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『植物はなぜ薬を作るのか』(斉藤和季 文春新書 2017)

作者:斉藤 和季[さいとう・かずき] 薬学。生薬学。
NDC:499.87 薬用植物.薬草園


文春新書『植物はなぜ薬を作るのか』斉藤和季 | 新書 - 文藝春秋BOOKS


【目次】
口絵写真 [i-iv]
目次 [003-012]


プロローグ 013


第一章 植物から作る薬 019
■古代から人類は植物が作る薬を使っ
てきた 020
  チンパンジーも薬を使っている
  薬の発見はセレンディピティーによる
■自然からの薬「生薬」 022
  「生薬」自然にもっとも近い薬
【コラム1】生薬にまつわる特有の言葉 
【コラム2】医薬品の規格を定めた『日本薬局方』 
  「生薬学」は薬学の源泉
  「本草学」は薬草についての知識
■薬はどのように天然物から開発されたのか? 029
  中国最古の薬物書『神農本草経』 
【コラム3】「神農本草経」における生薬の分類
  近代薬学はモルヒネの単離から始まった
  東西の薬に対する考え方の違い
  医薬学における要素還元主義
  東洋における全体システム主義
  医療における西洋と東洋の融合
  現在では医師の9割が漢方を使っている
【コラム4】生薬の作用や薬効について 


第二章 薬になった植物成分 043
■ケシを原料とする鎮痛薬モルヒネ 044
  ケシ坊主から採れるアヘン
  モルヒネの鎮痛作用
  なぜ、ケシはモルヒネを作るのか?
【コラム5】人間の脳内でもモルヒネは作られていた?
■解熱鎮痛薬アスピリンはヤナギの成分から 050
  ヤナギの成分サリシン
  アスピリンの作用を解明してノーベル賞受賞
【コラム6】薬が作用するメカニズム
  植物の全身に危険を知らせる
■タバコやコーヒーなどの嗜好品における植物成分 057
  ニコチンは猛毒
  ニコチンで昆虫や小動物を撃退
  お茶やコーヒーに含まれるカフェイン
  アレロパシー 
■天然甘味料となるグリチルリチンを含む甘草 065
  甘草は漢方で最も使われている生薬
  甘草の主成分グリチルリチンはサポニンの一種
  グリチルリチンの植物における役割
■植物からの万能薬――ポリフェノール 070
  ポリフェノールは代表的な植物成分
  抗酸化作用とはどういうもの?
【コラム7】 フレンチパラドックス 
  薬になったポリフェノール
  ポリフェノールの植物における役割
  乾燥と紫外線を防ぐフラボノイドとアントシアニン
  タンニンの渋み戦略
  植物の生長をコントロールするフラボノイド
■植物から得られる抗がん薬品 083
  臨床的に用いられている四つの抗がん薬
  ニチニチソウが作るビンカアルカロイド
  タイヘイヨウイチイから発見されたパクリタキセル(タキソール)
  キジュのエキスから作るカンプトテシン
  ポドフィルム属植物からのポドフィロトキシン
  毒性のある成分を作る植物への疑問


第三章 植物はなぜ薬を作るのか? 095
■植物の生存戦略が多様な代謝産物をもたらした 096
  「自然の恵み、植物からの贈り物」は大きな誤解?
  動けない植物の巧みな生存戦略
  生命が持つべき属性
  その1 同化代謝戦略――太陽エネルギーと土からの栄養による光合  
  その2 化学防御戦略――様々なストレスに対する化学兵器による防御
  植物の作る防御物質が薬になる理由
  敵を寄せつけない強い生物活性
    アトロピン
    ベルベリン
    グルコシノレート
【コラム8】「酵素」ってなに? 
  どんな敵にも対応できる豊富なバリエーション
  敵は虫や病原菌ばかりではない
  葉の形や向きを変えてストレスを避けることも
  化学成分でもストレス撃退
  栄養が足りなくなったときも植物成分が役立つ
  その3 繁殖戦略――化学成分で相手を引き寄せる
  夜、放たれる甘い香り
【コラム9】花粉症に処方される漢方薬
■植物は何種類の成分を作るのか? 119
  植物成分は何種類あるのか?
  地球上にある植物種の数
  一種の植物種に含まれるメタボローム
【コラム10】植物研究のモデルとなったシロイヌナズナ
  地球上の植物成分の数


