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『認知音韻・形態論〈シリーズ認知言語学入門 第2巻〉』(吉村公宏[編] 大修館書店 2003)

編者:吉村 公宏
著者:熊代 文子
著者:黒田 航
著者:出口 雅也
著者:吉村 公宏
著者:児玉 一宏
シリーズ監修:池上 嘉彦
シリーズ監修:河上 誓作
シリーズ監修:山梨 正明
装丁:田中 晋
シリーズ:認知言語学入門;第2巻


2 認知音韻・形態論 - 株式会社大修館書店

 認知言語学を生み出した新しい言語観は、これまでにない音韻論・形態論を誕生させた。無限の可能性を秘めた知的冒険。

【目次】
はじめに(吉村公宏) [iii-vii]
目次 [ix-xiv]


第1章 認知音韻論(熊代文子) 003
1 認知文法と音韻論 
  1.1 認知音韻論と生成音韻論
  1.2 カテゴリーと理論的構築物
  1.3 ネットワーク

2 富者繁栄システム 
  2.1 規則変化の生産性
  2.2 適格性の原則

3 音素配列規則 
  3.1 音素配列規則を表すスキーマ
  3.2 音素配列規則から見た適格性
  3.3 声の一致制約

4 日本語音韻論の概観 
  4.1 尾子音条件
  4.2 動詞の活用変化

5 日本語動詞の活用変化の分析 
  5.1 声の安定制約
  5.2 尾子音条件
  5.3 モーラー数一定制約
  5.4 短母音音節型
  5.5 子音交替・尾子音形成:〔b〕〔r〕〔w〕で終わる語幹
  5.6 母音補充・核形成:〔s〕で終わる語幹
  5.7 軟口蓋音消失:〔g〕〔k〕で終わる語幹
  5.8 適格性判断における下位レベル・スキーマの重要性

6 ヤマト語彙特有の音素配列規則 

7 結論 

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第2章 認知形態論(黒田航) 079
1 はじめに 

2 認知言語学を生成言語学から区別する3つの基準 
  2.1 3つの根本的な違い
    2.1.1 言語力の研究としての生成言語学、言語運用の研究としての認知言語学
    2.1.2 用法の体系と規則の体系
    2.1.3 説明的妥当性と記述的妥当性
  2.2 複雑系の科学としての言語学
    2.2.1 「認知的」であるとは正確にはどういうことか?
    2.2.2 「認知」対「生成」、「機能」対「形式」
    2.2.3 言語に関する最大の謎を解く
  2.3 理解すべきなのは体系性より複雑性

3 形態論の研究対象とは何か 
  3.1 形態論に出会う 
    3.1.1 文形成論と語形成論
    3.1.2 構成論の規模相対化
  3.2 形態論を認知的に構想する 
    3.2.1 形態素と異形態
    3.2.2 語の内部の意味論:認知的アプローチの強み
    3.2.3 何が形態論を定義するか
    3.2.1 異形態
    3.2.5 表層形のネットワーク
    3.2.6 語の「外部」と「内部」の形成論
    3.2.7 分節化と厳密分析
    3.2.8 語形成規則
    3.2.9 厳密分岐分析の欠点
    3.2.10 拡大X-バー理論
  3.3 形態論的な現象の「適切」な取扱いに関して
    3.3.1 「形態論部門なしですます」文法理論に関する注意
    3.3.2 言語の記号的性質と自然的性質
    3.3.3 規模の効果の由来
    3.3.4 形態論のモジュール

4 認知的な形態論研究の具体的指針 
  4.1 自然生成音韻論と辞書の構造論
    4.1.1 NGPの特徴
  4.2 辞書は自己組織化するシステム
    4.2.1 辞書の自己組織化
    4.2.2 語彙ネットワークとしての辞書
    4.2.3 Bybee-Langacker のネットワーク・モデルを統合する
    4.2.4 例外発生の「規則性」
  4.3 辞書の構造論としての形態論
    4.3.1 規則から表示へ:語形成の生産性の問題
    4.3.2 名詞派生の生産性
    4.3.3 源泉感受性と慣習の役割
  4.4 カッコ入れの逆理を認知的に解釈する
    4.4.1 第一類、第二類接辞の区別とレベル順序づけ、その認知的解釈
    4.4.2 カッコ入れの逆理発生

