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『グローバル社会の異文化論――記号の流れと文化単位』(岡村圭子 世界思想社 2003)

著者:岡村 圭子[おかむら・けいこ](1974-) 社会学、社会情報学(異文化間コミュニケーション論、ローカル・メディア論)。
リーズ:Sekaishiso seminar
件名:文化
件名:国際理解
NDLC:EC211
NDC:361.5 社会学
備考:博士論文の前半を再構成・加筆したとのこと


グローバル社会の異文化論 - 世界思想社

 グローバル化は文化の多様性を踏みにじるだけか。文化的差異を承認するとはいかなることか。様々な差異を抱えながらも、いかにして文化はひとつのユニットとして成立しているのか。新たな異文化論を求めて、社会情報学的視座からの論究。


【目次】
目次 [i-iv]


序章 異文化論の出発点 001
  1 異文化探しの旅 001
  2 本書の構成について 005


第I部  グローバル社会と文化的差異

第1章 「文化論」再考 012
  1 異文化へのまなざし――異文化と自文化の出会い 012
  2 文化と差異 020
    内なる異文化
    異文化間の差異
  3 境界と相互行為 028


第2章 マルチカルチュラリズムのアポリア 032
  1 グローバル社会とマルチカルチュラリズム―― internationalからglobalへ 033
  2 マルチカルチュラリズムの理念と多文化社会 036
  3 分裂か統合か? 039
  4 文化的差異は承認されているか?――みせかけの承認 044
    文化の内なる差異について
    異文化間の差異について

  5 差異を「自覚すること」――多文化教育の試み 057
    多文化教育のねらい
    同化不可能な現実と多文化教育
    「カリキュラム」を問い直す
    多文化教育の将来性

  6 結語 076


第II部 「ローカルなもの」の成立をめぐって

第3章 文化単位の生成 080
  1 「文化単位」という考え方から見えるもの 082
  2 異文化関係としての「われわれ」と「かれら」 085
    「われわれ」関係を可能にするもの
    自他関係から異文化関係へ――「わたし」のことは「われわれ」のこと

  3 異文化間の「距離」 092
    異文化間の境界とその可変性
    「小さな世界」のなかの異文化
    異文化間の「距離」の計測

  4 内在的時間のフォーマット化と比較可能性 103
    「われわれ」をとりまく社会的事実――リアリティの二つの側面
    外在的時間と内在的時間
    再―差異化とフォーマット


第4章 グローバリゼーションとローカリゼーションの相補性 116
  1 遠心力と求心力の社会現象 117
    情報技術とグローバリゼーション
    経済とグローバリゼーション
    近代社会とグローバリゼーション
    文化とグローバリゼーション

  2 記号の流れとしてのグローバリゼーション 131
    記号と文化単位
    文化単位の成立、そして維持
  3 異文化間の比較可能性――境界の創出 137
  4 比較可能性と文化相対主義 141
  5 グローバリゼーション研究と異文化論 149


第5章 異文化論から考える「地域文化」 153
  1 記号の流れと地域文化 153
  2 「谷根千」について 154
  3 谷根千は下町コミュニティか? 156
  4 創られる地域文化 161


おわりに 異文化なき異文化研究からの脱却 164


注 [169-195]
あとがき(二〇〇三年六月 著者) [196-199]
文献リスト [200-218]