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『改訂 桜は本当に美しいのか――欲望が生んだ文化装置』(水原紫苑 平凡社ライブラリー 2017//2014)

著者:水原 紫苑[みずはら・しおん] (1959-) 歌人


改訂 桜は本当に美しいのか - 平凡社


【目次】
目次 [005-009]
凡例 [010]


まえがき 011
桜への疑問/短歌と桜との出会い/桜の素顔


第一章 初めに桜と呼びし人はや 017
桜という言葉/木花之佐久夜毘賣と桜/非時の桜の詩想/最初の桜の歌


第二章 『万葉集』と桜の原型 025
過渡期としての『万葉集』/大伴家持の桜の歌


第三章 『古今集』と桜の創造 035
仮名序のわかりにくさあるいは詐術/桜の呪力の導入/王権による美意識の統御/桜文化体制の開始/桜の世俗化/散る桜の美の準備/美意識の転倒と桜の哲学/小町と貫之の「花」の歌/共通通貨としての桜


第四章 『枕草子』と人間に奉仕する桜 080
貴公子と桜/桜の造花のひそかな悲しみ


第五章 『源氏物語』と桜が隠蔽するもの 089
桜の精紫の上/至高の花/桜の復讐/桜と至高の花がひとつになる時


第六章 和泉式部と桜への呪詛 104
梅の精和泉式部/心の梅の香


第七章 『新古今集』と桜の変容 109
新古今集』という運命/桜かざして今日もくらしつ/極北へ


第八章 西行と桜の実存 123
西行のあとに生まれて/花狂い/「魂」から「心」へ/「自己」の発見


第九章 定家と桜の解体 143
梅のコレスポンダンス/異形の桜の歌/西行と定家


第十章 世阿弥と桜の禁忌 157
世阿弥の桜の能の不思議/鍵を握る『泰山府君』/『桜川』と母の官能/未完の芸術家忠度/『西行桜』の世界観


第十一章 芭蕉と桜の記憶 173
記憶の時間/絶対的現在


第十二章 『忠臣蔵』と桜の虚実 182
本文に存在する桜/本文に存在しない桜


第十三章 『積恋雪関扉』と桜の多重性 190
一人の女形が踊る小町姫と傾城墨染/小町と宗貞の恋/大伴黒主と墨染桜の精の戦い/小町にすべてを奪われた墨染


第十四章 『桜姫東文章』と桜の流転 196
散らない桜姫/輪廻転生/桜姫の刺青/運命の男はいない/風鈴お姫の独り寝/消去される桜の過去


第十五章 『春雨物語』と桜の操 205
宮木という女/生田の桜/淪落と入水


第十六章 宣長と桜への片恋 211
小林秀雄の恫喝/片恋の記録/「やまと心」の歌と上田秋成


第十七章 近代文学と桜の寂莫 226
『櫻心中』の面目/藤尾を殺す浅葱桜/『細雪』の月並みな桜/『山の音』の病んだ桜/小夜嵐の哀しさ


第十八章 近現代の桜の短歌 238
和歌と短歌、断絶と連続/近代の巨人たち/『新風十人』の世代/前衛短歌の世代/口語短歌の世代/独りうたう女たち/幻想とのスタンス


第十九章 桜ソングの行方 263
桜流し』から/桜と軍国主義/桜ソングの氾濫/王朝和歌への接近と個人の顔


あとがき(二〇一三年師走 水原紫苑) [275-277]
平凡社ライブラリー版あとがき(二〇一六年十二月十七日 水原紫苑) [278-279]
参考文献 [280-284]