著者:牧野 成一[まきの・せいいち] (1935-) 言語学、認知言語学、日本語教育。
NDC:810 日本語
NDC:810.4
【目次】
はじめに [i-ii]
目次 [iii-vii]
序章 翻訳とは、つまり、何だろう 003
0-1 重訳も翻案も通訳も 003
0-2 本書の目的 004
0-3 消える音 005
第1章 こぼれ落ちる響き 007
1-1 詩を翻訳すると? 007
1-2 日本語の擬音語と擬態語の英訳はできるか 009
1-3 口蓋音と鼻音は心理的な距離感を表せるか 013
「ので」か、「から」か
第2章 ひらがな、カタカナ、漢字 019
2-1 4つの表記法 019
ひらがなのやさしさ
ウチか、ソトか
カタカナのジェンダー性
小説の技法として
2-2 原語の句読点は翻訳できるか 034
きのう借りた本を読んだ
2-3 書字方向――縦書きか、横書きか 038
「情緒的で湿った感じを避けたかった」
第3章 比喩は翻訳できるのか 045
3-1 直喩(シミリー) 048
3-2 隠喩(暗喩) 050
隠喩と宗教
3-3 擬人化 055
表れる共感 英語は擬人化を嫌う
3-4 提喩(シネクドキ) 062
3-5 換喩(メトニミー) 065
換喩は、省略ではない
3-6 創造的な比喩の翻訳 070
第4章 過去の話なのに、現在形? 075
4-1 現在形と過去形しかない日本語 075
4-2 意識の流れを、現在形で 079
4-3 リービ英雄の時制 081
4-4 日本語の再構成 084
第5章 日本語の数はおもしろい 091
5-1 「無数」とは? 091
ヒントは俳画のなかに
芭蕉、晩年の感慨
5-2 複数標示の「タチ」は一体何か 098
共感は、人間以外にも?
英語の「集合名詞」の場合
第6章 「ですます」が「である」に替わるとき 105
6-1 コミュニケーションの矛先 105
6-2 追憶の独り言 108
6-3 「発話権」に注目すると 111
6-4 モダリティはウチ形につく 114
第7章 受動文の多い日本語、能動文の多い英語 119
7-1 受動態の声 119
受動態の作り方
「自発自動詞」は受動態に使えない
英語は、能動の声を選ぶ
7-2 自発態の声 131
英語の自発動詞
7-3 可能形の声 138
「が‐可能形」と「を‐可能形」
自然に、偶然、無造作に
第8章 翻訳に見る「日本語」の文体 149
8-1 繰り返しと翻訳 149
「冗長」はマイナスか、プラスか
8-2 省くか、繰り返すか、それが問題だ 155
反復はアナログ、省略はデジタル
余白を解釈する
8-3 リズムと繰り返し 165
英語で反復が起こる場合
漱石の不自然な日本語
漱石と村上春樹の共通点
村上春樹の戦略
参考文献
日本語文献 [185-187]
英語文献 [187-189]
引用文芸作品 [189-190]