著者:石田 勇治[いしだ・ゆうじ] (1957-) ドイツ近現代史、ジェノサイド研究。
NDC:234.074 ドイツ史、中欧史(ナチス・ドイツ[第三帝国] 1933-1945、第2次世界大戦 1939-1945)
『ヒトラーとナチ・ドイツ』(石田 勇治):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部
【目次】
はじめに [003-007]
目次 [009-015]
第一章 ヒトラーの登場 019
1 若きヒトラー 020
「ボヘミアの上等兵」?
少年時代
戦場のヒトラー
受け身の日和見主義者
2 政治家への転機 030
頭角をあらわす
マイヤー大尉との出会い
ドイツ労働者党への入党
3 ナチ党の発足まで 036
党の有力メンバーに
二五ヵ条綱領
ヒトラーの演説
4 党権力の掌握 043
七月危機から指導者政党へ
突撃隊
5 クーデターへ 049
右翼の巣窟となったバイエルン
一九二三年の危機
ミュンヒェン一揆
第二章 ナチ党の台頭 057
1 カリスマ・ヒトラーの原型 059
カリスマ的支配とは何か
カリスマとしてのヒトラー
2 「ヒトラー裁判」と『我が闘争』 065
「ヒトラー裁判」
獄中のヒトラー
『我が闘争』
3 ヒトラーはどのようにナチ党を再建したのか 077
党の再建のための三つの要諦
ナチ党再建集会とヒトラーを阻む壁
綱領論争
全国政党への展開
ベルリン攻略をめざして
親衛隊と突撃隊
4 ヒトラー、ドイツ政治の表舞台へ 093
反ヤング案国民請願運動
弁士養成学校
国民政党
農村への進出
社会実践としての共同体
躍進するナチ党
第三章 ヒトラー政権の成立 113
1 ヒトラー政権の誕生 115
下降局面に入ったナチ党
ヒンデンブルクとは何者か
2 大統領内閣 120
大統領内閣と大統領緊急令
シュライヒャーとパーペン
3 議会制民主主義の崩壊 126
ヒンデンブルクとヒトラー
さまざまな保守派の構想
ヒトラー政権の成立
第四章 ナチ体制の確立 133
1 二つの演説 136
最初のメッセージ
将官たちへの秘密演説
2 合法的に独裁権力を手に入れる 140
国会を終わらせるための選挙
左翼陣営の動き
議事堂炎上令
地方政治を抑え込む
「ポツダムの日」
3 授権法の成立 153
授権法
地方分権制を掘り崩す
諸政党の解体
ナチ党が唯一の政党に
わずか半年間で起きた議会制民主主義の解体
4 民意の転換 166
社会のナチ化
なぜ人びとは反発しなかったのか
革命終結宣言
ひとつの民族、ひとりの指導者、ひとつのヤー!(Ja!)
5 体制の危機 177
白けムードの広がり
突撃隊の急進主義
保守派、転覆を図る
レーム事件
総統の誕生
第五章 ナチ体制下の内政と外交 189
1 ヒトラー政府とナチ党の変容 192
ゲッベルスとプロパガンダ
分割して統治せよ
膨張するナチ党
党の構造
ジャングルのような権力関係と猟官運動
2 雇用の安定をめざす 204
なぜ人びとは、ナチ時代は「うまくいっていた」と答えたのか?
ヒトラーの景気対策
失業対策のからくり
3 国民を統合する 214
「フォルクスゲマインシャフト」
国民統合の三つのかたち
(1)ナチ党大会
(2)アウトバーンの建設
(3)歓喜力行団と冬季救援事業
4 大国ドイツへの道 228
大国ドイツを取り戻す
平和主義者の顔
国際連盟からの脱退
孤立への道
オーストリア、ドルフース首相の暗殺
孤立からの脱却を試みる
(1)ザール地方、ドイツに戻る
(2)独英同盟へのシナリオ
(3)ラインラントヘの進軍、イタリアヘの接近
進む再軍備
ホスバッハ文書と侵略戦争への道
第六章 レイシズムとユダヤ人迫害 253
1 ホロコーストの根底にあったもの 256
レイシズム
ドイツの優生学「人種衛生学」
人種的反ユダヤ主義
シオニズムと東方ユダヤ人
ヒトラーの反ユダヤ主義
2 ヒトラー政権下でユダヤ人政策はいかに行われていったか 269
反ユダヤ立法と民意
ユダヤ人を公職追放する
在米ユダヤ人団体とドイツ民衆の反応
ニュルンベルク人種法
国外退去を迫る理由
亡命と焚書
出国へのためらい
諸外国の対応
「帝国水晶の夜」
なぜドイツの国民から抗議の声があがらなかったのか
共犯者となった国民
第七章 ホロコーストと絶滅戦争 295
1 親衛隊とナチ優生社会 296
親衛隊の台頭
親衛隊のレイシズム
ナチ体制下の優生社会
遺伝病子孫予防法
優生思想をたたき込む
安楽死殺害政策はどのように始まったか
安楽死殺害政策からホロコーストへ
2 第二次世界大戦とホロコースト 309
「民族ドイツ人」の移住
「帝国へ帰ろう」政策
追われていくポーランドのユダヤ人
マダガスカル島への移住計画
独ソ戦争とホロコーストの始まり
ドイツ国内のユダヤ人
対米開戦と反ユダヤ妄想
3 絶滅収容所の建設 327
ヘウムノ絶滅収容所
ベウゼツ、ソピブル、トレブリンカ絶滅収容所
マイダネク絶滅収容所
アウシュヴィッツ・ビルケナウ絶滅収容所
ゲルマン化と科学者たち
4 ヒトラーとホロコースト 339
落日のヒトラー
ヒトラーの最期
ホロコーストはなぜ止められなかったのか
おわりに(二〇一五年五月一三日 石田勇治) [347-349]
関連年表 [1-4]
参考文献 [i-x]