著者:小池 和男[こいけ・かずお](1932-2019) 労働経済学。
NDC:366.8 労働経済.労働問題 >> 各種の労働・労働者
【目次】
はしがき [i-iv]
目次 [v-xi]
序章 非正規労働を考えるために――他国も専門職もみる 001
1 問題と方法 001
「標準コース――新卒入社そのまま勤続」のあやしさ
非正規、正規併存の合理性
人材選別機能
付:エリートたちの採用
雇用調整機能
米装置産業のプール labor pool
低技能分野のにない手
2 構成――他国もみる 015
一九五〇年代の造船業から
アメリカのホワイトカラー職場もみる
自動車と電機の職場
なぜ政府統計をみないか
第1章 社外工と臨時工―― 一九五〇年代初めの造船業 023
1 資料の性質 023
造船業をとりあげる理由
社外工、臨時工とは
三冊の調査報告
肝要な視点の欠如
2 臨時工から本工への昇格 031
二五人の履歴
本工にしめる臨時工からの昇格者
臨時工はどれくらい本工に昇格したか
3 仕事の分業 038
取付工の職場
電気溶接工の職場
4 社外工の多い職場 043
塗装工
整備工
木工
5 鉄鋼職場の分業 049
鉄鋼も社外工が多い
中核の圧延機職場
社外工の多い職場
そうじて
第2章 アメリカの非正規、正規労働者 055
1 ホワイトカラー層の観察から 055
キャリア初期の選別――専門職
事実上の「非正規」
投資銀行では
2 アメリカの一般企業のホワイトカラー 062
ホワイトカラー中堅層への人材選別
ある保険会社
「サポーター層」 supporter, clerk
その移動
「専門職層」
人事畑のばあい
経理部門のばあい
いくつかの事例
経営中堅層の三つのグループ
3 アメリカのブルーカラーのばあい 075
先任権――勤続の逆順
スーパーのパート
第3章 製造業の生産職場 080
1 一九六〇年代半ばの臨時工 080
貴重な資料
一九六〇年代半ばの入社
わりと多い非正規出身者
古典的なリーダーの法則
極度の人手不足
臨時工の昇格率
過小評価
新卒正規採用者に劣らぬ昇進
技能差
賃金差
一般統計
2 非正規労働者がきわめて多い事例―― 二〇〇〇年前後 099
村松調査
非正規7割の事例
技能表――正規も非正規も1枚に
別の職場の経験も――点数化
タイトヨタのばあいと似る
3 山本[二〇〇四]調査 107
その性質
時代認識のあやうさ
職長たちの選択
労使協議へのとりあげ
4 電機産業の職場 113
電機連合[二〇〇七]調査
高度な作業――サイクルタイム五〇分
一枚の仕事表にはりだす
アンケート調査から
ほとんど請負がこなす職場
リース工場方式
第4章 三次産業の非正規労働者 123
1 「就業構造基本調査」 による概観 123
事例をとりあげる視角
みるべき産業
2 外食産業 129
東京都調査
ある「デナーレストラン」の事例
仕事と組織
正社員のキャリア
人数からみた登用の可能性
3 チェーンストアのパートタイマー 139
ふたつの比較
本田[二〇〇七]の研究
食品スーパーの鮮魚担当
日用品売場
職能給化するパートの賃金
賃金の上がり方でみる
正社員初任給との「均衡」
脇坂[一九九八]、中村[一九八九]の貢献
二種類の「不本意パート」
4 ふたつの途――仮説 158
ふたつのモデル
ふたつの理由
チェーンストアと自動車の差異、また西欧との差異
第5章 設計技術者 165
1 一九六〇年代のアメリカ 165
内部からのするどい観察――松浦『米国さらりーまん事情』
航空機設計者
非正規のサラリー
2 日本の非正規製品設計技術者 171
佐藤プロジェクトの成果
仕事の分業、競合
機能
雇用調節機能のコスト
派遣単価と大企業サラリーの比較
メーカーでの正社員昇格の途はあるのか
大手派遣会社の態度、技術者個人の考え方
三つの途
完全外注の途
終章 ひとつの提案――人材選別機能の重視 188
1 中下位職のばあい 188
ふたつの部分
提案
入口の情報の大きな差
新卒採用方式とくらべると
2 仕事表の働き 194
技能の向上を表示する
仕事領域の拡大
「中」と「上」のレベル
欧米と対比すると
査定の恣意性を制限する
正社員にも
3 中堅上位層や技術者に仕事表は適さない 203
正社員の評価には主観性がのこる
より高度な人材には無理か
4 労働組合の役割 205
大枠を協議する
組織を広げる
新興国への波及
注 [213-215]
文献 [5-8]
索引 [1-4]