原題:Thinking Critically about Research on Sex and Gender, 3rd edition.
著者:Paula J. Caplan(1947-2021)
著者:Jeremy B. Caplan
訳者:森永 康子[もりなが・やすこ](1959-)
カバーデザイン:白沢 正[しらさわ・ただし] 装丁家。1989年京都市立芸術大学美術学部卒業。
NDC:143.1 心理学 >> 発達心理学 >> 両性の心理
件名:性差心理学
認知や行動に性差はあるのか - 北大路書房 心理学を中心に教育・福祉・保育の専門図書を取り扱う出版社です
【目次】
献辞 [i]
目次 [iii-viii]
凡例 [viii]
題辞 [ix]
第1版まえがき(ポーラ・J・カプラン ジェレミー・B・カプラン) [xi-xiv]
第2版まえがき(ポーラ・J・カプラン ジェレミー・B・カプラン) [xv]
第3版まえがき(2008年7月 ポーラ・J・カプラン ジェレミー・B・カプラン) [xvi-xix]
第1章 序論 001
循環するバイアス 001
2つの危険な仮定 004
まったく新しい考え方 008
みなさんが学ぶこと 010
本書における性別とジェンダーの意味 013
本書の概略 020
性差を視点に入れておく 026
第2章 性差研究の歴史を簡単に展望する 030
ところで、だれの歴史なのだろうか 031
女性の劣等性の証拠を求めて 032
偉大なる脳を探究する
社会進化論(社会ダーウィン主義)
研究や理論の中にあるさまざまなバイアスどうしの関係
社会生物学と進化心理学――現代版社会進化論 045
問題あるパターンのいくつかを要約する 050
第3章 性別とジェンダーの研究に科学的方法を用いる 052
何を研究するかを選ぶ 054
自分が何を探しているのかを正確に決める 055
研究を計画する 057
研究を実施する 062
結果を解釈する 066
メタ分析――研究をまとめる 069
なぜ性差/ジェンダー差を研究するのか 071
動機
筆者である私たちのもつバイアス
「進歩的」バイアス
公刊するのはなぜか? 公刊バイアスとお蔵入り問題
第4章 男の子は女の子より数学ができるのか 082
「数学推論能力」を測定する 087
均質のサンプルをとるという問題 089
暗示の力 091
特殊から一般へ 092
男性は生まれつき優れているという正当化されない主張 095
最近の展開 100
第5章 空間能力の性差 103
空間能力とは何か 104
性差の程度 108
動く砂の上で理論をつくる 111
第6章 女性は男性より高い言語能力をもっているのか 116
言語能力とは何か 119
言語能力における性差はあるのか 122
テスト構造の問題 126
なぜ人々は女性が言語的に優れていると信じているのか 128
第7章 脳の性差に関する最近の研究 130
脳を研究する――性差研究に関するこの現代的アプローチからわかることとわからないこと 130
脳の構造と機能をどのように測定するのか 132
性差に関する脳研究の基礎にある仮定をあばく 135
1つの例――脳半球間のつながり 141
第8章 ホルモンが女性をつくるのか――あるいは男性も 144
「PMS」とはいったい何だろうか 147
産後うつ病とは何だろう 154
更年期は問題なのか 156
ホルモンが引き起こす問題を研究するのはなぜ難しいのか 158
PMS研究の問題
後うつ病と更年期研究の問題
1つの例
「男性の更年期」はあるのか 165
リサーチ・クエスチョンの選択 167
第9章 セクシュアリティ 171
基準としての男性 172
プロトタイプとステレオタイプ 173
見いだされた差異は普遍的なのだろうか――文化比較 175
性差は生物学的なものが基礎にあるのだろうか――比較動物研究 177
性的指向に関するいくつかの覚え書き 179
障害と呼ばれた同性愛 182
同性愛の「原因」 183
「性同一性障害」 188
第10章 女性のマゾヒズムについての神話 190
メイ[Robert May]の研究 194
メイのアプローチと理論
メイの方法
メイの結果
結果に関するメイの解釈
女性とマゾヒズムについての新しい見方 201
第11章 対人関係能力は「依存性」と呼ぶほうがよいのだろうか 206
依存性と情緒 207
女性は男性よりも道徳的に劣っているのだろうか 213
主張性 216
啓発的な2つの研究 218
第12章 攻撃性の性差 221
男性の高い攻撃性は生得的なものなのか 223
攻撃性の性差に関する研究 229
境界条件を探す
攻撃性研究の抱える問題のいくつか
女性は違う形で攻撃的なのだろうか 234
攻撃性についての仮定がもたらす社会的・政治的ないくつかの帰結 236
開かれた未来をめざして 238
第13章 母親非難 240
母親非難は正当化されるのか、もしくは役に立つのか 242
父親役割のゆがみ 248
なぜ母親非難が生じるのか 250
第14章 バイアスの循環を破る――研究について判断できる知識をもった人になる 256
訳者あとがき(2010年10月 森永康子) [261-266]
注 [1-2]
引用文献 [1-22]
人名索引 [1-3]
索引 [1-3]