著者:NHK取材班[えぬ・えいち・けい・しゅざいはん]
NDLC:EL75
NDC:366.89 労働経済.労働問題
【目次】
はじめに
第一章 最下層労働者たちの実態――シェルターで見た奴隷労働
1 「使い捨て」の実態
「日本で働く外国人」「外国人労働者」
実習生の駆け込み寺
体を壊すまで働かされる
仕送りをできないことが辛い
のらりくらりと逃げる事業主
「それでも日本人はすばらしいですよ」
2 人権を無視した「奴隷制度」
開設後二か月で満室になったシェルター 時給三〇〇円の仕事
すべての希望が不幸に変わった
シェルターでひっそり暮らす実習生たち
「強制帰国」の恐怖
制度を逆手にとった人権無視
シェルターに避難相次ぐ実習生
逃げてきた女性 実習生を縛る保証金
週末の残業を断れない
「日本に行きたい人がいても止める」
3 国際社会からの糾弾
不正行為が頻発する背景
「徐涛日記」の波紋
いまだ支払われない未払い金
日記が国連を動かした
第二章 外国人受け入れの建前と矛盾――それでも日本で働きたい?
1 技能実習制度の矛盾
〝外国人労働者〟四つの類型
技能実習制度成立の経緯
技能実習とは?
2 変貌する「外国人労働」の現場
八〇年代の「熱気」
九〇年代以降の変化
仕方なく雇っている
日本の労働力不足は実習生で補えるのか
3 アジア人材争奪戦における日本
世界で起こる人材の争奪戦――国際労働力移動
日本に外国人労働者が来なくなる?
労働力が他国に奪われる
動き始めた「戦略特区」に向けた検討
失踪して「不法就労」そして「偽装結婚」
「偽装難民」が日本に押し寄せる?
4 人手不足を補う実習生
北海道旭川市の建設会社
待遇改善が育む労働意欲
スカイプで事前面接
実習生が後押しするグローバル展開
福島県いわき市の水産加工会社
Win-Winの関係を築く
実習生たちが抱える切実な事情
第三章 「共生」社会を目指して――二〇二〇年の労働力 どうなる?
1 見直される外国人受け入れの指針
特区から始まった改革
国の方針の大転換
「単純労働者」の受け入れに抵抗してきた日本社会
2 新しい“格差”――多重格差社会
外国人労働者の子どもたち
両親の離婚後、貧困に
中学卒業後、働きに
祖国パキスタンへ帰った父
もらいものの冷蔵庫
親世代より深刻化する貧困
自力で貧困を乗り越えた「二世」たち
いじめや差別を越えて
弟の想い
兄弟一緒の卒業式
それぞれの道へ 弟への手紙
3 外国人と「共に暮らす」社会へ
社長はバングラデシュ出身
最初は食べるのにも困っていた
CHO-REI から始まる一日
日本では日本のルールに従う
日本語が不自由でも働ける仕組み
会社にモスクを造った にぎやかな食事の時間
祭りで神輿をかつぐ外国人たち
忘年会、そして社員旅行
家族ごと支える
日本で亡くなったインド人
働く外国人の思い
おわりに