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『インターネット法』(松井茂記,鈴木秀美,山口いつ子[編] 有斐閣 2015)

編著者:松井 茂記
編著者:鈴木 秀美
編著者:山口 いつ子
著者:小倉 一志
著者:木村 真生子
著者:駒田 泰土
著者:宍戸 常寿
著者:曽我部 真裕
著者:長田 真里
著者:西土 彰一郎
著者:森田 果
著者:山本 龍彦
著者:渡邊 卓也


インターネット法 | 有斐閣


【目次】
はしがき(2015年晩秋 編者一同) [I-II]
執筆者紹介 [III]
目次 [IV-XV]
凡例 [XVI-XVII]


CHAPTER1 インターネット法の発達と特色[松井茂記] 001
はじめに 001

1 インターネットとは何か 002
 1.1 インターネットの歴史的発達 002
 1.2 インターネットの構造 003
 1.3 インターネットの上でできること 004
 1.4 インターネットの特色 007

2 インターネットに対する政府の対応 088
 2.1 世界の国々 008
 2.2 日本 009

3 インターネットの光と陰 012
 3.1 インターネット上の表現の功罪  012
 3.2 拡大しつつある電子商取引とその落とし穴 014

4 インターネット法の現状 014
 4.1 インターネット上の有害な表現の規制 014
 4.2 インターネット上の電子商取引の規制 016
 4.3 関連する諸問題 017

5 インターネット法はどうあるべきか 018
 5.1 包括的な法律は必要か 018
 5.2 インターネットの世界に法律は立ち入るべきではないか 019
 5.3 インターネット法の構造――レッシグの議論を踏まえて 021
おわりに 023


CHAPTER2 インターネットにおける表現の自由[山口いつ子] 025
はじめに 025
1 メディアをめぐる革新的技術と伝統的な法枠組み ● 印刷・放送・コモンキャリッジ 027
 1.1 印刷メディアの法――政府介入からの表現の自由の原型 027
 1.2 放送メディアの法――放送の特殊性に基づく規制 029
 1.3 コモンキャリッジの法――通信事業者の義務 030

2 インターネットの技術特性とは ● その複合性と可変性からの示唆 032
 2.1 伝統的な法枠組みにおけるインターネットの位置づけ――印刷・放送・コモンキャリッジとの類推 033
 2.2 変わりゆくインターネット――その自由の最大化と不可視のアクセス制限の可能性 034

3 インターネット上の表現・情報の自由をめぐる諸相 ● 送り手側の視点から 036
 3.1 報道の自由と「知る権利」との関係性
一国政・公共的事項に関する表現と「ブロガーの特権 036
 3.2 民主主義的自己統治の価値と政治的言論の自由――インターネット選挙運動の解禁とプロバイダー責任制限法の特例 038

4 インターネットの自由を支える主体間の相互作用 ● 受け手側ないし中間媒介者の視点から 040
 4.1 表現・情報に関する受け手側の自由と権利 041
 4.2 フィルタリング・検索エンジンをめぐる情報の自由とアクセス――著作権・「忘れられる権利」に関する EU司法裁判所先決定から14日 043

5 つながるインフラ・自由なアクセスとインターネットの中立性 045
 5.1 ブロードバンド・プロバイダーとエッジ・プロバイダー ――その競合関係と懸念された事態 046
 5.2 連邦通信委員会の規制権限とコモンキャリアの分類 047
 5.3 自由な表現のためのプラットフォームを誰が支えるのか 049

おわりに 051


CHAPTER3 インターネット上の名誉毀損・プライバシー侵害[宍戸常寿] 053
はじめに 053
  (1) インターネットの外での表現・情報発信(054)
  (2)インターネットでの表現・情報発信(054)
  (3) インターネットの光と陰(055)
  (4) 名誉毀損・プライバシー侵害に関する従来の法理とインターネットの特性(055)

