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『肉食の思想――ヨーロッパ精神の再発見』(鯖田豊之 中公文庫 2007//1966)

著者:鯖田 豊之[さばた・とよゆき](1926-2001) 西洋中世史、比較史。評論。
解説:月尾 嘉男[つきお・よしお](1942-) メディア政策、システム工学。随筆。
NDC:361.5 文化.文化社会学:文化変容,社会進歩,社会解体
NDC:383.83 飲食史[食制]


肉食の思想 -鯖田豊之 著|電子書籍|中央公論新社


【目次】
はしがき(昭和四十年十一月 鯖田豊之) [003-007]
目次 [009-012]


I ヨーロッパ人の肉食 014
ヨーロッパの家庭料理
日本との肉食率のヘだたり
パンは主食ではない
肉食はいつから始まったか
来日欧米人の困惑


II 牧畜的世界ヨーロッパ 040
日本では肉食はぜいたく
牧畜に適したヨーロッパ
ヨーロッパではパンはぜいたく
翻訳に困る「農業」
精肉業者の社会的地位
食生活と思想的伝統


III 人間中心のキリスト教 074
動物を殺す動物愛護運動
人間と動物との断絶
伝統的な人間中心主義
キリスト教の結婚観
いとこ同志は結婚できない
キリスト教と宮延愛


IV ヨーロッパの階層意識 108
「ほんのうの人間」を求めて
ぜいたくは支配者の美徳
現実社会を反映する身分制
立身出世の困難な社会
マルクス主義の背後にあるもの
インドのカースト制度


V ヨーロッパの社会意識 150
パン食から生まれた社会意識
ヨーロッパにしかない村
都市の自由と市民意識
日本に見られない身分制国家
他宗を大いに誹謗せよ
他人のことが気になる


VI ヨーロッパ近代化の背景 186
輸出可能な近代思想
伝統への反逆と強い人権意識
伝統と妥協する民主主義
フィクションでなくなった「自由と平等」


解説 日本の尺度で計測した日本人論(平成一九年六月 月尾嘉男) [214-220]
  戦後最初の日本人論
  肉食と宗教の妥協がもたらす人間中心主義
  肉食を見直す欧米の潮流
  肉食へ傾斜する日本