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『現代経済思想――サムエルソンからクルーグマンまで』(根井雅弘[編] ミネルヴァ書房 2011)

編者:根井 雅弘[ねい・まさひろ](1962-) 経済思想史。
著者:中村 隆之
著者:楠 美佐子
著者:廣瀬 弘毅
著者:神野 照敏
著者:藤田 菜々子
著者:山本 英司
著者:寺尾 建
著者:横田 宏治
著者:江頭 進
著者:荒川 章義
著者:服部 茂幸
Design:STUDIO-M21(N) 
NDC:331.2 経済思想史、経済学説史。


現代経済思想 - ミネルヴァ書房 ―人文・法経・教育・心理・福祉などを刊行する出版社


【目次】
はじめに(2011年1月7日 根井雅弘) [i-ii]
目次 [iii-vii]


第1章 ポール・A・サムエルソン――王者の折衷主義[中村隆之] 001
1 経済学者サムエルソンの誕生――ハーバードと三つの革命 002
  サムエルソンの生い立ち
  ハーバード大学で経験する三つの革命
  25歳のサムエルソン博士
2 『経済分析の基礎』――比較静学という方法 005
  最大化行動と比較静学
  「対応原理」と比較静学
  サムエルソンの方法
3 新古典派総合――ケインズと新古典派の折衷 009
  新古典派総合とIS/LM理論
  サムエルソンの折衷主義
4 王者の折衷主義――左右の見解を配下に 013
  「心」をもつ経済学
  フリードマンから学ぶこと
  ガルブレイスから学ぶこと
5 サムエルソンが残した常識とその問題点 019
  市場には心がない

文献案内 020


第2章 フリードリヒ・A・ハイエク――「忘れられた経済学者」から自由主義経済思想家へ[楠 美佐子] 022
1 自由主義経済思想家への道 023
2 貨幣的景気循環論――初期均衡状態からの説明 024
  迂回生産理論
  「ハイエクの三角形」
  自発的貯蓄の場合
  信用創造の場合
3 貨幣的景気循環論――初期不均衡状態からの説明 028
  完全予見の想定の限界
  リカード効果
4 理論経済学研究から自生的秩序論の社会哲学研究へ――ハイエクの「転換」 031
  「経済学と知識」における新しい均衡概念の構想
  未完の資本理論
5 自生的秩序論と後期ハイエクの経済学 034
  自生的秩序論の構想
  社会における知識の問題
  貨幣発行自由化論
  自生的秩序論の総合社会科学
文献案内 037


第3章 ミルトン・フリードマン――ケインジアンとの闘いの末に得たもの[廣瀬弘毅] 039
1 自由主義経済学者の生涯 040
  研究者になるまで
  プロの研究者として
2 理論的業績 042
  マネタリズム
  自然失業率仮説
3 方法論争 048
  フリードマンの方法論
  今日の経済理論の発展
4 自由主義 050
  シカゴ学派
  自由主義
  政治的影響慮力
文献案内 053


第4章 ジョン・K・ガルブレイス――ことばで現実を変革する偉大な名文家[神野照敏] 055
1 「最大」の「異端派経済学者」誕生 056
2 ガルブレイス経済学の特徴 059
  経済学説史家としてのガルブレイス
  名文家としてのガルブレイス
  現代制度派経済学者としてのガルブレイス
3 ガルブレイスが見た新しい現実 065
  「溢れ出す」社会
  依存効果と消費者主権の否定
  集金人の到来
  社会的バランスの喪失
4 『ゆたかな社会』以後 073
  「計画化体制」とテクノストラクチュア
  「満ち足りた人びと」
文献案内 075


第5章 グンナー・ミュルダール――不平等に向き合う制度派経済学[藤田菜々子] 078
1 ケインズ以前のケインズ的政策 079
  カッセルとヴィクセル
  貨幣的均衡
  失業委員会と「新しい財政政策」路線
2 少子化への処方箋 082
  『人口問題の危機』
  人口委員会と「母と子の議会」
  スウェーデンの普遍主義的福祉政策
3 豊かな国と貧しい国 085
  循環的および累積的因果関係の原理
  先進諸国の好循環
  低開発諸国の悪循環
4 福祉世界という理想 089
  福祉世界の形成
  福祉世界の国民主義的限界
  福祉世界を越える
5 経済学者とは何者か 092
  経済学がなしうること

文献案内 093


第6章 ミハウ・カレツキ――ポスト・ケインズ派経済学の源泉[山本英司] 095
1 「ケインズ革命」の先行者 096
  ペンネーム「ヘンリク・ブラウン」
  『景気循環理論』
  ケインズ・サーカスとの出会い
  その後のカレツキの歩み
2 カレツキの資本主義経済論と現代 103
  価格二分法と独占度
  分配要因を考慮した投資乗数
  危険逓増の原理
  政治的景気循環
3 ポスト・ケインズ派経済学 106
  「ケインズ革命」の体制化と新古典派総合
  異端派経済学とポスト・ケインズ派経済学
文献案内 108


第7章 ジョン・ナッシュ――ゲーム理論の可能性の中心[寺尾 建] 110
1 ビューティフル・マインド 111
  ナッシュその人について
  ノイマン=モルゲンシュテルンとの出会い
  交渉問題
2 協力ゲーム――ノイマン=モルゲンシュテルン・プログラム 116
  “ジョン”対“ジョン”
  「ミニマックス定理」
  プログラムの“フリーズ”
3 非協力ゲーム――ナッシュ・プログラム 120
  「ナッシュ均衡」
  経済学に対する決定的な影響
  ナッシュ以降のゲーム理論
4 ゲーム理論――その可能性の中心 126
  数学としてのゲーム理論
  ゲーム理論の可能性
文献案内 128


