著者:飯田 史彦[いいだ・ふみひこ] (1962-) 経営学、経営思想 → カウセリング、チャリティ活動
【目次】
目次 [003-009]
はじめに [011-017]
第1章 日本的経営論の系譜
1 基礎的研究の時代―― 一九八〇年頃以前 022
2 日本的経営ブームの時代―― 一九八〇年頃〜八七年頃 029
3 批判と反省による自信喪失の時代―― 一九八七年頃〜九五年頃 036
4 アイデンティティ再確認と本質追求の時代―― 一九九五年頃以降 049
第2章 日本的経営とは何か
第1節 日本的経営の構成要素 064
1 日本企業に固有の特徴 069
(1) 「三種の神器」説――終身雇用制・年功制・企業別組合
①一般論としての「三種の神器」説
②「三種の神器」説に対する疑問と批判
(2) その他の特徴
①経営理念・組織風土関係
A 調整型・自然体リーダーシップ
B 人間尊重
C 団結力・労働意欲
D 愚直の精神
②経営戦略関係
A 顧客志向
B 成長志向
C 系列志向
③人事管理関係
A 定期一括採用
B ローテーション異動
④業務遂行関係
A 品質・コストの徹底追求
B 不明瞭な職務分担
C 現場主義
D 情報の共有
E 根回し・稟議による合意形成
2 日本企業において実施率の高い経営システム125
3 海外子会社には移植できない経営システム 128
4 国際間競争における日本企業の成功要因 130
第2節 日本的経営の分析視角 136
1 欧米人から見た「日本的経営」 137
2 分析者――被分析措の認識からみた価値観分析視角の三類型 143
(1) 自己認識要因
①自己誤認
②伝達不足
③分析関心外
(2) 対外イメージ要因
①他者誤認
②潜在意識化
③自己否定
(3) 共有認識要因
第3章 終身雇用制と年功制
1 終身雇用制をめぐる論点 153
(1) 概念規定あるいは存在をめぐる議論
①肯定的見解
A 大企業に限定して認める
B 本工(正社員)に限定して認める
C あくまでも「慣行(努力目標)」としての終身雇用
D 雇用契約の毎年更新を暗黙の了解とする慣行
②否定的見解
A 中小企業では導入されていないという事実
B 制度としての不徹底さ・不完全さ
(2) 効率性・有効性をめぐる議論
①支持的見解
②疑問視的見解
2 年功制をめぐる論点 189
(1) 年功制の概念
(2) 功制の有効性
第4章 集団主義と忠誠心
1 集団主義をめぐる論点 202
(1) 肯定的見解
①日本人の本性(文化)
②政府や企業によって意図的に醸成されてきた価値観
(2) 否定的見解
2 忠誠心をめぐる論点 227
(1) 企業側の観点からの有効性
(2) 社員側の観点からの人権・個性の抑圧
第5章 文化的影響と特殊性
1 文化的影響をめぐる論点 244
(1) 文化・歴史・心理的影響の重視
(2) 文化・歴史・心理的影響の疑問視
2 特殊性と普遍性をめぐる論点 272
(1) 特殊性への着目
(2) 普遍性への着目
第6章 日本企業の未来像
1 結論の出ない議論を超えて 289
2 日本企業の向かうべき道 296
(1) 日本的経営の維持
(2) 日本的経営の変革
おわりに 324
1 技術論・システム論と、本質論・価値観論との連動 325
2 「人はなぜ働くのか」という基本命題への立脚 328
感謝の言葉 [338]
脚注 [viii-xii]
参考文献 [i-vii]