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『ジェイン・オースティンを学ぶ人のために』(内田能嗣,塩谷清人[編] 世界思想社 2007)

  編者
内田 能嗣[うちだ・よしつぐ] 帝塚山学院大学名誉教授,日本オースティン協会 理事
塩谷 清人[しおたに・きよと] 学習院大学文学部教授,日本オースティン協会 理事
  執筆者
海老根 宏[えびね・ひろし] 東京大学名誉教授,日本オースティン協会 会長
田中 淑子[たなか・としこ] 川村学園女子大学教授
早瀬 和栄[はやせ・かずえ] 佛教大学非常勤講師
大田 美和[おおた・みわ] 中央大学文学部教授,歌人
押本 年眞[おしもと・としまさ] 同志社大学言語文化教育研究センター教授
渡 千鶴子[わたり・ちづこ] 関西外国語大学短期大学部教授
植松 みどり[うえまつ・みどり] 和洋女子大学人文学部教授
前田 淑江[まえだ・としえ] 関西大学非常勤講師
山本 紀美子[やまもと・きみこ] 大阪成蹊大学現代経営情報学部教授
鈴木 美津子[すずき・みつこ] 東北大学大学院国際文化研究科教授
阿部 美恵[あべ・よしえ] 松蔭大学異文化コミュニケーション学部教授
大口 郁子[おおくち・いくこ] 関西大学非常勤講師
坂本 武[さかもと・たけし] 関西大学文学部教授,日本オースティン協会 理事
橋本 登代子[はしもと・とよこ] 関西外国語大学国語学部准教授
吉田 真希子[よしだ・まきこ] 三重大学非常勤講師
廣野 由美子[ひろの・ゆみこ] 京都大学大学院人間・環境学研究科准教授
安達みち代[あだち・みちよ] 大阪府立大学人間社会学部教授
山内 理恵[やまのうち・りえ] 広島女学院大学文学部准教授
川口 能久[かわぐち・よしひさ] 立命館大学文学部教授,日本オースティン協会 理事
住屋 和子[すみや・かずこ] 関西大学非常勤講師
清水 伊津代[しみず・いつよ] 近畿大学文芸学部教授
小野 ゆき子[おの・ゆきこ] 日本大学非常勤講師
吉野 由利[よしの・ゆり] 一橋大学法学研究科専任講師
大島 一彦[おおしま・かずひこ] 早稲田大学文学学術院教授
徳永 梓[とくなが・あずさ] 関西外国語大学大学院(修士)
西山 裕子[にしやま・ひろこ] 関西学院大学大学院文学研究科博士後期課程
カバー,扉絵:姉カサンドラによる肖像画に基づく版画(James Edward Austen-Leigh [1798-1841], A Memoir of Jane Austen, London: Spottiswoode & Co., 1870)
件名:Austen, Jane, 1775-1817
NDC:930.268 英米文学史[18-19世紀] >> 作家の個人伝記[作家研究]


ジェイン・オースティンを学ぶ人のために - 世界思想社


【目次】
まえがき[内田能嗣] [i-iii]
目次 [iv-vi]
オースティン家系図 [vii]
ハンプシャー スティーヴントン周辺の地図 [viii-ix]
肖像 [001]


序章 日本におけるジェイン・オースティン[海老根宏] 003


第1章 ジェイン・オースティンの生涯と時代背景[内田能嗣] 015
  スティーヴントン
  女子寄宿学校
  従姉イライザ
  習作の時期
  本格的な創作に向けて
  スティーヴントンからバースへ
  『ノーサンガー・アビー』と『ワトソン家の人々』
  サウサンプトンからチョートンへ
  『分別と多感』と『高慢と偏見』の出版
  『マンスフィールド・パーク』と『エマ』の出版
  ウィンチェスター
  時代背景と家庭環境


第2章 ジェイン・オースティンの研究法[塩谷清人] 037
(I) テクスト,書簡,伝記,批評について 038
  テクストについて
  テクスト精読(close reading)の必要性
  書簡集と伝記を読む
  批評史,そのアンソロジーを読む
  テクスト中心の研究のポイント
(II) 時代背景,コンテクストの研究 045
  女性作家,女性のおかれた状況
  先行する女性作家,思想家との関連性
  階級,職業
  政治,植民地
  終わりに


第3章 六大小説 

1. 『ノーサンガー・アビー』 (Northanger Abbey)
  あらすじと解説[田中淑子] 053
    出版の経緯
    あらすじ:バース編――ニュー・ロマンスの始まり
    ノーサンガー・アビー編――疑似ゴシックの館における戦慄の覚醒
    パロディの謎解き

