著者:岡村 圭子[おかむら・けいこ](1974-) 社会学、社会情報学(異文化間コミュニケーション論、ローカル・メディア論)。
リーズ:Sekaishiso seminar
件名:文化
件名:国際理解
NDLC:EC211
NDC:361.5 社会学
備考:博士論文の前半を再構成・加筆したとのこと
グローバル化は文化の多様性を踏みにじるだけか。文化的差異を承認するとはいかなることか。様々な差異を抱えながらも、いかにして文化はひとつのユニットとして成立しているのか。新たな異文化論を求めて、社会情報学的視座からの論究。
【目次】
目次 [i-iv]
序章 異文化論の出発点 001
1 異文化探しの旅 001
2 本書の構成について 005
第I部 グローバル社会と文化的差異
第1章 「文化論」再考 012
1 異文化へのまなざし――異文化と自文化の出会い 012
2 文化と差異 020
内なる異文化
異文化間の差異
3 境界と相互行為 028
第2章 マルチカルチュラリズムのアポリア 032
1 グローバル社会とマルチカルチュラリズム―― internationalからglobalへ 033
2 マルチカルチュラリズムの理念と多文化社会 036
3 分裂か統合か? 039
4 文化的差異は承認されているか?――みせかけの承認 044
文化の内なる差異について
異文化間の差異について
5 差異を「自覚すること」――多文化教育の試み 057
多文化教育のねらい
同化不可能な現実と多文化教育
「カリキュラム」を問い直す
多文化教育の将来性
6 結語 076
第II部 「ローカルなもの」の成立をめぐって
第3章 文化単位の生成 080
1 「文化単位」という考え方から見えるもの 082
2 異文化関係としての「われわれ」と「かれら」 085
「われわれ」関係を可能にするもの
自他関係から異文化関係へ――「わたし」のことは「われわれ」のこと
3 異文化間の「距離」 092
異文化間の境界とその可変性
「小さな世界」のなかの異文化
異文化間の「距離」の計測
4 内在的時間のフォーマット化と比較可能性 103
「われわれ」をとりまく社会的事実――リアリティの二つの側面
外在的時間と内在的時間
再―差異化とフォーマット
第4章 グローバリゼーションとローカリゼーションの相補性 116
1 遠心力と求心力の社会現象 117
情報技術とグローバリゼーション
経済とグローバリゼーション
近代社会とグローバリゼーション
文化とグローバリゼーション
2 記号の流れとしてのグローバリゼーション 131
記号と文化単位
文化単位の成立、そして維持
3 異文化間の比較可能性――境界の創出 137
4 比較可能性と文化相対主義 141
5 グローバリゼーション研究と異文化論 149
第5章 異文化論から考える「地域文化」 153
1 記号の流れと地域文化 153
2 「谷根千」について 154
3 谷根千は下町コミュニティか? 156
4 創られる地域文化 161
おわりに 異文化なき異文化研究からの脱却 164
注 [169-195]
あとがき(二〇〇三年六月 著者) [196-199]
文献リスト [200-218]