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『法哲学[法学叢書]』 (亀本洋 成文堂 2011)

著者:亀本 洋[かめもと・ひろし](1957-) 法哲学
シリーズ:法学叢書;8
NDC:321.1 法哲学


成文堂 出版部|書籍詳細:法哲学



【目次】
はしがき [i-ii]
目次 [iii-xii]


第1章 法哲学の精神 001
第1節 「法哲学」という科目名あるいは学問分野 002
第2節 日本における法哲学の発展 011
第3節 法哲学と法学の関係 018
第4節 法哲学法哲学史 026
第5節 法哲学の教え方 031


第2章 法的思考――利息制限法をめぐる最高裁判決の変遷  034
第1節 利息制限法 034
   1.法律家と裁判 34
   2.利息制限法の内容 36
   3.本件の争点――制限利率超過部分を元本に充当できるか 40

第2節 第1の判決の多数意見 042
  4.判決の主文 42
  5.判決理由 44
  6.事実の概要 44
  7.法廷意見の法律論 45
  8.類推解釈 47
  9.利息制限法第2条の書き方 49
  10.利息制限法第2条からの類推解釈と反対解釈 52
  11.極端事例論法 53

第3節 第1の判決の個別意見 055
 [1] 河村意見……055
  12.事実の記述の仕方 55
  13.帰結主義論法 56
  14.不当利得の特則 58
  15.解釈は明文に根拠がないからこそ必要となる 60
  16.利息制限法第2条のポイント 61
  17.「無効な」意思表示 62
  18.「明らかである」ことは実は「明らかでない」 63
  19.法定充当説批判 64
 [2] 横田喜三郎意見……066
  20.法の不備 66
  21.法解釈方法論における(狭義の)「解釈」と欠缺補充の区別 68
  22.立法者の目的に有利な推定 68
  23.複数の目的の妥協の産物としての法律 70
  24.書かれた法律と国民との関係 72
 [3] 池田意見……072
  25.衡平 72
  26.裁判上無効 76
 [4] 奥野・五鬼上意見……077
  27.概念法学的「不可能」のレトリック 77
  28.「禁止」の多義性を利用するレトリック 79
  29.帰謬法 83
  30.敵の主張を自分に都合がよいよう拡張または縮小解釈する 84
  31.裁判所の能力の自覚 84
 [5] 山田意見……085
  32.一歩前進 85
  33.上告理由 86

第4節 第2の判決 088
  34.判例変更 88
  35.自分の意見の引用の仕方 90
  36.強調したい文言のくり返し 90
  37.「法律上の不利益」  91
  38.すでに受け容れられている論拠の応用 93
  39.類推から一般原理の確立へ 94
  40.制限超過部分は何らかの仕方で元本その他の残存債務に充当される 95
  41.法律の解釈の限度と一般原則 97
  42.利息制限を全面的に強行しないための緩和策の必要性 99
  43.「仕方がない」論法 101
  44.弁済期の到来・未到来による区別 103
  45.利息と損害金の区別 105
  46.その条文の適用の可能性のなくなるような解釈をしてはいけない 108

第5節 第3の判決 109
  47.判例に従え 109
  48.元本なくして利息なし 110
  49.間違いは間違い 112
  50.反制定法的解釈 114


第3章 法律関係 116
第1節 法の専門家と素人の距離 116
  1.法律家にとっての法と素人にとっての法 116
  2.憲法と通常法律 117
  3.法律関係 118
  4.有機的と機械的 119

第2節 ホーフェルド図式 120
  5.法律関係の機械論的把握 120
  6.ホーフェルド図式 120
  7.権利義務関係 121
  8.特権無権利関係 123
  9.特権と自由 123
  10.特権とは、しない義務の不存在 124
  11.特権無権利関係の法学上の意義 126
  12.機能責任関係 127
  13.「責任」という言葉 129
  14.契約の申込み、承諾、撤回 130
  15.ケース・メソッドと概念法学 132
  16.さまざまな権能責任関係の併存と継起 133
  17.免除権無能力関係 134
  18.無能力と、しない義務は違う 135
  19.免除権としての憲法上の自由権 136
  20.「権利」という言葉の多義性 137

