原題:THE HARM IN HATE SPEECH
著者:Jeremy Waldron(1953-) 憲法学、法哲学、政治理論。
訳者:谷澤 正嗣[やざわ・まさつぐ] (1967-) 現代政治理論。
訳者:川岸 令和[かわぎし・のりかず] (1962-) 憲法学。
NDC:316.1 国家と個人:基本的人権,自由と平等,知る権利,プライバシー,思想・信教の自由,言論・出版の自由,集会・結社の自由
【目次】
目次 [/]
第一章 ヘイト・スピーチにアプローチする 001
尊厳と安心
二つの書評の物語
私の控えめな意図
第二章 アンソニー・ルイスの『敵対する思想の自由』 022
第三章 なぜヘイト・スピーチを集団に対する文書名誉毀損と呼ぶのか 041
「ヘイト・スピーチ」の意味
集団に対する名誉毀損
文書名誉毀損の種類
刑事文書名誉毀損と無秩序
個人と集団
集団の評判を攻撃する
ボーハネ事件判決とニューヨーク・タイムズ社対サリヴァン事件判決
第四章 憎悪の外見 076
秩序ある社会はどのように見えるか
ロールズと言論の自由
政治的美学
秩序ある社会における憎悪と法律
安心
ポルノグラフィとの類比
競合する公共財
明白かつ現在の危険か
法の支配と個人の役割
移行と安心
第五章 尊厳の保護か、不快感からの保護か 124
尊厳を傷つけることと、不快にすることの違い
複雑性
人種差別主義的罵詈
宗教的憎悪と、宗教的不快感を与えること
分厚い皮膚
アイデンティティの政治のもたらす危難
尊厳の概念は曖昧すぎるのか
第六章 C・エドウィン・ベイカーと自律の議論 172
言論の自由の原則に対するいくつかの例外
率直な議論を行う
「内容に基づく」規制
思想の市場
切り札としての言論の自由?
エド・ベイカーと自己開示
第七章 ロナルド・ドゥオーキンと正統性の議論 206
ドゥオーキンの議論
ドゥオーキンの議論は制約されうるか
正統性とは何を意味するか
正統性は程度の問題か
深刻な論争の終結
共同体とデモクラシーについてのロバート・ポストの見解
政府に対する不信
第八章 寛容と中傷 243
オズボーン事件
寛容の構想
ヘイト・スピーチに関するフィロゾーフの立場
社会性
釈義と発掘
中傷についてのヴォルテールの見解
寛容についての研究文献とヘイト・スピーチについての研究文献
謝辞 [279-280]
訳者解説(二〇一五年三月 谷澤正嗣 川岸令和) [281-293]
原註 [v-xliii]
索引 [i-iv]