英米人と英語で話すのは「好意」である
  英会話学校、その卑屈な場所
  あいまいで誇張したさりげなさ
  カタカナ語氾濫の裏にあるもの
  和製英語を極端に恥じる必要はない
  「肌色」はおかしいか?
  ファーストネイム信仰
  日本史も英語で?
2 その背景 
  漱石のイギリス人コンプレックス
  美のもつ抵抗できないカ
  白い人・黄色い人
  醜い日本人
  肉体コンプレックスと言語コンプレックス
  犬養道子の「国際的なマナー」の押しつけ
  There is nothing. Please eat Next room.
  アメリカ信仰
  アメリカにもいじめはある
  米谷ふみ子の「知的水準発言」批判
  「イギリスがインドに進んだ文明をもたらしたのです!」
  白い"高級人種"、イギリス人が、黄色い"下等人種"日本人に敗北した屈辱
3 その克服 079
  まずコンプレックスを認めることから
  “English” と “Englic”
  アジア・アフリカ植民地支配の道具としての英語
  日本人は「日本人らしく」英語をしゃべればいい
  言語間の真の対等な関係を目指して


第二章 英語コンプレックス状況の変化 093
1 欧米崇拝の希薄化 094
  二〇年の後
  肉体コンプレックスの希薄化
  スポーツ選手がきれいになった
  街もきれいになった
  ナイフやフォークなんて怖くない!
  観念的欧米幻想の消失
  欧米人に認めてもらいたい!
  準=欧米人?
  アジア蔑視も、地方蔑視も薄くなった
  そして、英語ができるようになりたい!
2 「卑屈な」日本人論の減少 118
  一九六〇年代まで
  一九七〇年代
  一九八〇年代
  一九九〇年代
  日本人論の衰退
3 豊かな国の若者たち 148
  日本と欧米の表層を比較する
  日本のものをまるで卑下していない若者たち
  自信に満ちた日本人たち


第三章 私の英語コンプレックスの変化 157
1 私は英語ができた 158
  ちょっと変わった家庭環境
  一九六〇年当時の英会話教材
  私のアメリカコンプレックス
  二つの大事件
  アメリカ人の少女と文通する
  憧れの欧米女優たち
  受験英語秀才
  外国語を論理的に習得する能力
2 私は英語ができなかった 176
  ほとんどひとこともしゃべれない
  「こんにちは、私に英語を教えてください」
3 私は英語ができる 182
  大学入学とともにさまざまな語学を学ぶ
  ドイツ語にのめり込む
  (ミュンヘン)オリンピック参加奉仕団
  ゴミ掃除をボイコットする
  卒業後もさまざまな語学を学ぶ
  ウィーン大学に留学する
  はじめてのアメリ
  ああ、ニューヨーク
  「国際的」ではない都市
  コロンビア大学
  オー! カルカッタ
  国際カント協会で発表する
  「英語帝国主義批判」の研究グループに入る
  留学生に英語で日本文化を教える
  東京見物
4 私は英語ができない 225
  「まちがいだらけの」英語の先生
  新聞さえ読めない
  アメリカン・インターナショナル・スクール


第四章 英語コンプレックスの自然治癒 233
  一、無理につじつまを合わせることをやめる
  ニ、コミュニケーション・スキルを高める
  三、自分をあえて困難な立場に追いやる
  四、コンプレックスを(ある程度)肯定する
  五、人生で最も大切なことを見失わない


あとがき(二〇〇四年八月 ウィーンの自宅で、日本選手がちっとも登場しないアテネオリンピックを連日テレビで観戦しながら 中島義道) [244-245]