第3節 道徳哲学者の不満 137
  21.「関係的」権利 137
  22.法学教育の目的 138
  23.道徳的思考と法的思考 139
  24.唯名論または個物主義 140
  25.初心者は定義を示されても理解できない 141
  26.ホーフェルド図式の法理学史上および道徳哲学上の意義 142
  27.義務論理学 143

第4節 サムナーの図式 146
  28.サムナーの第1図式 146
  29.サムナーの第2図式 147
  30.自由と権能、請求権と免除権が平行関係にある 147

第5節 ハートによる批判 149
  31.片面的「自由」は権利か 149
  32.権利の選択説と利益説 150
  33.保護境界線 152
  34.政策的結論を権利概念の分析から導く論法 153
  35.ハート説の瓦解 154
  36.高柳賢三によるホーフェルドの評価 154


第4章 自然権と国家 156
第1節 人権宣言 156
  1.ヴァジニアの権利章典 156
  2.アメリカ独立宣言 158
  3.日本国憲法前文自然権的解釈 160
  4.日本国憲法前文人民主権的解釈 161
  5.主権者 162
  6.フランス人権宣言163
  7.人権と民主主義 165

第2節 ノージックの国家論――支配的保護機関と独立人の問題 166
  8.国家の道徳的正当化とアナーキズム問題 166
  9.ノージックの国家論の概要 167
  10.ロック的自然状態と自然権 168
  11.支配的保護機関の生成 169
  12.支配的保護機関は国家か――独立人の問題 172
  13.独立人への対処の概要 174

第3節 超最小国家への移行 175
  14.危険を及ぼすリスクがある行為をなぜ禁止できるか 175
  15.交換利益の分割の不公正さ 176
  16.一般的恐怖からの議論 177
  17.権利侵害のリスクのある行為 178
  18.手続的権利 180
  19.判定手続を実行するための制約 181
  20.事実上の独占 182
  21.超最小国家の成立 184

第4節 最小国家への移行 184
  22.賠償原理 184
  23.賠償額 186
  24.非生産的取引 187
  25.独立人への現物賠償 188
  26.貧乏な独立人への賠償 191
  27.金持ちの独立人への無賠償 193
  28.現物賠償と金銭賠償 194
  29.独立人の三類型 197
  30.賠償支払い準備のない独立人 199
  31.差別的不利益を蒙ることなく蓄えることのできる財産 201
  32.国家への独立人の取り込み過程 203

第5節 最小国家のもつ含意 205
  33.貧乏人への賠償と金持ちへの無賠償の非対称性 205
  34.最小国家の脆弱さ 207
  35.民事上の違法行為と刑事上の違法行為の違い 209
  36.奴隷の話 210
  37.ノージックに洗脳されないために 212


第5章 政府の役割 214
第1節 アダム・スミスにおける政府の役割 215
  1.アダム・スミスにおける政府の役割 215

第2節 ロックナー事件 217
  2.ロックナー事件の概要 217
  3.ペッカム裁判官の法廷意見 219

第3節 ロックナー事件の反対意見 224
  4.ハーラン裁判官の反対意見 224
  5.ホームズ裁判官の反対意見 228

第4節 判決における法律家的議論の検討 230
  6.無知からの論法 230
  7.証明責任の転換 231
  8.司法の中立性 233
  9.ホームズはなぜ偉大か 235
  10.帰謬法を使用する帰結主義論法、「極端ではない論法」等 237
  11.先例の「説明」と「区別」 238
  12.先例の役割 239
  13.手続的審査のテクニック 240

第5節 政府の役割という観点からの検討 242
  14.警察国家 242
  15.福祉国家 246
  16.ロックナー事件当時のアメリカの世論 248
  17.革新主義の時代 249
  18.リベラルと保守の対決の1920年代 250
  19.社会主義から福祉国家へ 253
  20.「福祉国家」の概念の由来 256
  21.歴史を勉強しよう 258
 

第6章 市場と競争 260
第1節 経済学における普通の説明 261
  1.価格メカニズムについての普通の説明 261
  2.需要の変化 262

第2節 市場とは何か 263
  3.理念としての市場 263
  4.定型としての市場 265
  5.市場の役割 266
  6.同一の市場 269
  7.経済学の大家たちによる市場の定義 271
  8.交換 273
  9.完全市場 274
  10.市場の範囲 275
  11.競争 276
  12.完全競争市場 278

