著者:酒井 隆史[さかい・たかし] (1965- ) 社会学、社会思想史。
備考:博士論文。
NDC:216.3 日本史(近畿地方)
【目次】
目次 [001-004]
題辞 [006]
序 007
第一章 ジャンジャン町パサージュ論
第一節 新世界! 新しい世界! 012
1 還って来た男――小野十三郎、大阪に帰る
2 古き世界の上に
3 戦時下の遊歩者〔フラヌール〕
4 電気広告塔
第二節 抗争、新世界 047
1 侠客たちの博覧会
侠客たちの博覧会
小林授産場
侠客列伝――小林佐兵衛こと明石屋萬吉
クリアランス小史、あるいは逃亡の地図(1)――博覧会前後
2 見世物と暴動――第五回内国勧業博覧会
3 大阪土地建物会社とルナパーク
4 初期新世界風雲録
侠客群像
ルナパークの凋落
住民・対・大土地
起死回生
5 キナ臭い動き
第三節 水漏れする装置 119
1 ジャンジャン町の誕生
2 私娼、公娼、「生活不安」
3 愚ナパーク・死ンジゲート
岩下清周、小林一三、高倉藤平
高倉藤平小伝
思惑筋の高倉藤平
『大阪日日新聞』による猛攻
4 二つの土地開発
ジャンジャン町パサージュ論
注 161
第二章 王将――阪田三吉と 「ディープサウス」 の誕生
第一節 阪田三吉のモンタージュ 180
1 「天王寺の長屋」の阪田三吉
2 「阿呆なトラブル」
3 虚構と歪曲、その論理
第二節 夕陽丘の将棋指し 201
1 棋道半世紀
2 素人名人、阪田三吉
クリアランス小史、あるいは逃亡の地図(2)――旧長町初期クリアランス
燐寸工場と「今池」長屋
3 将棋指しとマッチ工場主
第三節 将棋の王様 244
1 身ぶりの人
2 9四歩の青春
3 沈黙と復活――伶人町(夕陽丘)以後
南禅寺の一戦まで
最後の決戦
4 阪田三吉の大大阪
おわりに
注 275
第三章 わが町――上町台地ノスタルジア 287
1 288
2 296
3 310
4 318
5 326
注 333
第四章 無政府的新世界
第一節 借家人同盟、あらわる 338
1 1921(大正10)年2月14日、中之島中央公会堂
2 借家人同盟の地理学(1)
3 騒然性、収斂と分岐――中之島、天王寺、米騒動
第二節 Trans Pacific Syndicalism / Trans Pacific "New World" 369
1 荒畑寒村と和田久太郎
2 「主義者」たちの 〈新世界〉
戎館での会合
「出眼金」と「遊侠社」
3 Trans Pacific Syndicalism
4 「訴訟狂」逸見直造
(一)過払電燈料金返還訴訟
(二)有価証券交換請求訴訟
5 IWW【Industrial Workers of the World 世界産業労働者組合】とサンフランシスコ大地震――アナルコ・サンジカリズムへの二つの契機
6 1922(大正11)年の野武士組
野武士組の登場
荒畑寒村との交流
春乃家の会合――総連合への布石
女給同盟と野武士たち
「一大組合〔ワン・ビッグ・ユニオン〕」にむけて――いわゆる「アナボル」分裂へ
7 縦断と横断
8 「サンジカリズム」の地理学
第三節 借家人の精神からの社会的なものの誕生 453
1 「ヘンミ」の記憶
2 長屋経営から「店子の思想」へ
3 借家人同盟結成まで――水崎町の「労働者無料法律相談所」
4 家主・対・借家人
5 借家人の戦術
値上げ訴訟と値下げ訴訟
借家人の戦術としての家賃〔レント〕ストライキ
家主階級・対・借家人階級
6 「部落」か「方面」か
借家人同盟の地理学 パート2
7 社会的なものの上昇
8 「部落」か、「方面」か――パート2
方面委員に映しだされた逸見直造
9 方面委員、借家人同盟、侠客――都市に埋め込まれた三つの調停機能
むすび――1つの時代の終わり
注 531
補論 外骨の白眼/蜂の巣、蜘蛛の巣、六道の辻――クリアランス小史、あるいは逃亡の地図(3) 561
補論1 外骨の白眼〔しろめ〕 562
1 『滑稽新聞』・対・博覧会
2 『滑稽新聞』・対・悪弘黒眼
3 「新聞王」 吉弘白眼
4 二つの焦点――『大阪日報』と『滑稽新聞』
補論2 蜂の巣、蜘蛛の巣、六道の辻――クリアランス小史、あるいは逃亡の地図(3) 598
1 「蜂の巣」掃討作戦
2 犬殺し――下層階級と危険な階級
注 616
第五章 飛田残月
第一節 湿った底に 620
1 遊郭前史
2 飛田遊郭指定――私娼の制圧?
3 大門通り
4 廊〔くるわ〕のなか
5 旭通り
第二節 敷居の町 661
1 複数形の通天閣
2 湿度と倦怠
3 白昼の幻覚
4 さまよう女
5 敷居の町
おわりに
注 705
参考文献 [714-727]
あとがき(二〇一一年一〇月ニ七日 酒井隆史) [729-734]
人名索引 [i-vi]