1 名誉毀損 056
1.1 伝統的な法理 056
  (1) 刑事・民事の名誉毀損(056)
    (a) 名誉の概念
    (b) 社会的評価の低下
    (c) 損害賠償額の算定
  (2) 名誉毀損表現の自由(058)
    (a) 真実性の証明
    (b) 相当性の法理
    (c) 通信社の配信記事と相当性の法理
    (d) 公正な論評の法理
    (e) 不当訴訟
    (f) 特定的救済
1.2 インターネット上の名誉毀損 064
  (1) インターネットの特性と伝統的な法理(064)
    (a) インターネット上の表現の正確性・信頼性
    (b) 対抗言論の可能性
    (c) 一般ユーザーの表現の機会
    (d) 検討
  (2) ラーメンチェーン店事件(067)
    (a) 事実の概要
    (b) 訴訟の経緯
    (c) 最高裁の判断
    (d) 「相当性の法理」の検討
  (3) 読売新聞西部本社事件(070)
    (a) 事実の概要と訴訟の経緯
    (b) 最高裁の判断
    (c) 「対抗言論」をめぐる裁判例
    (d) 「対抗言論」の考え方の検討
  (4)その他の論点(074)
    (a) 特定性
    (b) 名誉毀損の成立時期
    (c) ハイパーリンク
    (d) 損害賠償額の算定
    (e) 特定的救済

2 プライバシー・肖像権侵害 076
2.1 伝統的な法理 076
  (1) 表現行為によるプライバシー侵害 (076)
    (a) プライバシーの概念
    (b) 表現の自由とプライバシーの調整
    (c) 社会な正当な関心事
    (d) モデル小説によるプライバシー侵害
    (e) 氏名・住所等の要保護性
    (f) 差止め
  (2) 肖像権侵害 (080)
    (a) 肖像権の概念
    (b) 表現の自由と肖像権の調整
    (c) パブリシティ権
    (d) 損害賠償額の算定
2.2 インターネット上のプライバシー・肖像権侵害 082
  (1) 表現行為によるプライバシー侵害 (082)
    (a) 一般論
    (b) 検索サービスに対する削除請求
  (2) 肖像権侵害 (084)
    (a) 一般論
    (b) ニュース配信サイトと肖像権
    (c) グーグルストリーミングとドローン
    (d) リベンジポルノ

おわりに 088


CHAPTER4 インターネットにおけるわいせつな表現・児童ポルノ[曽我部真裕] 090
はじめに 090

1 わいせつ表現 091
1.1 刑法による規制の概要 091
  (1) 規制の構造(091)
    2011年刑法改正前の問題状況
    2011年刑法改正
  (2) わいせつ表現の規制根拠と表現の自由(93)
  (3) 「わいせつ」の意義(095)
1.2 インターネットとわいせつ規制 96
  (1) ウェブ上でのわいせつ画像 (096)
  (2) ファイル共有ソフトP2P)でのわいせつ画像の流通(098)
  (3) 電子メールでのわいせつ画像の送信(98)
  (4) マスキング (98)
  (5) リンク,検索エンジン掲示板管理者(99)
  (6) 海外サーバーからのわいせつ画像の配信(99)

2 児童ポルノ 100
2.1 児童ポルノ規制をめぐる問題状況 100
  (1) 児童ポルノとは(100)
  (2) 児童ポルノ規制をめぐる国際動向(102)
    法制定(1999年)まで
    法制定後
2.2 児童買春・児童ポルノ禁止法 103
  (1) 立法及び改正の経緯(103)
    立法の背景
    立法過程での論点
    2004年改正
    2014年改正
  (2) 児童ポルノの定義(105)
    総説
    創作物による描写について
    定義の過剰性
    定義の過少性
  (3) 規制対象行為(108)
    規制対象行為
    単純所持規制について
2.3 自主規制による児童ポルノサイトのブロッキング 112

おわりに 113


CHAPTER5 インターネット上での青少年保護[鈴木秀美] 115
はじめに 115

1 有害図書規制と表現の自由 117
  (1) 条例による有害図書規制(117)
  (2) 岐阜県青少年保護育成条例事件(118)
  (3) 最高裁の論理(119)
  (4) 検閲・事前抑制と明確性の理論(121)
  (5) 表現内容規制・表現内容中立規制二分論(122)
  (6) 有害図書規制と表現の自由(123)
  (7) 青少年の知る自由(124)
  (8) 有害図書規制の立法事実(125)
  (9) 成人の知る自由(125)
  (10) 有害図書の定義の不明確さ(126)
  (11) その後の判例(127)

