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『戦争学原論』(石津朋之 筑摩選書 2013)

著者:石津 朋之[いしず・ともゆき](1962-) 戦争学・平和学、国際政治史。
シリーズ:筑摩選書;63
NDC:391 戦争、戦略、戦術。


筑摩書房 戦争学原論 / 石津 朋之 著


【目次】
目次 [003-008]
はじめに(二〇一三年三月 石津朋之) [011-016]


序章 戦争は学問たり得るか 017
  学問としての戦争
  戦争と社会の関係性
  戦争学とは何か
  戦略学とは何か
  アメリカの戦略学
  イギリスの戦略学
  今日の戦略学への批判
  戦略学には何が必要か
  日本の現状
  戦争学の確立へ


  第I部 戦争の本質を考える 

第1章 戦争とは何か 040
  戦争の「政治性」――クラウゼヴィッツの戦争観
  クラウゼヴィッツからデルブリュックへ
  文化としての戦争
  クレフェルトのクラウゼヴィッツ批判
  戦争の多面性
  戦争文化とは何か
  なぜ戦争文化は重要なのか
  クラウゼヴィッツの限界
  われわれの内にひそむ女神ベローナ
  戦争をめぐるパラドクス
  パラドクスについて
  戦争とは何か――『文明と戦争』を手掛かりとして


第2章 戦争の起源と原因を考える 079
  アインシュタインへのフロイトの返答
  戦争の起源――「いつ」
  戦争の原因――「なぜ」
  国際政治学から考える戦争の原因
  国際システム
  二国間関係
  国家の内在的要因
  歴史学から考える戦争の原因
  心理学(精神分析学)から考える戦争の原因
  生物学(動物行動学)から考える戦争の原因
  国家の存在から考える戦争の原因
  戦争の原因をめぐるトゥキュディデスの「三要素」
  「利益」
  戦争の合理性?
  「恐怖」
  「名誉」
  戦争をめぐる謎
  ヤヌスの表層に隠された本質


第3章 平和とは何か 127
  平和と戦争
  安全保障とは何か
  安全保障の意味は時代や環境と共に変化する
  平和の定義を考える
  ガルトゥングの平和論
  平和主義思想の主要な形態
  誰にとっての平和を語っているのか
  対平和主義の葛藤
  カントの『永遠平和のために』について
  「民主主義による平和論」?
  社会の変化もしくは経済的相互依存関係?
  「平和のためには戦争を」あるいは「戦争に出番を与えよ」
  平和のためにこそ戦争が存在する
  平和とは秩序である
  平和を考える


第4章 戦争の勝利とは何か 169
  戦争の「決定的勝利」とは何か
  「決定的勝利」獲得の条件
  勝利獲得の失敗
  幻想としての勝利?
  勝利のための七つの要因
  何が戦争の勝利と敗北を分けるのか
  ナポレオンの登場以前の戦争
  ナポレオン戦争
  「技術」
  「個人の資質(リーダーシップ)」
  「広義の意味での社会」
  ロジスティクスについて
  「シュリーフェン計画」の再評価
  ロンメルの敗因
  戦争の不可測な要素
  ロジスティクスの諸相
  戦争と社会のあり方


  第II部 戦争と社会の関係性を考える

第5章 戦争の様相と社会の変化 208
  継続される戦争
  総力戦という言葉の登場
  総力戦の萌芽
  第一次世界大戦への道
  第一次世界大戦前夜の「時代精神
  総力戦と社会の変化
  「戦争の全体主義制度」の完成 


第6章 戦争の機能と役割 226
  戦争が推進する社会の変化
  総力戦とは何か
  マーウィックによる社会変化の四つの側面
  機能論の問題点
  「システム社会」と社会の編成替え
  「国家の拡大」と「平準化」
  「経営された経済〔マネージド・エコノミー〕」
  「一九四〇年体制」
  総力戦の遺産 


第7章 戦争指導とは何か 250
  言葉をめぐる混乱
  ルーデンドルフの『総力戦』
  「総力戦理論」の五つの要素
  次なる戦争への青写真
  ルーデンドルフと戦争指導
  ゴルツと『交戦及統帥』
  ゴルツとその思想
  「国民戦争」とドイツの対応
  ゴルツとクラウゼヴィッツのあいだ
  「ナポレオン・ルネサンス
  ベルンハルディとドイツ軍国主義
  戦争と「時代精神
  戦争指導の多義性
  軍人による戦争指導、あるいは軍人を中心とした戦争指導
  文民政治家による戦争指導に必要なもの


第8章 国家戦略を考える 280
  戦略について
  戦略の「四つの側面」とその諸相
  戦略の「三つのレベル」と戦略学の課題
  「戦争(戦略)文化」
  ローマ流の戦争方法
  ビザンツ流の戦争方法
  イギリス流の戦争方法
  アメリカ流の戦争方法
  「日本流の戦争方法」の構築に向けて
  石原莞爾と佐藤鐡太郎
  「日本流の戦争方法」をめぐる試論
  「間接アプローチ戦略」としての「日本流の戦争方法」


終章 戦争の将来像を考える 313
  戦争は「時代遅れ」なのか
  戦争は人類が営む一つの活動であり、事象である
  「ポストヒロイック・ウォー」――犠牲者なき戦争
  戦争とマスメディア
  大国はどこに行ったのか
  「非三位一体戦争」あるいは「非政治的な戦争」
  主権国家の逆襲
  戦争の将来像を探るための諸概念
  「技術」の限界
  戦争の多様性、非対称性、感受性、正当性
  民主主義と対破壊転覆活動戦争の歴史
  戦争を考察するための五つの視点
  「時代精神」とは何か
  戦争を「囲い込み」、「飼い慣らす」


おわりに――戦争学の可能性 355
  三人の戦争詩人
  戦争をいかに捉えるか
  問題の解決に向けて


主要参考文献――和書を中心に [367-378]