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『反西洋思想』(Ian Buruma, Avishai Margalit[著] 堀田江理[訳] 新潮新書 2006//2004)

原題:Occidentalism: the West in the eyes of its enemies (The Penguin Press, 2004.)
著者:Ian Buruma (1951-) ジャーナリズム。写真。映画。
著者:Avishai Margalit[אבישי מרגלית] (1939-) 哲学。社会運動。
訳者:堀田 江理[ほった・えり](1971-) 国際関係論。
NDC:104 哲学
NDC:230 ヨーロッパ史西洋史
件名:東洋と西洋
件名:西洋文明
備考:鳥取県立図書館は本書を一類(哲学)に分類しているので、それに倣った。


イアン・ブルマ、アヴィシャイ・マルガリート、堀田江理/訳 『反西洋思想』 | 新潮社

 ナチズム、毛沢東思想、「近代の超克」、イスラム原理主義……。「西洋」を敵視して戦いを促す思想は、昔から絶えることがない。西洋はなぜ憎まれるのだろう? 「敵」は西洋の何が気に入らないのか――。聖書、コーラン、ドイツロマン主義、ロシア思想から、特攻隊員の遺書やビン・ラディンの声明までを渉猟、「反西洋思想」に共通した要素をえぐり出す。現代史の難問に挑んだ画期的論考。


【目次】
目次 [003-007]


序章 オクシデンタリズムとは何か 009
  「近代の超克」座談会
  「日本の血」対「西洋の知」
  右翼でも左翼でもなく……
  宗教と政治の一体化
  アメリカニズムへの憎悪
  マルクスの墓を訪ねて
  オクシデンタリズムオリエンタリズム
  理解すること


第1章 西洋の都市 029
  9・11の再現ビデオ
  西洋を憎むのは「近親者」
  都市に対する不安
  バビロンの都
  都会=売春婦
  ユウェナリスゴンクール兄弟
  ブレイクとエリオット
  西洋都市への憎悪の起源
  ワーグナーのフランス嫌い
  ヴォルテールのイギリス観
  金と自由を求めて
  ワルモノはいつも西洋風
  ユダヤ人への負のイメージ
  日本の歴史的記憶喪失
  イスラム思想家の見たニューヨーク
  ユダヤ陰謀説の理由
  起源はフランス革命
  都市が田舎を支配する
  「オリエンタリスト」ヘルダー
  両極端な西洋思想
  マルクス主義という希望
  オクシデンタリスト毛沢東
  「田舎者集団」クメール・ルージュ
  タリバンの恐るべき拷問
  サラエボを破壊したシェークスピア学者
  ヒットラーにとってのベルリン


第2章 英雄と証人 085
  「我々は死を愛している」
  ドイツの英雄伝説
  「英雄の国」という幻想
  ゾンバルトの『商人と英雄』
  トクヴィルの嘆き
  異端の弁護士ジャック・ヴェルジェ
  民主主義と戦争
  日本の特攻隊
  3ヶ国語を読みこなしたエリートたち
  悪用された「死の崇拝」
  歪曲された「日本の伝統」
  軍人勅諭天皇切腹
  ヒンドゥーナショナリズム
  ある特攻隊員の言葉
  「狂気」を好むビン・ラディン
  イスラム「暗殺者」の伝統
  カミカゼ戦術再び
  西洋は英雄的ではない


第3章 西洋の心 123
  魂の思考と知性の思考
  スラブ派の源流はドイツ
  ロマン主義の世界観
  ドストエフスキーの「ひねり」
  神学に無関心なロシア正教
  ツァーリたちの対西洋姿勢
  スラブ派に愛されたシェリング
  スラブ派の雄イヴァン・キレエフスキー
  「ロシアのニーチェレオンチェフ
  合理主義批判=西洋批判
  トゥルゲーネフの描いたニヒリズム
  「クリスタルパレス」への抵抗


第4章 神の怒り 161
  宗教的オクシデンタリズムと世俗的オクシデンタリズム
  西洋=偶像崇拝する未開の文明
  旧約聖書の中の偶像崇拝
  「ジャーヒリーヤ」という概念
  マニ教的世界観
  イラン革命のパイオニア、アリ・シャリアティ
  ケマル・アタチュルクの改革
  イスラム教における偶像崇拝
  イランの思想家サイード・タレカニ
  サイード・クトゥーブの思想
  パキスタンの思想家マウドゥディ
  「穏やかなイスラム主義者」ムハンマド・イクバル
  性道徳は「公」の問題
  「ベール」というバロメータ
  「守られた宝石」という女性観
  サウジアラビアの自縄自縛


終章 思想の相互汚染 213
  シオニストのおとぎ話
  アラブ人も大歓迎?
  共に西洋原産だった両極端の思想
  バース主義と汎ゲルマン主義
  目をそむけるなかれ


日本語版へのあとがき(2006年6月 イアン・ブルマ アヴィシャイ・マルガリート) [232-236]
訳者あとがき(堀田江理) [237-244]
原注 [245-248]
人名索引 [249-253]




【メモランダム】
・91頁でオクシデンタリズムの格好の例として『商人と英雄』が採り上げられている。日本語訳はまだ無い。
Sombart, Werner (1915) Händler und Helden. München: patriotische Besinnungen : Duncker & Humblot.
https://www.worldcat.org/title/handler-und-helden-patriotische-besinnungen/oclc/608690067