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『アベノミクスのゆくえ――現在・過去・未来の視点から考える』(片岡剛士 光文社新書 2013)

著者:片岡 剛士[かたおか・ごうし] (1972-) エコノミスト。応用計量経済学マクロ経済学、経済政策。
NDC:332.107 日本経済史 >> 昭和時代後期.平成時代 1945- 


アベノミクスのゆくえ 片岡剛士 | 光文社新書 | 光文社


【目次】
目次 [003-008]
はじめに――アベノミクスの衝撃(2013年3月15日 片岡剛士) [009-024]


第1章 日本経済の現状 025
1.日本経済の「現状」を特徴づける7つのポイント 026
2.マイルドかつ持続的なデフレ 027 
3.円高トレンドの持続 034
4.失業率の高止まり、名目賃金の停滞 041
5.深刻化する不況と回復の弱々しい好況 049
6.財政赤字・債務負担の深刻化と、将来の増税可能性の高まり 057 
7.少子高齢化の本格化 058
8.東日本大震災の影響 060
9.第1章のまとめ――デフレがもたらす影響 064


第2章 日本経済を考えるための視点 067
1.3×3のフレームワークとは 068
2.3つの政策手段 069
  相互に作用する3つの政策手段――安定化・成長・再分配
  潜在成長率とは何か
  格差拡大が市場の競争メカニズムを阻害する
  マンデル=フレミング効果と国際金融のトリレンマ 
3.3つのステージ 083
  レジームと既得権益・観念の役割
  情勢把握・政策実行・効果の発現
  ラグから考える
4.3つの時点 094
  3つの時点と2つの市場
  未来の予想によって変動する市場と、過去の実績に制約される市場
  おカネは過去と未来を媒介して経済に影響する 
5.第2章のまとめ――3×3のフレームワーク 104


第3章 過去から考える日本経済 107
1.長期停滞の主因をめぐる6つの仮説 110
  実物的現象と貨幣的現象、どちらが
長期停滞の主因なのか
  貨幣的現象に基づく長期停滞の解釈
2.3×3のフレームワークに基づく長期停滞 122
  失敗の発端――プラザ合意以降の円高不況(1985年〜86年)
  バブルとバブル景気(1987年〜91年)
  3×3のフレームワークに基づく、プラザ合意からバブル経済に至る過程の整理
  バブル崩壊と長期停滞・デフレの始まり1990年〜96年)
  3×3のフレームワークに基づく、バブル崩壊からデフレに至る過程の整理
  デフレの本格化(1997年〜2001年)
  3×3のフレームワークに基づく、デフレ本格化に至る過程の整理
  デフレ下の景気拡大とリーマン・ショック、デフレと円高の持続(2001年〜現在)
  3×3のフレームワークに基づく、デフレ下の景気拡大、リーマン・ショック、デフレと円高の持続の整理
3.個別政策から見た長期停滞 159
  財政政策はなぜ十分な効果がなかったのか
  「構造改革」の変遷
  日銀総裁のパフォーマンス
4.第3章のまとめ――「デフレレジーム」と3×3のフレームワークに基づく長期停滞の解釈 173


第4章 未来から考える日本経済 181
1.「アベノミクス」をどう考えるか 181
  アベノミクスの骨格
  3×3のフレームワークから考える日本経済の現状打破の方法
  3つのステージから見た好循環とアベノミクス
  「正確な経済情勢の把握」の視点から見たアベノミクス
  「適切な政策の実行」の視点から見たアベノミクス
  「適切な政策効果の発現」の視点から見たアベノミクス
  3つのステージを運営する場の視点で見たアベノミクス
  リスク要因としての3つの政策思想
  アベノミクスは実は1本の矢である
  「3つの政策手段」の観点から見たアベノミクス
  「3つの時点」の好循環とアベノミクス
2.「大胆な」金融政策の検証 208
  リフレーション政策とは何か
  進む「円安株高」をどう見るか
  金融政策決定会合(1月22日)をどう見るか
  まったく意味のない文書となってしまった「共同声明」
  有名無実化した「2%の物価安定目標」
  オープンエンド方式でなかった「期限を定めない資産買入れ方式」
  新日銀総裁・副総裁のデフレ脱却の本気度
  「大胆な」金融政策実現のために必要な政策
  ①基準となる物価指標の明示や展望レポートの変更・修正
  ②オープンエンドの金融政策
  ③日銀法改正
3.「機動的な」財政政策の検証 250
  経済対策をどう考えるか
  低下する公共投資の押し上げ効果
  経済対策として何が効果的か
  2014年4月の消費税増税は可能か
  消費税、所得税法人税に関する課題
  増税よりもまずは長期停滞からの脱却を
4.「民間投資を喚起する」成長戦略の検証 278
  必要なのは「成長戦略」ではなく「成長政策」である
 ① TPP(環太平洋経済連携協定) 279
  FTAAPにつながる枠組みとして見た場合のTPP
  環太平洋地域におけるパワーバランスを考えた場合のTPP
  政府試算から見た場合のTPP
  必要な「政策割り当て」の発想
  TPPがデフレを促進することはない
  国境措置から国内補助金への切り替えが必要
  TPP交渉のゆくえ
 ② エネルギー政策 293
  GDP等への影響
  産業別・世代別・地域別の影響
  電力価格・光熱費への影響
  試算結果をどう考えるか
  エネルギー政策のゆくえ
5.第4章のまとめ――「アベノミクス」をどう捉えるか 311
  3×3のフレームワークの視点から考えるアベノミクス
  金融政策、財政政策、成長戦略の検証


おわりに――アベノミクスのゆくえ [319-336]
  アベノミクスの持つ意味
  「大胆な」金融政策が実行され、実際に2%インフレが達成された場合の不安はあるか
  アベノミクスがうまく進まないリスクはあるか
  アベノミクスそのものに問題はないのか


脚注一覧 [337-340]
参考文献 [341-345]