第8章 ロバート・E・ルーカス,Jr. ――厳密性の回復に努めた理論家[横田宏治] 130
1 合理的な将来予測とは 131
  インフレをめぐる予想の重要性が認識された70年代
  なぜ予測精度の向上を求めるのか
  人は予測の裏をかく
  各種推計とルーカス批判
  構造がわかっている場合の予測
  フィードバックの存在する場合
2 経済学における合理的期待 140
  職業としてのエコノミスト
  期待が経済で果たす役割
  二島モデル
  合理的期待形成仮説は過激派か
3 景気変動の源泉を求めて 145
  人々は失業することを選択している?
  なぜ景気変動が存在する状態を選択するのか
  実物的景気循環論
文献案内 147


第9章 ネルソンウィンター――時間と知識に関する進化経済学の挑戦[江頭 進] 149
1 2人の略歴 151
2 『経済変動の進化理論』の概略 153
  ルーティーンの役割
  経済成長モデルへの展開
  シュンペーター的トレードオフ
3 進化経済学のその後 161
4 進化経済学の今後の可能性 163
文献案内 164


第10章 アマルティア・セン――平等とは何か,何の平等が重要であるのか[荒川章義] 165
1 社会的選択論の研究へ 166
  経済学の研究へ
  社会的選択論とは何か
2 センの一般可能性定理とパレート的リベラルの不可能性定理 169
  センの一般可能性定理
  パレート的リベラルの不可能性定理
3 潜在能力アプローチ 173
  潜在能力とは何か
  所得や効用はなぜ平等の基準にならないのか
4 経済開発と飢饉 177
  自由としての経済開発
  飢餓・飢饉の研究へ
文献案内 181


第11章 都留重人――理想を追い求めた科学的ヒューマニスト[神野照敏] 183
1 国際人・都留重人の誕生 184
  理論は道具箱――経済政策学者としての都留重人
2 新しい政治経済学を求めて 187
  素材面と体制面
  資本主義とはどのような社会か?
  正統派ミクロ経済学の問題点
3 福祉と環境の政治経済学 194
  GNPと福祉水準
  フィッシャーの資本と所得理論
  公害・環境の政治経済学
4 体制変革の展望 201
  必要に応じた分配
  フローの社会化
文献案内 205


第12章 森嶋通夫―― 一般均衡論を動学化する[荒川章義] 207
1 研究への道 208
  『価値と資本』から経済学の研究へ
  安定性理論への貢献
2 産業連関分析からノイマン・モデルへ 212
  産業連関分析の研究
  ノイマン・モデル
  なぜノイマン・モデルか?
3 経済学史の研究へ 220
  ノイマンから見たリカード,マルクス,ワルラス
  耐久財のジレンマとセーの法則
文献案内 225


第13章 J・E・スティグリッツ――「情報パラダイム」の開拓[中村隆之] 227
1 失業・貧困・差別を分析できる経済学を目指して 228
  若き日のスティグリッツ――社会問題への情熱
  MITの経済学への批判――「競争パラダイム」への疑問
  インディアナ州ゲーリー出身の経済学者
  効率賃金理論――賃金は需要均衡では決まらない
2 新しい金融論――信用と情報の経済学 233
  銀行貸出における信用創造
  金融政策の効果――金利ではなく,信用供給[Credit Supply]を通じて
  信用の一般均衡理論
  二つのニュー・ケインジアン
3 市場原理主義との闘い――政策実務の経験を経て 240
  1990年代の「ニュー・エコノミー」
  ワシントン・コンセンサスへの批判
  世界金融危機――誤った中央銀行政策とバブル
4 「情報の経済学」は資本主義の本質を問う 245
  誰が資本主義の舵をとるのか?
文献案内 247


第14章 N・グレゴリー・マンキュー ――輪廻転生のケインズ経済学[寺尾 建] 249
1 ゼネラリストの経済学者 250
  マンキューその人について
  経済学との出会い
  経済学者としての原点
2 マクロ経済学のミクロ的基礎付け 254
  新古典派総合――1970年以前のマクロ経済学
  新しい古典派――1970年以降のマクロ経済学
3 ニュー・ケインジアンのマクロ経済学 259
  労働市場から生産物市場へ
  メニュー・コスト理論
  ケインズ経済学の「転生
4 マクロ経済学とは何か――そのゆくえ 266
  「新しい古典派総合」
  「科学」としてのマクロ経済学
文献案内 269


第15章 ポール・クルーグマン――市場と政府の狭間で[服部茂幸] 271
1 収穫逓増と新しい貿易理論 272
  古典的な貿易理論から新しい貿易理論
  経路依存性と複数均衡
  経済地理学への応用
  産業政策としての保護貿易主義と戦略的貿易政策
2 通貨危機の理論と東アジア通貨危機 277
  通貨危機の第1世代モデル
  第2世代モデルから第3世代モデルへ
  「まぼろしのアジア経済」
3 1990年代の日銀批判とサブプライム金融危機 279
  日本の長期停滞とインフレ・ターゲット論
  サブプライム金融危機とグリーンスパンの失敗
  オールド・ケインジアンへの先祖帰り
4 ブッシュ政権批判 282
  金持ち減税批判
  格差は作られた
  国民皆保険制度と人種差別
5 市場支持のケインズ主義 287
  時代は「政府」を求めている
文献案内 287


人名索引 [289-290]
事項索引 [291-296]




【メモランダム】
・服部茂幸が執筆した「第15章 ポール・クルーグマン」の文献案内には山形浩生が訳した本が一冊もないという徹底ぶり。
 
Wipipedia ポール・クルーグマン 邦訳著作