第3節 財とその価値 279
  13.メンガーの経済学 279
  14.財 280
  15.第1次財と高次財 282
  16.生産と消費 282
  17.所有財 285
  18.厚生 287
  19.経済財 289
  20.財価値 291
  21.ジェヴォンズによる「価値」ないし「効用」の説明 292
  22.財価値の差異の原因その1――欲望満足の意義の相違 296
  23.財価値の差異の原因その2――個々の欲望満足の具体的諸財への依存性 298
  24.高次財の価値 301

第4節 交換が起こるための条件 303
  25.交換性向 303
  26.交換が起こるための条件 305
  27.経済的交換の限界 307

第5節 価格の形成 310
  28.価格についてのメンガーの見方 310
  29.孤立的交換における価格形成 311
  30.単一の不可分的独占財をめぐって多人数の競争がある場合の価格形成と財の分配 311
  31.1独占財の諸数量をめぐって競争がある場合の価格形成と財の分配 312
  32.独占者の販売政策 315
  33.双方に競争があるときの価格形成 318

第6節 均衡 319
  34.競争市場における均衡 319
  35.均衡、静学、動学 320
  36.競争的均衡における水平の需要曲線と供給曲線 323
  37.価格理論における「市場経済」の意味 324
  38.競争と協力 327

第7節 費用とは何か 328
  39.供給曲線と限界費用 328
  40.費用 329
  41.効率的契約違反 333


第7章 市場と法 335
第1節 法学と経済学 337
 [1] 法学と経済学の違い 337
  1.「法と経済学」の二つのタイプ 337
  2.法学者にとっての経済学の効用 338
  3.非貨幣的費用 339
  4.経済学における行列 340
  5.法哲学者にとっての経済学の効用 341
  6.法学における教科書の役割 342
  7.経済学における教科書の役割とその標準化 343
  8.法学と経済学における正解の背景 346
 [2] 法学の道具と思考 349
  9.解釈の規準(canon) 349
  10.職人芸、実践知としての法的思考 354
 [3] 「法と経済学」 355
  11.実用法学の使命と経済学的思考のつまみ食い 355
  12.中途半端な「法と経済学」 357
  13.イデオロギー的な「法と経済学」 357
 [4] 経済学の理論と適用 360
  14.理論知と実践知 360
  15.コミュニケーション手段としての数学 361
  16.概念の解釈と言葉の解釈 362

第2節 代替の概念 363
  17.経済学における「代替」の概念 363
  18.弾力性の概念 365
  19.連関財 368
  20.水平または垂直な直線 369
  21.長期と短期 370

第3節 経済学についてのコースの見方 372
  22.経済学者による経済学の定義 372
  23.経済学の現状と制度としての市場の軽視 375

第4節 取引費用 377
  24.取引費用の概念と「市場」 377
  25.取引費用の概念の意味と意義 380
  26.取引費用概念の法哲学にとっての意義 382
  27.標準的経済学における法と制度の扱い 385
  28.取引費用とスティングラーの教科書の変遷 386
  29.取引費用概念と制度化費用 387

第5節 コースの定理 390
  30.外部性と相互性 390
  31.コースの定理 393
  32.権利分配の変化は富の分配の変化を通じ資源配分を変化させるか 396

第6節 ピグー的課税 400
  33.ピグー的課税への批判 400
  34.ピグー派からの反批判への応答 403
  35.取引費用ゼロの破壊力 406
  36.市場経済あるいは商業社会のメリット 407
  37.「外部性」という専門用語 409
  38.課税の費用 412
  39.産業への課税と補助金を通じた経済的厚生の増大の可能性 413

第7節 コースの経済理論の含意 416
  40.コースの理論の法哲学にとっての意義 416
  41.経済学における燈台 417
  42.現代経済学における悪徳の栄え 418
 

第8章 正義の概念  421
第1節 アリストテレス倫理学 421
  1.「卓越主義」という言葉 421
  2.倫理学政治学 424
  3.「状態」としての徳 426
  4.徳と快楽 427
  5.中庸 428
  6.徳と悪徳の例 431