2 インターネット上の有害情報規制 128
  (1) フィルタリングによる有害情報対策(128)
  (2) 青少年環境整備法の制定(129)
  (3) 青少年有害情報の例示(130)
  (4) 子ども・若者育成支援推進本部(132)
  (5) 携帯電話事業者・ISPフィルタリングサービス提供義務(133)
  (6) 事業者の義務(134)
  (7) 青少年閲覧防止措置(135)
  (8) フィルタリング推進機関(136) 
  (9) EMAによるコミュニティサイト運用管理体制の認定(137)
  (10) フィルタリングの現状と課題(138)
  (11) 共同規制の可能性(140)

3 インターネット上のいじめへの対策 141
  (1) いじめ防止対策推進法
  (2) アメリカの動向


CHAPTER6 インターネット上のヘイトスピーチ・差別的表現[小倉一志] 145
はじめに 145
1 インターネットにおける差別的表現の具体例 147
1.1 これまでの状況 147
1.2 最近の判例 149
  (1) 奈良水平社博物館事件 (150)
  (2) 京都朝鮮学校事件(150) 

2 差別的表現に対する諸外国の対応 152
2.1 国際法レベル 152
2.2 国内法レベル 154
  (1) 規制に肯定的な国(ドイツなど)(154)
  (2) 規制に否定的な国(アメリカ)(156)

3 差別的表現に対するわが国の対応 158
3.1 憲法学説 158
3.2 法律(案)・条例(案) 161
  (1) 人権擁護法案鳥取県条例(161)
  (2) 人種差別撤廃法案・大阪市条例案(162)
  (3) 大阪府条例・岡山市条例(163)

おわりに わが国におけるインターネット規制のこれまで・これから 164


CHAPTER7 電子商取引と契約[木村真生子] 167
1 電子商取引の仕組み 
1.1 電子商取引の意義と沿革 168
1.2 通信販売としての電子商取引 170
1.3 電子商取引の未来 170

2 電子契約の特色 172
2.1 問題の所在 172
2.2 契約締結の自動化と人の責任 172
2.3 匿名性の功罪 174
2.4 電子文書の脆弱性 174
2.5 ICT提供者と利用者の情報格差の拡大 175

3 電子契約をめぐる法的な問題 175
3.1 申込みと承諾 176
3.2 契約の成立時期 179
  (1) ウェブ画面の場合(179)
  (2) 電子メールの場合(180)
  (3) インターネットオークションの場合(181)
3.3 価格誤表示と売主の責任 182
3.4 なりすまし 183
  (1) 民法のルールと「なりすまし」(183)
  (2) 本人確認の方式に合意がある取引(184)
  (3) クレジットカード決済の場合(185)
3.5 未成年者による意思表示 186
3.6 契約の不履行 187
3.7 モール及びオークションサイト運営者の責任 188
  (1) 当事者間トラブルへの対処(188)
  (2) システム障害(189)
  (3) モール運営者の名板貸責任(189)

4 ウェブサイトの表示に関する消費者保護の仕組み 191
4.1 広告規制 191
  (1) 不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)による規制(191)
  (2) 特定商取引に関する法律(特定商取引法)による規制(192)
4.2 ステルスマーケティング 193
4.3 特定商取引法上の返品権 195
4.4 事業者団体による自主規制 195

おわりに 電子契約の法的課題 197


CHAPTER8 電子商取引の支払いと決済,電子マネー[森田果] 199
1 電子商取引の支払いと決済の仕組み 
1.1 現金以外の支払手段の必要性 199
1.2 銀行振込 200
1.3 収納代行 201
1.4 クレジットカード 201
1.5 電子マネー 201
  (1) プリペイド電子マネー(202)
  (2) サーバー型電子マネー(202)
1.6 代引き(代金引換) 203