第四章 植物はどのように薬になる物質を作るのか? 127
■植物は自然を汚さない精密化学工場 128
  個人的な経験から
  地球を汚さない緑の精密化学工場 
■一次代謝と二次代謝(特異的代謝) 131
  一次代謝はどの生物種にも共通している
【コラム1】地球上で一番多いタンパク質は「ルビスコ
  最低限生きるための一次代謝産物
  よりよく生きるための二次(特異的)代謝産物
  二次(特異的)代謝は何のためにある?
■植物の二次代謝経路から作られる成分とは 138
  共通の前駆体で分類される
  主な二次代謝経路は五つ
  ①ポリケチド経路――便秘に効く大黄やアロエの成分はこの経路から
  ②シキミ酸経路ースパイスや心地よい香りの芳香成分を作る
  ③イソプレノイド経路――柑橘類やハッカ、樟脳、甘草、ジギタリスなどの多様な植物成分を生み出す
【コラム2】 アルテミシニンの発見でノーベル賞受賞
  ④アミノ酸経路―モルヒネ、ニコチンなどアルカロイドを生成
  ⑤複合経路――抗酸化性フラボノイドやキニーネ、抗がん薬の成分を
作る」


第五章 植物の二次代謝と進化のしくみ 155
■植物はなぜ、自らが作る毒に耐えられるのか? 156
  毒性成分に対する自己耐性のしくみ
  毒を液胞に隔離してしまう
  細胞の外や隣の蓄積空洞に吐き出す
  標的タンパク質を変異させる
  カンプトテシンを作る植物の自己耐性―新しい仮説
  酵素に突然変異が!? 
  突然変異は人間の耐性がん細胞にも起きていた
  カンプトテシンを作る植物の中で同じような変異が
  進化の途中にある植物種
  抗がん薬の耐性を予知できる?
■新たに分かってきた進化のしくみ 176
  アミノ酸代謝から分岐してアルカロイドを作る
  ルピナスのスイート変種とビター変種
  ビター変種だけに発現する酵素遺伝子
  シダ植物でも同じ進化が起こっていた
  生合成遺伝子群がクラスターとしてゲノム上に集まる
  なぜクラスターを作っているのか?
■進化における植物成分と摂食動物の相互協力的 185
  トウガラシのカプサイシンと鳥の奇妙な協力関係
  ジャガイモの毒とアンデスビクーニャの関係


第六章 バイオテクノロジーと植物成分 189
■植物のゲノム構成 190
  植物細胞の中では
  核染色体ゲノム
  葉緑体ミトコンドリアのゲノム
【コラム3】植物ゲノム研究における日本人の貢献
■ゲノミクスからの発展――すべてを見るオミクス 197
  「オーム」と「オミクス」のもたらした革新的進歩
  オミクスによって遺伝子機能を決める
  メタボロミクスによってわかること
■植物の遺伝子組換えとゲノム編集 205
  遺伝子組換えとそのインパク
  遺伝子機能を決める逆遺伝学
  私たちの生活と遺伝子組換え植物
【コラム4】植物バイオの巨星
  青いバラ――夢はかなう
  パープル・トマトで長生きできる?
  今、話題のゲノム編集とは?
■遺伝子を使って微生物で植物成分を作る 214
  抗マラリア薬アルテミシニンを作る
  甘草の甘味成分グリチルリチンを作る


第七章 人類は植物とどのように相互共存してくべきか? 219
  地球を汚さない精密化学工場
  生物多様性とゲノム多様性
  生物多様性ホットスポット
  新薬の6割は天然物からのヒント
  遺伝資源の持続的な利用とCOP10
  宇宙船地球号を支える植物――未来に向けて


エピローグ 230


参考文献一覧 [236-239]