原題:Autisme,le gène introuvable: De la science au busines, 2012
著者:Bertrand Jordan (1939-) 分子生物学。
訳者:林 昌宏(1965-) 翻訳家。
解説:坪子 理美 行動遺伝学。
装丁:細野 綾子
NDC:493.76 心因精神病.機能的精神病
【目次】
目次 [001-003]
凡例 [004]
まえがき [005-008]
第1章 驚きの記事 009
自閉症の臨床的な意味
自閉症は疫病か
自閉症、精神分析、心理学
遺伝要因説を裏づける強力な証拠
遺伝学によって病気を理解し、治療法が見つかる?
第2章 遺伝学と精神医学の腐れ縁 019
ヒト遺伝学の大勝利
ハンチントン病の例
精神病に殺到する
派手な失敗
位置を突き止めることの難しさ
そうはいっても、研究は必要だ……
第3章 証拠に基づいて判断しよう! 033
アンテグラジャン社のインターネットサイトを閲覧
ホーム・テスト……あるいはホーム・ブリュー(自家醸造) ・テスト
文章の解釈
確言できるのか
「偽陽性」という危険性
メディア、科学論文、企業の広報との温度差
第4章 自閉症の概観――症状と原因 045
自閉症の兆候、あるいは自閉症という病気群の兆候……
脳機能イメージングの利用
機能的磁気共鳴画像(f M R I)という革命
自閉症の根源を探る
「冷蔵庫マザー」と母子関係の障害――「精神分析万能」時代
予防接種ワクチン、水銀、グルテン――環境に原因を求める
予防接種ワクチンという「陰謀」
グルテンとカゼイン――脳に対して有害か?
遺伝子の現実――きわめて強い影響をもたらすが、見つからない
第5章 自閉症を取り巻く環境――治療法 067
精神分析的なアプローチ
パッキングは、フランス特有の野蛮な行為か
自閉症と飲み薬
食餌療法という幻想
行動療法――大きな効果は得られないが、現実的な治療法
奇跡は起こらないが……療育は効果的である
第6章 アンテグラジャン社の反撃 081
厳しい批判に対して、法的措置に訴える
きわめて深刻な争点
がんとタバコ産業――きわめて参考になる例
あまり反響がなかったメディア・キャンペーン
証人としての召喚状と口頭弁論の報告書
厳しい判決
第7章 思いがけない招待 095
ジェノポールという恵はれた環境
医療産業
ベンチャー企業の混沌とした経営
アンテグラジャン社へ
アンテグラジャン社と「自前」の技術
開発された遺伝子検査の目的と限界
疑念は晴れず
第8章 ゲノミクスの第二の息吹 111
二つの道具
ゲノムワイド関連解析(GWAS)、「全ゲノム」関連研究の興隆
失われた遺伝率を求めて
塩基配列に助けを求めるか
すべてを単純化させる、エピジェネティクス
要するに
第9章 自閉症の新たな遺伝子 123
二〇〇五年に戻る
ゲノムスキャン――つながりは確認されたが、影響は弱い
「暗示的な」候補遺伝子
コピー数多型(CNV)の登場
自閉症には、さまざまな種類があるのか
遺伝学は、役に立つのか
アンテグラジャン社の貢献
しばしば脆弱な一連の遺伝子探し
有力な候補遺伝子ではあるが、遺伝学では、きちんと証明されない
アンテグラジャン社とその他の企業
第10章 自閉症市場 143
差し迫った要求
年間、どのくらいの検査回数があるのか
保護される特許権
効果的な商品化を目指して
アンテグラジャン社の科学的な貢献
内容がいとも簡単に変わる発表
アンテグラジャン社とトランスジェノミック社
さらに調べると
相変わらず冴えない検査の性能
駄目な検査の良い利用法
第11章 アンテグラジャン社を再訪 167
殺人犯は必ず犯行現場に戻る
まず、イェルク・ハーガー
自閉症など存在しない、中間表現型を主張
倫理面およびメディアの観点
ついにアンテグラジャン社を再訪
「非はあるが、責任はない」
自閉症のリスクに関する検査の目的と有用性
自信たっぷりの科学者たち
帰路
第12章 無駄な進歩か 185
幻想に満ちた医学の発展
検査も同じ
オンコタイブの歴史
医療費が膨張する理由
いかにして理性を保つのか
13章 自閉症は遺伝学で解決できるか 193
進化し続けるテクノロジー、抵抗する生体
メンデル型疾患の勝利の後、複雑な病気という迷宮に至る
自閉症は存在しないのか???
では、研究は何の役に立つのか
自閉症の子どもを抱える親へのメッセージ
謙虚になる必要性
註 [205-210]
詳細目次 [211-213]
解説(二〇一三年七月 坪子理美) [214-219]
訳者あとがき(二〇一三年八月 林昌宏) [220-221]
専門用語解説 [222-224]
参考資料――参考文献とウェブサイト [225-234]