2 支払い決済をめぐる法的問題 204
2.1 リスクの分配 204
2.2 デフォルトルールの設定 205
2.3 ルール設定の視点 205

3 電子マネーをめぐる法的問題 207
3.1 電子マネーの仕組み 207
3.2 原因関係と支払関係 207
3.3 無権限取引 208
3.4 運営会社の倒産リスク 210

4 銀行振込をめぐる法的問題 210
4.1 銀行振込の仕組み 210
4.2 原因関係と支払関係 211
4.3 無権限取引 212
4.4 ネットバンキングの場合 212

5 代引き・収納代行をめぐる法的問題 214
5.1 リスクの分配 214
5.2 公法的規制との関係 215

6 クレジットカードをめぐる法的問題 216
6.1 クレジットカードの仕組み 216
6.2 原因関係と支払関係 218
6.3 無権限取引 219

7 仮想通貨をめぐる法的問題・ビットコインを中心に 220
7.1 ビットコインの仕組み 220
7.2 公法的規制 222
7.3 私法的規整 222
おわりに 224


CHAPTER9 インターネットと刑法[渡邊卓也] 226
1 インターネットと刑法 226
1.1 科学技術の発展と刑法 226
1.2 インターネットを利用した犯罪 227

2 インターネット上の表現の規制 229
2.1 名誉毀損表現 229
2.2 わいせつ表現 232
2.3 児童ポルノ表現 234
2.4 サイバーストーキング 235

3 インターネットと財産保護 237
3.1 情報の刑法的保護 237
3.2 電子商取引と財産犯 240

4 ネットワークセキュリティの保護 242
4.1 ハッキング 243
4.2 コンピューターウィルス 246


CHAPTER10 インターネットと知的財産法[駒田泰土] 249
はじめに 249

1 インターネットと特許法 250
1.1 特許法の概要 250
1.2 発明としてのプログラム 251
1.3 ビジネス方法特許 252
1.4 インターネットを介した発明の部分実施 254

2 インターネットと著作権法 255
2.1 著作権法の概要 255
2.2 違法ダウンロード 258
2.3 ファイル交換/共有システム 258
  (1) ユーザーによる著作権侵害(259)
  (2) P2P サービス・プロバイダーによる著作権侵害 (259)
  (3) P2Pプログラム開発者・頒布者の責任(260)
2.4 クラウド・コンピューティング著作権法 261

3 インターネットと商標法、不正競争防止法 263
3.1 商標法、不正競争防止法の概要 263
  (1) 商標法(263)
  (2) 不正競争防止法 (264)
  (3) 両法律の規整の異同(255)
3.2 メタタグ 266
  (1) 商標的使用(266)
  (2) メタタグは商標的使用か(257)
  (3) 不正競争防止法による規制(268)
3.3 ドメイン名 259
  (1) ドメイン名が惹起する問題(259)
  (2) 不正競争防止法2条1項13号による規律(270)
  (3) ADR(271)

おわりに 272


CHAPTER11 インターネット上の個人情報保護[山本龍彦] 274
はじめに 274
  (1) 民間事業者による情報の収集・利用等について(274)
  (2) 国家による情報の収集・利用等について(278)

1 民間事業者による情報の収集・利用等 278
1.1 オンライン識別子と「個人情報」 278
  (1) 文脈依存性(278)
  (2) 法改正のポイント(280)
  (3) ガイドライン(283)
    個人情報関連
    通信履歴と位置情報
1.2 プロファイリングとプライバシーポリシー 286
  (1)個人が特定されている状況下で行われるプロファイリング(285)
  (2) 個人が特定されない状況下で行われるプロファイリング (288)
  (3) 告知の実効化と選択機会の実質的保障(290)

2 国家による情報の収集・利用等 293
2.1 「ゲートキーパー」としての電気通信事業者 293
2.2 裁判官による「境界」管理 295
2.3 今後の展望 298

