編者:瀧川 裕英[たきかわ・ひろひで](1970-) 法哲学。
著者:岡﨑 晴輝[おかざき・せいき](1968-) 政治理論、比較政治学。
著者:古田 徹也[ふるた・てつや](1979-) 近現代の哲学・倫理学(Ludwig Josef Wittgenstein研究)。
著者:坂井 豊貴[さかい・とよたか](1975-) 社会的選択理論、マーケットデザイン、メカニズムデザイン。
著者:飯田 高[いいだ・たかし](1976-) 法社会学、法と経済学。
シリーズ:信山社新書 - 法と哲学新書;02
件名:社会科学
件名:法と哲学
件名:偶然性
件名:平等
NDC:300 社会科学
NDC:321.1 法哲学
くじ引きしませんか? ― デモクラシーからサバイバルまで - 信山社出版株式会社 【伝統と革新、学術世界の未来を一冊一冊に】
【目次】
はしがき[瀧川裕英] [iii-x]
目次 [xi-xvi]
1 くじ引きは(どこまで)公正なのか――古代と現代における空想的事例をめぐって[古田徹也]
はじめに 003
I 古代ギリシアにおける「くじ」 005
1 世界分領神話とくじ引き
2 「神意」としてのくじ
3 プラトンの〈エルの神話〉におけるくじ引きの役割
4 プラトンの国制構想におけるくじ引きの役割
5 くじ引きの背景① ――誰がなぜ、いつくじ引きを行うと決めるのか
6 くじ引きの背景② ――くじ引きによって何が、誰の間で割り当てられるのか
7 くじ引きの背景③ ――「いかさま」の可能性をどう考慮すべきか
II 現代における「臓器くじ(サバイバル・ロッタリー)」 046
1 「臓器くじ」とは何か
2 「臓器くじ」におけるくじ引きという方法それ自体をめぐる諸問題
3 現代においてくじ引きに対して向けるべき姿勢
注・参考文献 057
2 選挙制・任命制・抽選制[岡﨑晴輝]
I 抽選制議会 063
1 抽選制議会論の争点
2 選挙制議院+抽選制議院の擁護
II 抽選制市民院の構想 071
1 選挙制参議院から抽選制市民院へ
2 抽選制市民院の効用
3 憲法改正の問題
〈中間考察〉 077
III 抽選官僚制 080
1 抽選制の自由主義的可能性
2 混合抽選制の擁護
IV 抽選官僚制の構想 087
1 最高裁判所への適用
2 内閣法制局への適用
3 その他の公職への適用
結語
注・引用文献 099
3 くじ引き投票制の可能性[瀧川裕英]
I 選挙と抽選 109
1 くじと民主制
2 くじ引き投票制
3 くじ引き投票制の利点と欠点
II 人数問題 119
1 総和
2 追加
3 総和と追加
4 均等確率説
5 公平確率説(個人くじ)
6 くじ引き投票制と公平確率説
III 事前くじと事後くじ 136
1 抽選が先か、投票が先か
2 事前くじと事後くじの相違
3 事後くじの優位?
IV 事前くじの可能性 141
1 ミニ・パブリックスと事前くじ
2 裁判員制度と事前くじ
3 事前くじの優位性
4 事前くじの欠陥
5 事前くじの擁護
6 くじに対する信頼
注・参考文献 157
4 投票かじゃんけんか?[坂井豊貴]
はじめに 169
1 ギバード・サタスウェイトの不可能性定理 170
2 くじの導入による不可能性の回避 174
3 票数に比例する確率で決定 177
4 おわりに 180
引用文献 182
5 くじによる財の配分――リスクの観点から[飯田 高]
I はじめに 185
II リスク選好 188
1 リスク選好とは
2 損失の回避
3 リスク選好に影響する諸要素
III くじによる決定はどれくらい支持されるか――社会調査データの分析 202
1 調査の概要と集計結果
2 くじに対する態度の分析
IV 考察とまとめ 213
1 くじは「平等」か
2 くじによる決定の望ましさ
V おわりに 220
注・引用文献 221
執筆者紹介 [233]
奥付 [235]
人類と書物の受難の時代に――〈法と哲学〉新書の創刊に寄せて 井上達夫(二〇二二年五月) [236-237]