  原文と訳注[早瀬和栄] 062
    I
    II
    III

  作品論――ニュー・ロマンス対ゴシックロマンスと些事へのこだわり[大田美和] 069
    現代人に支持されるヒーロー
    妹夫妻のゴシックロマンスと,語り手の些事に対する抑えがたい興味
    リアリスティックな想像力の行使の有効性


2. 『分別と多感』 (Sense and Sensibility)
  あらすじと解説[押本年眞] 081
    あらすじ
    大団円へ――ロンドンの冬から田舎での新生活へ
    解説――登場人物の階級と価値観,作風/研究へのヒント
    
  原文と訳注[渡 千鶴子] 089
    I
    II
    III

  作品論――本当は恐い,幸せ物語[植松みどり] 095
    幸せ物語
    ドミノ倒しの幸せ物語
    手がかりは,happy,happiness
    三人のヒーローと,その他の人々
    不気味なハッピー・エンディング


3. 『高慢と偏見』 (Pride and Prejudice)
  あらすじと解説[前田淑江] 110
    出会い
    誤解
    氷解
    結婚

  原文と訳注[山本紀美子]117
     I
    II
    III

  作品論――『ハームスプロング』から学んだもの:文学的戯れと体制批判[鈴木美津子] 125
    急進主義小説『ハームスプロング(Hermsprong: or, Man As He is Not)』とは?
    登場人物の変容
    拒絶するヒロイン――エリザベスとマライア
    ダーシー氏は尊大で冷酷な地主か?


4. 『マンスフィールド・パーク』(Mansfield Park)
  あらすじと解説[阿部美恵] 139
    あらすじ
    作品解説
    
  原文と訳注[大口郁子] 147
    I
    II
    III

  作品論――ファニー・プライスの変身:『マンスフィールド・パーク』のヒロイン像[坂本 武]153
    4つの主要なエピソード
    サザトン・コート訪問の場
    素人芝居『恋人たちの誓い』上演騒動
    ファニーのための舞踏会
    ポーツマス帰郷の場
    宰領者への変身


5. 『エマ』 (Emma)
  あらすじと解説[橋本登代子] 167
    あらすじ
    解説

  原文と注[吉田真希子] 175
    I
    II
    III

  作品論――誤解を読み解く[廣野由美子] 181
    階級意識――エルトンをめぐる誤解
    心理的盲点――フランク・チャーチルをめぐる誤解
    「私は正しい」――ナイトリーをめぐる誤解


6. 『説得』 (Persuasion)
  あらすじと解説[安達みち代] 194
    失意と再会
    よみがえる青春
    解説
    
  原文と訳注[山内理惠] 202
    I
    II
    III

  作品論――秘められたロマンスの物語[川口能久] 211
    『説得』の特徴
    アンの試練
    ロマンスへの傾斜


第4章 断片(作品) 225
  『愛と友情』 (Love and Freindship)[住屋和子] 225
    マニュスクリプト(原稿)の概略
    出版の経緯
    あらすじ
    批評の流れ
    現代における1つの読み

  『レディ・スーザン』 (Lady Susan)[清水伊津代] 237
    物語のあらすじ
    テクスト誕生の経緯とテクストの自明性
    書簡体形式とカーニバル的ビジョンの生成

  『ワトソン家の人々』 (The Watsons)[小野ゆき子] 248
    あらすじ
    オースティンの考える結婚とは
    オースティンの提言

  『サンディトン』 (Sanditon)[吉野由利] 256
    概観――「兄弟たち」から『サンディトン』へ
    あらすじ
    「職業」としての心気症のテーマ
    先行研究とアプローチ法


第5章 オースティン文学の特色[大島一彦] 265
  時の変化のために色褪せることのない文学
  「センス」と「センシビリティー」について
  喜劇の世界とユーモア精神


あとがき(平成19年5月)[塩谷清人] [281]
ジェイン・オースティン年譜[徳永 梓] [282-284]
主要参考文献[塩谷清人] [285-298]
  伝記
  手紙
  書誌・コンコーダンス・マニュスクリプト
  論文集
  研究書・論文
  関連参考資料
  その他
  邦書
索引[西山裕子] [299-304]
執筆者紹介 [305-308]
奥付 [309]





【抜き書き】

・目次ページ記載のクレジット。

※ 「第3章 六大小説」の「原文と訳注」 における原文引用は,R. W. Chapman, ed. The Novels of Jane Austen, New York: Oxford UP, 1923. による。
※地図中および本文中の写真は塩谷清人氏,前田淑江氏提供,図版は橋本登代子氏提供。