contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『日本はどのように語られたか――海外の文化人類学的・民俗学的日本研究』(桑山敬己[編] 昭和堂 2016)

編者:桑山 敬己[くわやま・たかみ]
NDC:210.04 日本史
NDC:389 文化人類学


日本はどのように語られたか - 株式会社昭和堂


【目次】
はじめに(二〇一五年晩秋 札幌にて 桑山敬己) [i-ii]
目次 [iii-v]


序論 日本研究の内と外〔桑山敬己〕 001
一 交錯する内外の日本像・日本人像 001
二 忘却される貴重な海外の日本研究 007
三 知識・内省性・学問の世界システム 013
四 本書の目的と構成 016
謝辞 018
註 018
参考文献 021


第I部 英語圏人類学の日本研究 027
解説〔桑山敬己〕 028


第一章 文化人類学と『菊と刀』のアフターライフ――21世紀におけるリベラリズムと文化概念との新たな対話〔太田好信 031
一 はじめに――目標、方法論、文化概念の歴史 031
  目標、方法論
  文化人類学と文化概念
二 『菊と刀』の読解――テクストとそのコンテクスト 037
  テクストとしての『菊と刀
  『菊と刀』のコンテクスト――過去
  『菊と刀』のコンテクスト――現在
三 ベネディクトの文化理論 041
  『菊と刀』の文化理論
四 おわりに――他者から投げかける歴史のへの光 046
  『黙ってはいられない』から導かれる補助線
  『菊と刀』の対話者とは誰か
謝辞 051
参考文献 052


第二章 エンブリー『須恵村』のRe-View(再見/再考)――日本農村研究の古典をいま読み直す〔桑山敬己〕 057
一 はじめに 057
二 植村元覚訳『日本の村落社会――須恵村』 059
三 『須恵村』とその周辺の調査・研究 061
四 英語圏日本研究における『須恵村』の影響 064
  日本的集団主義の原型としてのイエ意識
  日本人の二重性
五 『須恵村』と現代日本の農村調査 071
  mura (行政村)とburaku (部落=集落)の区別
  行政村を単位とした広域調査と代表的集落の選定
  行政村内の多様性と集落間の関係
  近代国家日本における政村内と集落のダイナミックス
  『須恵村』と現代日本の村落研究に与えるもの
六 おわりに 076
註 078
参考文献 081


第三章 ビアズレーらによるVillage Japanの宗教観――愚直なまでの民族誌的記述から見えること〔中西裕二、桑山敬己〕 085
一 はじめに 085
二 Village Japanの概要 086
三 学際的共同調査の成果としてのVillage Japan 089
四 Village Japanの宗教分析を再考する 092
  集落間ネットワークによって顕在化する宗教
  神祇祭祀を日蓮系の僧侶が行う特殊性
  宗教的実践と構造機能主義分析の祖語
  「神道と仏教」という枠組みの近代性
  仏教とイエ
  中世仏教が作った宗教的基盤
五 おわりに 103
註 104
参考文献 111


第四章 「沖縄」を描くということ――戦後英語圏民族誌ポリティカル・エコノミー〔ジェームス・E・ロバーソン、徳森りま・桑山敬己[訳]〕 115
一 はじめに 115
二 「沖縄」を描く 116
  第一期――アメリカ占領期(一九四五〜七二年)
  第二期――アメリカ占領期(一九七二〜九五年)
  第三期――ポストコロニアル
  ポストモダン期(一九九五年から現在)
三 沖縄研究に求められるもの 131
  研究テーマの選択
  調査地の選択
  「本当の沖縄」
  今後の研究に求められるもの
四 おわりに 135
註 135
参考文献 136


第五章 米海軍『民事ハンドブック』シリーズの作成過程にみるアメリカの対日文化観〔泉水英計〕 151
一 はじめに 151
二 軍政学校第一調査班 152
  通文化サーベイファイル
  『民事ハンドブック』
  翻訳問題
三 軍政学校第二調査班 161
  コロンビア軍政学校
  翻訳アセンブリライン
  「台湾ベデガー」
  『台湾サーベイ
四 『民事ハンドブック』の民族誌情報の特質 168
  モノとしての文化事項
  モノとしての民族
五 おわりに 172
註 174
参考文献 175


第六章 西洋の民族誌的言説にみるアイヌ〔ハンス・D・オイルシュレーガー、桑山敬己[訳]〕 179
一 はじめに 179
二 一七世紀から一八世紀における初期の表象 180
三 アイヌ――「自然人」から「良き野蛮人」へ 186
四 一九世紀後半の民族誌アイヌの記述 188
五 「アイヌ問題」 196
六 「高貴な野蛮人」の復活 198
七 おわりに 200
訳者の謝辞 200
註 201
参考文献 202