おわりに 299


CHAPTER12 サービス・プロバイダーの責任と発信者開示[西土彰一郎] 301
はじめに 301

1 プロバイダーの役割 
1.1 マスメディアとコモンキャリア 302
1.2 プロバイダーの位置づけ 303

2 情報媒介者の法的責任――名誉毀損を例として 305
2.1 ニフティサーブ現代思想フォーラム」事件 305
2.2 都立大学事件 306
2.3 2ちゃんねる(動物病院) 事件 307
2.4 基準の一般化の必要性 308

3 プロバイダーの責任の制限 310
3.1 プロバイダーの責任が問題になる場合 311
  (1) 送信防止措置を講じなかった場合(311)
  (2) 送信防止措置を講じた場合(314)
3.2 公職候補者等の特例 315
3.3 プロバイダーの作為義務? 315
3.4 著作権侵害の場合の特殊性 316
3.5 プロバイダーの刑事責任 317

4 プロバイダー責任制限法における発信者情報開示請求権 318
4.1 通信の秘密との関連性 318
4.2 プロバイダー責任制限法4条の構造と論点 319

5 プロバイダーの責任制限及び発信者情報の開示を考える 322
5.1 プロバイダー責任制限法に対する指摘 322
5.2 クラウド・コンピューティングと検索サービス 323

おわりに 325


CHAPTER13 国境を越えた紛争の解決[長田真里] 327
はじめに 327

1 国際裁判管轄 328
1.1 2011年民事訴訟法改正前 328
1.2 2011年民事訴訟法改正後 328
  (1) 被告住所地原則(329)
  (2) 特別管轄(329)
    ①債務履行地管轄
    ②営業所在地管轄・事業活動地管轄
    ③財産所在地管轄
    ④不法行為地管轄
    ⑤合意管轄
    ⑥消費者契約管轄
  (3) 特別の事情による訴えの却下(337)

2 準拠法 338
2.1 準拠法決定ルール 338
2.2 契約の準拠法 339
  (1) 契約の成立及び効力の準拠法(339)
  (2) 契約の方式の準拠法(341)
2.3 消費者契約 341
  (1) 消費者契約の成立及び効力の準拠法(341)
  (2) 消費者契約の方式の準拠法 (342)
  (3) 消費者契約の特則の適用除外 (343)
    能動的消費者に関する適用除外
    事業者の不知・誤認に基づく適用除外

2.4 不法行為の準拠法 344
  (1) 一般不法行為の準拠法(344)
  (2) 生産物責任の準拠法(345)
  (3) 名誉・信用毀損の準拠法(345)
  (4) 準拠法の変更:その1 例外規定(346)
  (5) 準拠法の変更:その2 合意による準拠法変更(347)
  (6) 法廷地法の累積適用(347)
2.5 知的財産権侵害の準拠法 348
  (1) 知的財産権の準拠法:属地主義と準拠法(348)
  (2) 知的財産権の侵害の準拠法(349)

3 外国判決の承認・執行 351
3.1 外国判決承認執行制度 351
3.2 外国判決承認執行の要件 351
  (1) 外国裁判所の確定判決であること(352)
  (2) 間接管轄(353)
  (3) 敗訴の被告への送達(353)
  (4) 公序(354)
  (5) 相互の保証(355)

おわりに 356


判例索引 [358-363]
事項索引 [364-369]





【抜き書き】


■[CHAPTER 10 インターネットと知的財産法]の「第一節 インターネットと特許法」(pp. 250-252)から、プログラムの著作権に関係ふる記述を抜粋した。1.1項が著作権・特許の簡単な復習で、1.2項がプログラム(というかコード)の著作権について。

1 インターネットと特許法

1.1 特許法の概要
 テクノロジーを保護する法律の代表は,特許法[1]である。より正確にいうと,特許法は「発明」を保護対象としている。特許法上,発明とは,「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」と定義されている(2条1項)。

[注1] ほかにテクノロジーを保護する法律として実用新案法がある。ただ,同法によって保護される考案は「物品の形状,構造又は組合せに係るもの」に限定されており(3条1項)方法に係る技術は保護しない。
  特許法と同様に登録によって権利を成立せしめる制度ではあるが,登録に先立つ審査は基礎的なものにとどまり,新規性の有無などの実体面の審査は行われず,早期に権利を成立させる仕組みになっている。〔……〕


