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『通天閣――新・日本資本主義発達史』(酒井隆史 青土社 2011)

著者:酒井 隆史[さかい・たかし] (1965- ) 社会学、社会思想史。
備考:博士論文
NDC:216.3 日本史(近畿地方


青土社 ||哲学/思想/言語:通天閣


【目次】
目次 [001-004]
題辞 [006]


序 007


第一章 ジャンジャン町パサージュ論 
第一節 新世界! 新しい世界! 012
  1 還って来た男――小野十三郎、大阪に帰る
  2 古き世界の上に
  3 戦時下の遊歩者〔フラヌール〕
  4 電気広告塔
第二節 抗争、新世界 047
  1 侠客たちの博覧会
    侠客たちの博覧会
    小林授産場
    侠客列伝――小林佐兵衛こと明石屋萬吉
    クリアランス小史、あるいは逃亡の地図(1)――博覧会前後
  2 見世物と暴動――第五回内国勧業博覧会
  3 大阪土地建物会社とルナパーク
  4 初期新世界風雲録
    侠客群像
    ルナパークの凋落
    住民・対・大土地
    起死回生
  5 キナ臭い動き
第三節 水漏れする装置 119
  1 ジャンジャン町の誕生
  2 私娼、公娼、「生活不安」
  3 愚ナパーク・死ンジゲート
    岩下清周、小林一三、高倉藤平
    高倉藤平小伝
    思惑筋の高倉藤平
    『大阪日日新聞』による猛攻
  4 二つの土地開発
    ジャンジャン町パサージュ論
注 161


第二章 王将――阪田三吉と 「ディープサウス」 の誕生 
第一節 阪田三吉モンタージュ 180
  1 「天王寺の長屋」の阪田三吉
  2 「阿呆なトラブル」
  3 虚構と歪曲、その論理
第二節 夕陽丘の将棋指し 201
  1 棋道半世紀
  2 素人名人、阪田三吉
    クリアランス小史、あるいは逃亡の地図(2)――旧長町初期クリアランス
    燐寸工場と「今池」長屋
  3 将棋指しとマッチ工場主
第三節 将棋の王様 244
  1 身ぶりの人
  2 9四歩の青春
  3 沈黙と復活――伶人町(夕陽丘)以後
    南禅寺の一戦まで
    最後の決戦
  4 阪田三吉大大阪
    おわりに
注 275


第三章 わが町――上町台地ノスタルジア 287
  1  288
  2  296
  3  310
  4  318
  5  326
注 333


第四章 無政府的新世界 
第一節 借家人同盟、あらわる 338
  1 1921(大正10)年2月14日、中之島中央公会堂
  2 借家人同盟の地理学(1)
  3 騒然性、収斂と分岐――中之島天王寺米騒動
第二節 Trans Pacific Syndicalism / Trans Pacific "New World" 369
  1 荒畑寒村と和田久太郎 
  2 「主義者」たちの 〈新世界〉 
    戎館での会合
    「出眼金」と「遊侠社」
  3 Trans Pacific Syndicalism 
  4 「訴訟狂」逸見直造 
    (一)過払電燈料金返還訴訟
    (二)有価証券交換請求訴訟
  5 IWW【Industrial Workers of the World 世界産業労働者組合】とサンフランシスコ大地震――アナルコ・サンジカリズムへの二つの契機 
  6 1922(大正11)年の野武士組
    野武士組の登場
    荒畑寒村との交流
    春乃家の会合――総連合への布石
    女給同盟と野武士たち
    「一大組合〔ワン・ビッグ・ユニオン〕」にむけて――いわゆる「アナボル」分裂へ
  7 縦断と横断
  8 「サンジカリズム」の地理学
第三節 借家人の精神からの社会的なものの誕生 453
  1 「ヘンミ」の記憶
  2 長屋経営から「店子の思想」へ
  3 借家人同盟結成まで――水崎町の「労働者無料法律相談所」
  4 家主・対・借家人
  5 借家人の戦術
    値上げ訴訟と値下げ訴訟
    借家人の戦術としての家賃〔レント〕ストライキ
    家主階級・対・借家人階級
  6 「部落」か「方面」か
    借家人同盟の地理学 パート2
  7 社会的なものの上昇
  8 「部落」か、「方面」か――パート2
    方面委員に映しだされた逸見直造
  9 方面委員、借家人同盟、侠客――都市に埋め込まれた三つの調停機能
    むすび――1つの時代の終わり 
注 531


補論 外骨の白眼/蜂の巣、蜘蛛の巣、六道の辻――クリアランス小史、あるいは逃亡の地図(3) 561
補論1 外骨の白眼〔しろめ〕  562
  1 『滑稽新聞』・対・博覧会
  2 『滑稽新聞』・対・悪弘黒眼
  3 「新聞王」 吉弘白眼
  4 二つの焦点――『大阪日報』と『滑稽新聞』
 補論2 蜂の巣、蜘蛛の巣、六道の辻――クリアランス小史、あるいは逃亡の地図(3) 598
  1 「蜂の巣」掃討作戦
  2 犬殺し――下層階級と危険な階級
注 616


第五章 飛田残月 
第一節 湿った底に 620
  1 遊郭前史
  2 飛田遊郭指定――私娼の制圧?
  3 大門通り
  4 廊〔くるわ〕のなか
  5 旭通り
第二節 敷居の町 661
  1 複数形の通天閣
  2 湿度と倦怠
  3 白昼の幻覚
  4 さまよう女
  5 敷居の町
  おわりに
注 705


参考文献 [714-727]
あとがき(二〇一一年一〇月ニ七日 酒井隆史) [729-734]
人名索引 [i-vi]