第七章 語られる「日本人女性」――英語圏フェミニスト人類学者が描く「女性的なる日本」〔加藤恵津子 209
一 はじめに 209
二 「ゲイシャ(と主婦)」 212
  「美的・性的なる日本人女性」――消費者および生産者としての欧米女性
  「ゲイシャ」、および対比される「主婦」――日本人女性の二面性
三 「ホステス(と主婦)」 217
  「ホステス」、および対比される「主婦」
  「性的不能な日本人男性」と「日本人男女の性的関係の病理」
四 「白人と性交したい日本人女性」 220
  主体性の強調へ
  「強いアメリカ人男性」と「不具の日本人男性」
五 「女性的」または「男性未満」の日本――他者、(ポスト)コロニアリズムフェミニズム 223
  なぜ日本人(女性)は「エロティックな他者」として描かれ続けるのか
  なぜ女性が女性をエロス化するのか――男性を含むカテゴリーとしての「日本人女性」
六 おわりに――語られる「日本人女性」のこれから 229
註 231
参考文献 232


第八章 日本の捕鯨問題と応用人類学――クジラを語った12人の文化人類学者〔岩崎まさみ〕 235
一 はじめに 235
二 小型沿岸捕鯨とは 236
三 IWCにおける日本の捕鯨要求の拒否とその背景 240
四 日本の小型沿岸捕鯨に関する国際共同研究 246
五 捕鯨問題の根底にある二つの対立要因 251
  捕鯨をめぐる政治的権力闘争
  グローバル化時代の文化相対性
  捕鯨問題と文化相対主義
六 おわりに 256
註 257
参考文献 259


第II部 英語圏民俗学の日本研究
解説〔桑山敬己〕 262
註 265
参考文献 265


第九章 「日本」民俗学以前の事――19世紀イギリスにおけるfolkloreの誕生と日本〔菅豊〕 267
一 はじめに――民俗「学史」の構築 267
二 フォークロアという「まなざし」 272
三 フォークロアという「まなざし」によって描かれた日本 278
四 忘れられたフォークロリストI ――イギリス民俗学会設立と一人の在英日本人 284
五 忘れられたフォークロリストII ――イギリス民俗学会設立と二人の在英日本人 298
六 ジャパノロジーフォークロア 311
七 おわりに――日本におけるイギリス民俗学の終焉 323
謝辞 326
註 326
参考文献 332
資料9‐1 関連年表 [340-345]


第III部 東アジア圏人類学の日本研究
解説〔桑山敬己〕 348


第一〇章 中国大陸における文化人類学的日本研究――清末・民国初期から現在まで〔姜娜〕 351
一 はじめに 351
二 研究史 352
  芽生え――清末・民国初期から一九三〇年代
  中断期―― 一九四〇年代から一九七一年まで
  再出発―― 一九七二年から八〇年代後半まで
  発展期―― 一九九一年から現在まで
三 評価 362
四 今後の展望 363
註 364
参考文献 365


第一一章 台湾における日本語の日本文化/日本人論――「ポストインペリアル」な読解の試み〔沼崎一郎〕 371
一 はじめに 371
二 日本におけるインペリアルな過去の幻想化と健忘症 374
三 インペリアリティとの邂逅 376
  「純粋な」日本のインペリアリティ
  「純粋な」日本を見出す眼差しの反省的考察
四 インペリアルな過去の物語化――ポストインペリアリティの窮境 380
五 台湾における日本文化/日本人論 383
六 日本語による日本論を「ポストインペリアル」に読む――謝雅梅の場合 386
  「共有の物語」
  「離反の物語」
七 おわりに 391
謝辞 394
註 395
参考文献 399
資料11‐1 謝雅梅の著作五冊の目次一覧 [403-405]


第一二章 韓国における日本文化論の再生産――韓国の大学の学科目と研究者育成の分析から〔太田心平〕 407
一 はじめに 407
二 教育と研究と養成課程 408
三 「日本文化論」の具体例 411
  欧米留学型の「日本文化論」
  日本留学型の「日本文化論」
  国内就職型の「日本文化論」
  共通項
四 構造の変化とシステムの不変化 416
研究主題設定のシステム/学知をめぐるシステム
五 おわりに 419
註 420
参考文献 422
資料12‐1 日本文化(忠南大学、二〇〇八年度一学期) [424-425]
資料12‐2 日本文化の理解(ソウル大学、二〇〇九年度二学期) [426-428]
資料12‐3 日本文化の理解(ソウル大学、二〇〇六年度二学期) [428-432]
資料12‐4 日本文化論(徳成女子大学、二〇一二年度二学期) [432-434]


おわりに [435-437]
人名索引 [xi-xiv]
事項索引 [iii-x]
執筆者紹介 [i-ii]