第2節 アリストテレスの正義論 433
  7.適法的正義と均等的正義 433
  8.配分的正義 435
  9.矯正的正義 437
  10.矯正的正義の解釈と適用範囲 439
  11.「交換的正義」という言葉 441
  12.応報的正義 443
  13.交換的正義についてのシュンペーターの解釈 447
  14.自然価格=公正価格 449
  15.応報的正義の要点 452
  16.アリストテレスにおける正義と法の関係 454

第3節 手続的正義 457
  17.自然的正義 457
  18.対審システムとしての裁判 458
  19.公平の外観 459
  20.聴聞機会の保障 460
  21.形式的正義 462
  22.形式的正義と手続的正義 464
 

第9章 分配の正義 466
第1節 行為の正義の理論 466
  1.正義の前提としての「社会」 466
  2.「人為的」観念としての正義 468
  3.人間行為の結果であるが人間的設計の結果でないもの 471
  4.メンガーの社会科学方法論 473
  5.正義のルール 476
  6.約束履行のルール 478
  7.分配的正義の否認 480
  8.権原理論 481
  9.純粋な手続的正義 484
  10.「正義」という言葉の適用対象 488

第2節 分配の正義の理論 490
  11.各人に各人のものを 490
  12.正義の諸概念 492
  13.社会的正義の観念 494
  14.「値する」の構造 497
  15.責任のある行為 499
  16.「値する」の第一義的判断および第二義的判断と、見せかけ判断との区別 501
  17.「値する」の判断は制度に先立つか否か 504
  18.分配的正義論において「値する」が軽視される理由 506
  19.運と「値する」 506
  20.「値する」という主張の使い方 510
  21.社会的正義の射程 511
  22.ミラーの多元主義的分配的正義論 514
  23.必要に応じた分配 515
  24.市民としての平等 516
  25.市場における貢献に応じた分配 518
  26.市場価格擁護論の意味 521

第3節 格差原理 523
  27.正義の二原理 523
  28.原理間の優先関係 524
  29.格差原理の分配対象 525
  30.公正な機会均等との関係 527
  31.基本善指数 528
  32.機会としての所得 528
  33.社会階層間比較 529
  34.分配基準としての格差原理の両義性 530
  35.分配曲線と職種賃金一覧表の対応 531
  36.分配曲線による格差原理の説明 533
  37.格差原理Iの優先 535
  38.格差原理と格差縮小要求 536
  39.格差原理IIの採用 537
  40.格差原理と互恵性 540
  41.所得および生産逓増の原因としてのインセンティブ 541
  42.恵まれた人からの搾取 541
  43.desertと格差原理 543
  44.格差原理にかなったルールを作成するために必要な情報 543
  45.能力への課税 544
  46.格差原理にかなったルールを作成するために必要な事実的情報と規範的情報 544
  47.格差原理は道徳的原理か 545
  48.集団と貢献、互恵性 546
  49.功利主義者としてのロールズ 547
 

第10章 リベラリズムと法 548
第1節 ミルの自由論 549
  1.政府による権威的干渉と非権威的干渉 549
  2.自由に有利な推定 551
  3.政府による非権威的干渉なら認められるのか――エリート主義の問題 553
  4.「自由」の意味――政治的権力の制限 555
  5.自由主義と民主主義との結合 558
  6.多数者による政治的専制と社会的専制 558
  7.習慣、理由づけ、好み 560
  8.寛容 562
  9.政治的リベラリズム 565
  10.危害原理 568
  11.リベラリズムのジレンマ 570

第2節 自由の概念 571
  12.自由とは他人によって強制されないこと 571
  13.パワーとしての「自由」 572
  14.潜在能力としての自由 574
  15.社会状態の一部を決定する自由 576
  16.ノージックによる社会的決定理論批判 579
  17.自由と強制 580
  18.道徳原理としての自由 585
  19.自由と責任 586
  20.自由社会への批判 589

第3節 法の概念 590
  21.行為のルールと組織のルール 590
  22.公法中心の法の見方 596
  23.法命令説 597
  24.法の一般理論と法哲学 598


第9章49解答例 [602-603]
文献一覧 [605-617]
人名索引 [619-623]
事項索引 [624-627]