5 形態論的現象の基本分類とその認知的解釈 
  5.1 形態論の基本概念 
    5.1.1 形態論の形式的特 
    5.1.2 基体と接辞
    5.1.3 形態論的現象の同値分類
    5.1.4 接辞の種類と位置
  5.2 英語形態論の具体的分析 
    5.2.1 語形式一覧
    5.2.2 屈折・派生・複合
    5.2.3 音韻論と形態論の関係
    5.2.4 派生形態論と屈折形態論の区別
  5.3 派生形態論
    5.3.1 派生の多型性
    5.3.2 複合名詞形成:有形態と無形態
  5.4 屈折形態論の位置づけ
    5.4.1 属格形の形成と句形性との接点
    5.4.2 膠着と屈折
    5.4.3 第一類、第二類接辞化の再解釈:句形成と語形成との接点

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第3章 認知音韻・形態論とコネクショニズム(出口雅也) 155
1 はじめに 

2 認知言語学と身体性 
  2.1 モーホーク語の分析に見られる違い
  2.2 派生と心的実在性
  2.3 言語観の違い
  2.4 〈脳=シリアル・コンピュータ〉メタファー
  2.5 言語能力・言語運用の区別
  2.6 生得性に関わる問題
  2.7 開かれた学問としての認知言語学 

3 コネクショニズム 
  3.1 コネクショニズムとは
  3.2 ニューロンの構造
  3.3 ニューロン数理モデル
  3.4 分散表示
  3.5 層状回路
  3.6 パーセプトロン
  3.7 パーセプトロン型回路の学習
  3.8 相互結合型回路
  3.9 コネクショニスト・モデルのまとめ 

4 認知音韻・形態論のパースペクティブ 
  4.1 モデルの妥当性
  4.2 英語の過去形
  4.3 NETtalk
  4.4 脳における情報処理の流れ
  4.5 意味と形式
  4.6 認知音韻・形態論のキーワード

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第4章 認知語彙論(吉村公宏) 195
1 はじめに 

2 認知語彙論の誕生
  2.1 語
  2.2 基本概念 
    2.2.1 ICM と概念化
    2.2.2 スキーマ
    2.2.3 語の位相
    2.2.4 プロトタイプと拡張
  2.3 単一階層的アプローチ 
  2.4 語の意味 
  2.5 解釈 
  2.6 品詞とカテゴリー 

3 認知語彙論の展開 
  3.1 語義学と名辞学 
    3.1.1 多義性と意味連鎖
    3.1.2 意味ネットワーク
    3.1.3 状況の意味づけ
  3.2 生成語彙と参照点構造 
    3.2.1 クオリア構造
    3.2.2 参照点構造
  3.3 文化語彙論 
  3.4 動詞と構文 

4 まとめ 

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第5章 認知語彙論と構文の習得(児玉一宏) 241
1 はじめに 

2 構文の交替現象 
  2.1 授与事象 
  2.2 to 付き与格構文と二重目的語構文 
    2.2.1 to 付き与格構文
    2.2.2 二重目的語構文
  2.3 二重目的語構文と所有者効果 

3 与格交替現象と習得可能性 
  3.1 子供の文法 
  3.2 与格交替と過剰一般化 
  3.3 否定証拠 
  3.4 恣意性 

4 与格交替と習得可能性 
  4.1 習得可能性のパラドクス 
  4.2 与格交替と語彙規則 
  4.3 与格交替と動詞の形態・音韻的パタン 
    4.3.1 英語の語彙
    4.3.2 本来語とラテン系の語彙
    4.3.3 動詞の形態・音韻パタン
    4.3.4 本来語化と構文現象

5 認知的な構文習得論
  5.1 構文パタンの習得
  5.2 コンテクストとしての構文パタン
  5.3 構文文法
  5.4 二重目的語構文と構文の多義性
  5.5 事象目的語構文と体系的メタファー

6 結語にかえて 

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参考文献 [285-292]
索引 [293-295]