著者:池尾 和人[いけお・かずと](1953-) 金融論。日本銀行。
【目次】
目次 [003-006]
はしがき(二〇〇九年十二月 池尾和人) [007-010]
第1章 金融取引 011
1 金融取引の意義 012
金融取引とは
資金の移転
リスクの移転
2 審査と銀行確保 023
事前における審査の必要性
事後における監査の必要性
公募発行と私募発行
3 金融取引の様式 034
相対取引と市場取引
直接金融と間接金融
市場型間接金融
第2章 銀行システム 045
1 決済機構と貨幣 046
決済手段とは
決済機構の現状
システミック・リスク
2 信用創造のメカニズム 057
まず信用ありき
信用創造とハイパワード・マネー
マネーストックの概念
3 銀行危機の可能性 069
信用秩序の維持
預金者保護と取り付け防止
プルーデンス政策の制度設計
第3章 金融政策と中央銀行 081
1 金融政策の目標 082
新たな合意
中央銀行の独立性
裁量かルールかを超えて
2 金融政策の実体 094
操作目標――マネーか金利か
金利コントロール
金融政策の手段
3 金融政策の効果 104
金融政策の有効性
金融政策ルールとフィリップス曲線
利子率の期間構造
第4章 資産価格とそのバブル 115
1 資産価格の決定 116
現在価値と資産価格
キャッシュフローが不確実な場合
債券価格と株式価格
2 バブルの生成と崩壊 126
根拠なき熱狂
日本の経験
資産市場の情報発信機能
3 ミス・プライスの持続 138
エイジェンシー問題
裁定行動の限界
非伝統的な金融政策
第5章 日本の企業統治 151
1 企業統治と株主の権利 152
企業統治問題
支配株主と少数株主
敵対的企業買収の功罪
2 持合いとメインバンク 162
株式の持合い
メインバンク制
代表的監視者としてのメインバンク
3 企業統治の変質の再生 174
日本的経営と持ち合い
メインバンクと経営規律
経営規律の再構築
第6章 金融機能の分解と高度化 185
1 金融革新の進展 186
伝統的銀行業の衰退
ITファイナンス理論の発展
資産変換機能の本質
2 デリバティブ 196
先物とオプション
取引所取引とCTC取引
リスクを取引する意義
3 証券化の光と影 208
機能分解と資産流動化
証券化の仕組み
サブプライム・ローン問題
第7章 金融規制監督 221
1 事前規制とセーフティネット 222
自己資本比率規制
セーフティネット
モラルハザードと早期是正措置
2 資本市場とルール 234
市場ルールの必要性
不公正取引からの投資家保護
情報効率的な価格形成の維持
3 金融危機後の規制監督 245
政府の失敗
市場型システミック・リスク
規制監督体制の見直し
あとがき(二〇〇九年十二月 池尾和人) [257-260]
索引 [i-vi]
【メモランダム】
・本書の章構成には几帳面さが発揮されている。ひとつの章の内部には三つの節がたてられ、ひとつの節には三つの項……。一冊を通してこのルールが貫徹されている。