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『日本の中小企業――少子高齢化時代の起業・経営・承継』(関満博 中公新書 2017)

著者:関 満博[せき・みつひろ] (1948-)

【目次】
はじめに――事業所数の減少が続く中小企業 [i-v]
目次 [vi-xi]


第1章 減少する日本の事業所と中小企業 003
1 事業所数は一九九一年をピークに減少 004
  民営事業所の動向
  製造業事業所は一九八六年をピークに半減
  製造業、建設業などの縮小と医療・福祉の拡大
2 起業の停滞と廃業の増加 013
  中小企業は企業数で九九・七%、従業者数で七〇・一%
  九〇年代前半に廃業率が開業率を逆転
3 廃業と起業の難しさ 021
  重量級、3K色の強い部門から廃業が進む
  代替技術や新たな参入は考えにくい
  初期投資の大きい部門の新規創業は困難
  時代とともに変わる起業の領域
  多様な創業支援のための取り組み


第2章 既存事業部門で起業 031
1 機械金属工業部門での挑戦 032
 [インキュベーション施設で起業した基盤技術企業](花巻市起業化支援センターで独立・起業/創業五年で自前の工場を設置/従業員のレベルを上げ、他に負けないものを作る)
 [夫人に背中を押され、進出企業から独立](転職を重ね、精密研削に行き着く/プロファイルグラインダー1台で起業/世界の先端と向き合う)
 [「なくなっては困る」と言われ、倒産企業から起業](キサゲに出会い、倒産企業から独立創業する/大きな工場を借り、大型機械の修理も可能に)

2 新たな可能性を見て起業 048
 [衰退する国内アパレル部門で起業](旅行業からニット業界に入り、さらにオーダーニットの世界へ/北上に移転し、「作りながら売り、売りながら作る」/次第にリピーターが増える)
 [「食」の世界に新たな可能性を見る](飲食店が魚卸を始める/シャーベット氷で鮮魚を海外にまで輸送)
 [農家と消費者をつなぐ新たな可能性](農業資材販売店から出発/農業をめぐる新たな可能性に挑戦/ソーラーファームの取り組み、海外への進出)

3 成熟部門の起業の可能性 064
  機械金属工業部門の新規創業の可能性
  生活の質の変化と新しいサービスの可能性


第3章 新たな事業分野に踏み込む創業企業 067
1 大学発ベンチャー、ソフトウェア部門の企業 068
 [サッポロバレーの盛り上がり](ゲーム系ソフトで急成長/札幌のゲームソフト製作と人材/ゲームも踊り場、次の展開の必要性)
 [大学発ベンチャーとして起業し、拠点は徳島に](大学発ベンチャーとして出発/事業の輪郭/将来はIPOをめざす)
 [学生発ITベンチャーがインキュベーション施設を経て独立](茨城大学発、学生ITベンチャー企業/ユニキャストの仕組み/コクリエの仕組み)

2 農業・水産業周辺の取り組み 082
 [養殖ブリの挑戦](ブリ養殖の背景/和食の広がりに乗ってSQF認証の取得/水産の世界の変化)
 [女性たちによる合併旧町唯一の農産物直売所](女性たちが農産物直売所を展開/加工所を設置し、次に向かう/農山村、中山間地域に「希望」を
 [の尿から消臭剤を開発・販売](ホームセンターに持ち込まれた液体がブレイク/退職金代わりに権利を受け取り、創業/広がる可能性)

3 社会の変化が事業領域を広げる 100
  成熟時代の新規創業環境
  社会に対する若者の意識をどうしていくのか


第4章 事業承継が中小企業の最大の課題 105
1 中小企業の事業承継の現場 106
  従業員では個人保証できない
  承継の第一順位は「息子、娘、娘婿」
  第三者承継の場合

2 家族が承継していく 110
 [東京下町の町工場の事業と技能の承継](戦前に小山から出てきて修業し、墨田で独立創業/下町墨田の技術の承継/六角矢突き加工に励む/大都市中小企業集積の現在)
 [三代目が一社依存から幅広い展開をめざす](エンジン修理の機械加工から始まり、総合的になる/三代目が関東まで受注先を広げる/売上拡大と付加価値を高めていく課題)
 [四代目が地方発の世界的ファッション・メーカーへ](農家に羊二〜三頭を預け、横編みセーター用糸でスタート/「糸」素材にこだわる/アメリカの展示会でブレイク、寒河江の地にこだわる)

3 第三者承継の現状と可能性 127
 [創業者から第三者承継し、次に向かう](人材を求めて室蘭に進出\工場長に事業を承継/常に先端に立つ)
 [雇用を意識し、撤退企業を引き継いで起業](EBO・撤退企業を引き継いで創業/長野の親企業の一角を借りて四月初旬に再開/中小機構の事業用仮設施設に移る)
 [暮らしを守るために、閉鎖JA店舗を住民出資の株式会社で再開](人口減少、高齢化の中で、小中学校、診療所の閉鎖/株式会社としてスタートする/新たな可能性に向けて)

4 家族承継と第三者承継の未来 144
  家族承継の場合の課題
  第三者承継の課題と可能性


第5章 人口減少・高齢化、そしてグローバル化を前にして――現在の事業承継と取り組むべき課題 149
  現在の事業承継と取り組むべき課題

1 国内条件変化への対応 152
 [豊かな高齢者向けのビジネスモデルに転換](家業に戻り、新たな市場に気づく/「魚介王国三陸おのや」の展開/被災後、劇的に転換、次に向かう)
 [札幌郊外で七戸の農家が株式会社化](七戸の農家が法人化/新たな雇用を生み、農村女性に「希望」と「勇気」を/一〇年を経て、次に向かう)
 [故郷の活性化をめざす社会起業家](真空調理法による介護施設向け調理品をメインに/配食・買い物代行サービスの展開/ごようきき三河屋サービス)

2 グローバル化を受けた取り組み 169
 [沖縄で独立した二代目が本土と中国に進出](二六歳で父の会社から分離独立/南寧に着地、金属製品の総合的な工場を形成/沖縄の本社と工場)
 [二代目の兄弟が中国進出し、日本の五倍に](要素技術のプレス加工で進出/進出日系企業に注目され、急速に拡大/売上額が一〇年で二〇〇倍以上、日本の五倍に達する)
 [家業から離脱し、国内はM&A、海外で稼ぐ](父の会社から金型部門を分離させて独立/果敢にM&Aと海外展開を行う』/国内は幅を広げ、海外で稼ぐ)
 [京都の老舗三代目がオープンイノベーションの環境を整備](苦難の一〇年を経て、フィルム部門にたどり着く/ユーザーへ広く開放/先端に立ち続けるために)

3 「新たな事業」にしていくほどの構え 192
  チェンジングに向けた意識改革と実行力


終章 新たな構図へのチャレンジ 195
1 中小企業をめぐる新たな構図 196
  一九八五〜九二年を境に、中小企業の現場は別の国
  戦後の円相場の変転と製造業
  八五年以前の基本構図―― 一元一次方程式の時代
  「中国・アジア」という新たなグローバルな要素
  一九九二年以降の基本構図――多元連立方程式の時代

2 起業家、後継者から事業家に 205
  多くの事業は縮小、閉鎖に向かう
  新たな時代の方向を敏感に受け止め、自身を変えていく
  先端の現場に身を置いて、自身を振り返る


あとがき――中小企業は経済社会のエンジン [211-214]
参考文献 [215-216]