 発明には,大別して物の発明と方法の発明(物を生産するための方法の発明を含む)がある。〔……〕
 発明が特許を受けることができるためには,産業経営に役立つようなものでなければならないし,未だ公然と知られていないような新しいものでなければならない(産業上の利用可能性及び新規性の要件。29条1項)。また,単に新しいというだけでは十分ではなく,その技術の属する分野において通常の知識を有する者が容易に創作できないようなレベルに達している必要がある(進歩性の要件。29条2項)。
 特許出願を行って特許を受けることができるのは,原則として発明者である(29条1項)。〔……〕
 重複開発が行われた場合,〔……〕特許権を取得できるのは,最先の出願をした者である(39条1項・29条の2)。発明時期の先後は重要ではない。これを先願主義という。
 特許権を取得すると,特許された発明の業としての利用(「実施」という。2条3項)について,特許権者は独占権を取得することになる(68条)。当該発明を適法に実施することを望む第三者は,原則として,特許権者から特許権を譲り受けるか,実施権を取得する契約(ライセンス契約)を結ばなければならない(77条・78条)。〔……〕また,特許権の侵害は,通常,不法行為を成立させる(民法709条)。よって特許権者は,侵害者に対して損害賠償を請求することができる(特許発明は公報を通して一般に公開されるため,侵害者の過失を推定する明文規定がある。103条)。


1.2 発明としてのプログラム
 上に述べたように、特許法上の発明とは,自然法則を利用したものをいう。したがって,自然法則を利用していない単なる思考の産物は,いかに有用で発明らしくみえても,特許法上の発明ではない。暗号作成方法,語呂合わせなどの記憶方法,ゲームのルール,商品の陳列方法などは発明ではない。

2 旧法(大正 10年法)下の事例であるが、東京高判 1950.2.28 民集7巻4号 474頁〈欧文字単一電報隠語作成方法事件〉、最判 1953.4.30 民集7巻4号461頁〈同上告審〉。


 この観点から,かつて発明性が問題とされたのがプログラムである。プログラムは,コンピューターに対して特定の処理を命じる計算方法を記録したものであるから,それは人為的な取決めにすぎず,自然法則を利用したものとはいえないとも考えられる。ただ、コンピューターなどのハードウェア資源は,電力等自然力を利用したものであることに疑いの余地はない。そしてプログラムは,ハードウェア資源とともに技術的有用性を発揮するものである。そうしたことから,今日ではプログラムにも発明性が認められている。すなわち,プログラムは「物の発明」の一類型とされ,インターネットを介したその送信行為も,物の発明に係る特許権の効力が及ぶ「譲渡」行為と評価される(2条3項1号括弧書)。
 このように今日ではプログラムも発明たりうるが,自然法則利用の要件が無意味とならないように,特許法上,発明として扱ってもらえるプログラムは,その目的とする作用効果がハードウェア資源との具体的な協働によって得られるものでなければならないと解されている。


・10章の章末から(p. 272)。

おわりに

 本章を読まれて,知的財産法がインターネットと切っても切れない関係にあることについての実感をお持ちになっただろうか。だがそもそも,どうして両者はそのような関係にあるのだろう? それはたぶん,知的財産法が,知的財産という価値ある情報を(誰かの利益のために)保護する法である一方で,インターネットは,(万人のために)情報の自由な流通を促進するものであるので,両者の間に緊張関係が生じやすいからであろう。
 そのようにインターネットと密接な関係にある知的財産法は,頻繁に改正される法律である(毎年のように改正される)。理由の一つは,インターネットを含む先端技術の急速な進歩に対応するためであるが、制度の作り方をひとつ間違うと,インターネットがもつ自由という長所が大幅に失われる可能性もある。
 だから、本書を読まれた方は,ぜひ常にアンテナを張りめぐらせて,知的財産法の世界が今後どのように変わっていくのかを,注意深く見守ってほしい。