contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『IQってホントは何なんだ?――知能をめぐる神話と真実』(村上宣寛 日経BP 2007)

著者:村上 宣寛[むらかみ・よしひろ](1950-) 心理学(認知心理学、統計分析、性格測定)。登山家。
装丁:木継 則幸[きつぎ・のりゆき](1971-) アートディレクショングラフィックデザイン。株式会社インフォバーン・デザイン。
NDC:141.1 普通心理学.心理各論


IQってホントは何なんだ? | 日経BOOKプラス


【目次】
目次 [002-005]


第1章 知能とは何か 007
なぜか少ない知能の本
高いIQは自慢できるのだろうか
昔の学者はどう考えたか
学者たちの定義をまとめると
知能の定義のトドメ
人々は知能をどう捉えているか
6カ国に共通した“頭の良い人”像
専門家はメタファーで理解する
辞典の記述をのぞいてみる


第2章 知能を測る 029
今度は知能指数の問題
ヴントの時計
グリニッジ天文台の解雇事件
正規分布の発見
精神テストの誕生
精神テストの完成
破綻した精神テスト
知能テストの誕生
ビネ、シモンが初めて知能を測定
知能指数 IQ概念の登場


第3章 知能は幾つあるのか 057
メタファーの戦い
スピアマンの一般知能
因子とは何か
サーストンの基本能力因子
ギルファドの立方体モデル


第4章 新しい知能理論 067
教科書作りの裏事情
キャテル―ホーン―キャロルの知能理論
知能因子の集大成
ガードナーの多重知能理論
タンバーグの三頭理論
知能理論はどこに向かうのか


第5章 知能テストはどのようなものか 091
IQテストをやってみよう
知能テストの来歴と現状の概観
個別式知能テストから集団式知能テストへ
陸軍α、およびビネからウェクスラ式へ
WAIS-IIIの問題構成
テスト問題はどんな知能を測るのか
日本版WAIS-IIIは大丈夫か
WISC-Rはもっとひどかった


第6章 頭の大きさと回転の速さ 115
頭の大きい人は賢いか?
脳波の周波数が高ければ脳は“高速”か?
頭の回転の速さとは
「反応時間」と「点検時間」の測定装置
反応時間の本格的な実験
点検時間も相関あり
点検時間は脳のどこで処理されるのか


第7章 年をとると知能は衰えるのか 120
どのように研究するか――三つの方法
知能は果たして衰えるのか
ウェクスラによる研究
学校教育の影響を統制
シアトル縦断研究
生存率調査の衝撃
史上最大の知能調査が行われた
年齢によって何が減退するのか


第8章 遺伝で知能が決まるか 151
ことわざから
差別と偏見のただ中で
カリカック家
行動遺伝学への転換
説明のための単純なパス・モデル
家族研究から
年齢による変化を考慮する
データベースを調べると
遺伝子がすべてを決定するのか
遺伝率のまとめ


第9章 知能の人種差と男女差 175
論争の書『ベル・カーブ』の主張
世界中でIQが上昇している
『ベル・カーブ』は鳴り止まず
そのデータを検証してみる
なぜIQが上昇するのか
男は女より頭が良いか
男女差のみが関心を呼ぶ
総合IQでは差はない


第10章 知能テストと勤務成績 195
知能テストは採用に役立つか
勤務成績を予測する
SPIの予測力は小さい。
なぜ、こんなに予測力がないのか
雇って正解、雇わずに失敗


付録A 統計知識の補足 213
  相関係数の意味
  回帰分析の意味
  共分散構造分析とは


あとがき [227-230]





【関連記事】
・ A Very Short Introductionシリーズの入門書。日本語版解説が充実している。
『1冊でわかる 知能』(Ian J. Deary著 繁桝算男訳 岩波書店 2004//2001)
 そして本書(村上『IQってホントは何なんだ?』)88-89頁では、Deary『1冊でわかる 知能』に付された「訳者あとがき」の相関研究への筆致が、不正確ではなにせよ日本の学界の雰囲気に迎合している面があると否定的に言及されてもいる……。