著者:尾身 茂[おみ・しげる](1949-) 医学(地域医療・感染症・国際保健)。医師、厚生官僚、国際公務員。
装丁:不明。
件名:世界保健機関
件名:感染症対策
NDC:498.6 衛生学.公衆衛生.予防医学 >> 疫学.防疫
◆WHOで感染症と闘い続けた尾身茂氏が語る奮闘記
著者の尾身茂氏は、WHOアジア西太平洋地域における小児麻痺(ポリオ)根絶の立役者。また21世紀最初の公衆衛生の危機となったSARS対策でも陣頭指揮をとり、日本に戻ってからは新型インフルエンザ対策で活躍した。『公衆衛生』誌の連載をもとにした本書であるが、3.11後の医療・社会について加筆されている。本書は、まさに感染症と闘い続けた尾身氏の奮闘記。志とは? 覚悟とは? 己との格闘とは? 自ら道を拓こうと欲する、若者に贈る――。
【目次】
著者プロフィール/奥付 [ii]
序(2011年8月11日 尾身茂) [iii-iv]
目次 [v-vii]
第1章 WHOに至るまで:第1の青春物語 001
第2章 ポリオ根絶:第2の青春物語 006
ポリオとの格闘の日々のはじまり
専門家会議にて
試練克服への道
さらに乗り越えなければならない課題
ポリオの根絶――“ゼロ”の証明
第3章 WHO西太平洋地域事務局長選挙:リーダー(RD)となる 025
第4章 結核対策:RDとしての最優先課題 030
日本への期待
第5章 SARS制圧:リーダーとしての仕事 034
SARS発生
緊急対策本部発動
SARS制圧対策の作成と「渡航延期勧告」
中国とのやりとり
第6章 [インタビュー]リーダーシップ論:SARS対策を中心に 049
効果的なリーダーシップを発揮する秘訣
SARSとリーダーシップ
SARSをめぐる日本の感染症危機管理
日本の公衆衛生リーダーたちへ贈るメッセージ
第7章 WHOにおける鳥インフルエンザ対策 065
「縦割り」の壁の融合
カンボジアでの鶏をめぐる冒険
2005年末,中国へ飛ぶ
日本への働きかけ:国際会議の開催
日本におけるパンデミックインフルエンザ対策
日本の首長への働きかけ
第8章 日本におけるパンデミックインフルエンザ対策 087
総括
水際作戦の背景
水際作戦に対する専門家委員会の提言
なぜ水際作戦は5月22日まで引っ張られたのか
学校閉鎖
医療体制
日本はワクチン後進国
ワクチン接種回数の混乱
リスクコミュニケーション
提言
まとめ
第9章 日本の医療と社会を考える 104
I 深刻な健康問題――自殺
II 公衆衛生と地域の活性化――日本再生を目指して
III 「医療の質・安全」を考える
IV “人”中心の保健医療
V 21世紀の医学・医療とは
VI 「家庭医」を考える
新たな“家庭医”像の提案
VII 医師の地域および診療科ごとの配分
VIII 3.11以前と,これから
今までの日本の医療
3.11東日本大震災
これからの社会のあり方
どう外国と付き合うか
第10章 健康と文明 143
第11章 若者へのメッセージ 153
付録 WHOって何? 156
WHOとは
WHOで働きたいと思う人へ