編者
内田 能嗣[うちだ・よしつぐ] 帝塚山学院大学名誉教授,日本オースティン協会 理事
塩谷 清人[しおたに・きよと] 学習院大学文学部教授,日本オースティン協会 理事
執筆者
海老根 宏[えびね・ひろし] 東京大学名誉教授,日本オースティン協会 会長
田中 淑子[たなか・としこ] 川村学園女子大学教授
早瀬 和栄[はやせ・かずえ] 佛教大学非常勤講師
大田 美和[おおた・みわ] 中央大学文学部教授,歌人
押本 年眞[おしもと・としまさ] 同志社大学言語文化教育研究センター教授
渡 千鶴子[わたり・ちづこ] 関西外国語大学短期大学部教授
植松 みどり[うえまつ・みどり] 和洋女子大学人文学部教授
前田 淑江[まえだ・としえ] 関西大学非常勤講師
山本 紀美子[やまもと・きみこ] 大阪成蹊大学現代経営情報学部教授
鈴木 美津子[すずき・みつこ] 東北大学大学院国際文化研究科教授
阿部 美恵[あべ・よしえ] 松蔭大学異文化コミュニケーション学部教授
大口 郁子[おおくち・いくこ] 関西大学非常勤講師
坂本 武[さかもと・たけし] 関西大学文学部教授,日本オースティン協会 理事
橋本 登代子[はしもと・とよこ] 関西外国語大学外国語学部准教授
吉田 真希子[よしだ・まきこ] 三重大学非常勤講師
廣野 由美子[ひろの・ゆみこ] 京都大学大学院人間・環境学研究科准教授
安達みち代[あだち・みちよ] 大阪府立大学人間社会学部教授
山内 理恵[やまのうち・りえ] 広島女学院大学文学部准教授
川口 能久[かわぐち・よしひさ] 立命館大学文学部教授,日本オースティン協会 理事
住屋 和子[すみや・かずこ] 関西大学非常勤講師
清水 伊津代[しみず・いつよ] 近畿大学文芸学部教授
小野 ゆき子[おの・ゆきこ] 日本大学非常勤講師
吉野 由利[よしの・ゆり] 一橋大学法学研究科専任講師
大島 一彦[おおしま・かずひこ] 早稲田大学文学学術院教授
徳永 梓[とくなが・あずさ] 関西外国語大学大学院(修士)
西山 裕子[にしやま・ひろこ] 関西学院大学大学院文学研究科博士後期課程
カバー,扉絵:姉カサンドラによる肖像画に基づく版画(James Edward Austen-Leigh [1798-1841], A Memoir of Jane Austen, London: Spottiswoode & Co., 1870)
件名:Austen, Jane, 1775-1817
NDC:930.268 英米文学史[18-19世紀] >> 作家の個人伝記[作家研究]
【目次】
まえがき[内田能嗣] [i-iii]
目次 [iv-vi]
オースティン家系図 [vii]
ハンプシャー スティーヴントン周辺の地図 [viii-ix]
肖像 [001]
序章 日本におけるジェイン・オースティン[海老根宏] 003
第1章 ジェイン・オースティンの生涯と時代背景[内田能嗣] 015
スティーヴントン
女子寄宿学校
従姉イライザ
習作の時期
本格的な創作に向けて
スティーヴントンからバースへ
『ノーサンガー・アビー』と『ワトソン家の人々』
サウサンプトンからチョートンへ
『分別と多感』と『高慢と偏見』の出版
『マンスフィールド・パーク』と『エマ』の出版
ウィンチェスター
時代背景と家庭環境
第2章 ジェイン・オースティンの研究法[塩谷清人] 037
(I) テクスト,書簡,伝記,批評について 038
テクストについて
テクスト精読(close reading)の必要性
書簡集と伝記を読む
批評史,そのアンソロジーを読む
テクスト中心の研究のポイント
(II) 時代背景,コンテクストの研究 045
女性作家,女性のおかれた状況
先行する女性作家,思想家との関連性
階級,職業
政治,植民地
終わりに
第3章 六大小説
1. 『ノーサンガー・アビー』 (Northanger Abbey)
あらすじと解説[田中淑子] 053
出版の経緯
あらすじ:バース編――ニュー・ロマンスの始まり
ノーサンガー・アビー編――疑似ゴシックの館における戦慄の覚醒
パロディの謎解き
原文と訳注[早瀬和栄] 062
I
II
III
作品論――ニュー・ロマンス対ゴシックロマンスと些事へのこだわり[大田美和] 069
現代人に支持されるヒーロー
妹夫妻のゴシックロマンスと,語り手の些事に対する抑えがたい興味
リアリスティックな想像力の行使の有効性
2. 『分別と多感』 (Sense and Sensibility)
あらすじと解説[押本年眞] 081
あらすじ
大団円へ――ロンドンの冬から田舎での新生活へ
解説――登場人物の階級と価値観,作風/研究へのヒント
原文と訳注[渡 千鶴子] 089
I
II
III
作品論――本当は恐い,幸せ物語[植松みどり] 095
幸せ物語
ドミノ倒しの幸せ物語
手がかりは,happy,happiness
三人のヒーローと,その他の人々
不気味なハッピー・エンディング
3. 『高慢と偏見』 (Pride and Prejudice)
あらすじと解説[前田淑江] 110
出会い
誤解
氷解
結婚
原文と訳注[山本紀美子]117
I
II
III
作品論――『ハームスプロング』から学んだもの:文学的戯れと体制批判[鈴木美津子] 125
急進主義小説『ハームスプロング(Hermsprong: or, Man As He is Not)』とは?
登場人物の変容
拒絶するヒロイン――エリザベスとマライア
ダーシー氏は尊大で冷酷な地主か?
4. 『マンスフィールド・パーク』(Mansfield Park)
あらすじと解説[阿部美恵] 139
あらすじ
作品解説
原文と訳注[大口郁子] 147
I
II
III
作品論――ファニー・プライスの変身:『マンスフィールド・パーク』のヒロイン像[坂本 武]153
4つの主要なエピソード
サザトン・コート訪問の場
素人芝居『恋人たちの誓い』上演騒動
ファニーのための舞踏会
ポーツマス帰郷の場
宰領者への変身
5. 『エマ』 (Emma)
あらすじと解説[橋本登代子] 167
あらすじ
解説
原文と注[吉田真希子] 175
I
II
III
作品論――誤解を読み解く[廣野由美子] 181
階級意識――エルトンをめぐる誤解
心理的盲点――フランク・チャーチルをめぐる誤解
「私は正しい」――ナイトリーをめぐる誤解
6. 『説得』 (Persuasion)
あらすじと解説[安達みち代] 194
失意と再会
よみがえる青春
解説
原文と訳注[山内理惠] 202
I
II
III
作品論――秘められたロマンスの物語[川口能久] 211
『説得』の特徴
アンの試練
ロマンスへの傾斜
第4章 断片(作品) 225
『愛と友情』 (Love and Freindship)[住屋和子] 225
マニュスクリプト(原稿)の概略
出版の経緯
あらすじ
批評の流れ
現代における1つの読み
『レディ・スーザン』 (Lady Susan)[清水伊津代] 237
物語のあらすじ
テクスト誕生の経緯とテクストの自明性
書簡体形式とカーニバル的ビジョンの生成
『ワトソン家の人々』 (The Watsons)[小野ゆき子] 248
あらすじ
オースティンの考える結婚とは
オースティンの提言
『サンディトン』 (Sanditon)[吉野由利] 256
概観――「兄弟たち」から『サンディトン』へ
あらすじ
「職業」としての心気症のテーマ
先行研究とアプローチ法
第5章 オースティン文学の特色[大島一彦] 265
時の変化のために色褪せることのない文学
「センス」と「センシビリティー」について
喜劇の世界とユーモア精神
あとがき(平成19年5月)[塩谷清人] [281]
ジェイン・オースティン年譜[徳永 梓] [282-284]
主要参考文献[塩谷清人] [285-298]
伝記
手紙
書誌・コンコーダンス・マニュスクリプト
論文集
研究書・論文
関連参考資料
その他
邦書
索引[西山裕子] [299-304]
執筆者紹介 [305-308]
奥付 [309]
【抜き書き】
・目次ページ記載のクレジット。
※ 「第3章 六大小説」の「原文と訳注」 における原文引用は,R. W. Chapman, ed. The Novels of Jane Austen, New York: Oxford UP, 1923. による。
※地図中および本文中の写真は塩谷清人氏,前田淑江氏提供,図版は橋本登代子氏提供。